猛暑が続く時はエアコンの効いた部屋の中に閉じこもっているよりも、
外に出かけて、それも海よりも緑に囲まれた人里はなれた田舎なんか
に足をのばして新鮮な空気に包まれながらリフレッシュするのもいい。
さて鳥のさえずりも聞こえてくる野外で録音されたHeronのデビュー盤
を聴いていると爽やかな空気に包まれて、木漏れ日がさしこむ田舎の森
の中にいる気分。
演奏も歌も、けっして上手くないのだが、その素人っぽさが野外で気楽
に一発録りのゆる~い感じが出ていて良い。
とはいえ、この作品が素晴らしいのはホノボノとした雰囲気だけではなく
楽曲が良い事に尽きる。
彼らの作り出すメロディは牧歌的で、聴いているとおセンチになってしまう
ような不思議な魅力がある。
子供の頃に田舎の祖父に連れて行ってもらったどこかの山の森の中で
遊び疲れて、ふと周りを見渡して日が暮れ始めたのに気づいた時に、胸
が締め付けられるような気持ち、なんとも言えない気持ちになったのに
似ている。
イギリスのどこかの片田舎で、風の音や鳥の声と一体になって、4人の
青年達が作り出したはかない夏の白昼夢のような音楽。
Hit-C Fiore