「七人の中にいる」 今邑彩 中央公論社 ★★★☆ | 水底の本棚

水底の本棚

しがない書店員である僕が、
日々読んだ本の紹介や感想を徒然なるままに書いていきます。

書店のオシゴトの様子なんかも時々は。
本好きの方、ぜひのぞいてみてください。

ペンション「春風」のオーナー・晶子のもとに、21年前のクリスマスイヴに起きた医者一家虐殺事件の復讐予告が。

現在の幸せのために、葬ったはずの過去なのに。

折しも明後日に控えたクリスマス・パーティーに常連客が次々とやってくる。

元刑事・佐竹の協力で明かされていく客たちの身元は?


七人の中にいる (中公文庫)


※事件の真犯人に言及しています。未読の方はご注意を。





客たちの誰がに犯人がいる。


誰にも少しずつ怪しいところがあり、佐竹の協力で消去法によって犯人の正体が炙り出されていく。



しかし犯人は自分の夫。



これはかなり衝撃的な結末。



ある意味、クローズドサークルのように容疑者が限定されていて、一人一人その嫌疑が晴れていく。


そして最終的に残ったのは…という展開だが、意外な犯人という意味ではかなり秀逸なオチだと思う。


晶子、夫の郁夫、娘のあずさ、探偵役の佐竹、それぞれのキャラクターもうまく表現されていて、


暗くなりがちのストーリーを明るく読める作品。