作家のデビューは、時に小説以上にドラマティックである。
「ミステリーズ！」の好評連載に書き下ろしを加えた、豪華執筆陣全51名のエッセイ集。作家を志したきっかけや、新人賞受賞までの道のりなど、デビューまでの波瀾万丈の逸話と作家であり続けるための創作論を、デビュー年順に贈る。
51のエピソードで読み解く、戦後日本ミステリ史！
梗概に、「戦後ミステリ日本史」とあるけれど、それは誇張ではないと思います。
デビューまでの思い出を語っている５１人の面々の豪華さ！
この人たちが日本ミステリの歴史でなくて何であろう、と。
これって、東京創元社だからできることだよなあ。
鮎川哲也賞の授賞式に毎年参加させて頂いていまして、
そのたびに「これだけのミステリ作家さんたちが一同に介するってそうはないよな」と思うのだけれど、
それもこれも東京創元社だからだよな。
本書の中でも、多くの作家さんたち（本当に多くの！）がお世話になった人として、
東京創元社の戸川安宣さんと、講談社の故・宇山日出臣さんの名前を挙げている。
このお二方は本当に近代国内ミステリの父と呼べる存在だよなあと改めて思うとともに、
そういう方と何度もお会いして、お話までさせて頂いていることを、心から光栄に思うし、
書店員になって一番の倖せってこれかもなあと思ったりもする。
何の感想だこれ。