小保方晴子さんの記者会見を見た。
たまたま休みで家にいたから何となく見ていたが、
正直、僕にはSTAP細胞がどういうものか正確にはわかっていない。
何となく、ぼんやりと理解しているだけだ。
その程度のものだから、それが嘘だろうが本当だろうが、
正直、どうでもいい。
STAP細胞が存在して、今まで治らなかった病気の人が治るようになったら、
それは素晴らしいことだと思うけれど、
STAP細胞が嘘だったからと言って、僕に何か迷惑がかかったわけでもない。
世間の大半の人たちにとって、STAP細胞はそういうものであるはずなのに、
なんでこれほど大騒ぎをするのだろうか。
街頭インタビューに答える一般市民や、テレビのコメンテイター、雑誌記者たちなんかは、
彼女に何か迷惑でもかけられたのかな?
まあ、それはさておき。
小保方さんとはかなり違ったタイプの科学者が主人公のお話。
スリッパが勝手に歩く?
留守の間に風呂場の照明が点く?
現代科学では説明のつかない不思議な出来事。
幽霊のしわざか、はたまた超常現象か?
そこに隠れた法則を見つけ出したとき、意外な真相が浮かび上がる。
幽霊がいないと信じることと、
幽霊を信じないということはまったく別物だと言う科学者、小泉。
小泉は、科学でわからないことなどいくらもあると知っているから、
超常現象をあるがままに受け入れ、
それはそれとして、その超常現象が起こるルールを見極めて、
その発生条件を探る。
超常現象のメカニズム(ハウダニット)は無視して、
なぜそれが起こったか(ホワイダニット)のみを追求する。
そういうミステリである。
たとえば、密室なんかは「どうやって作ったか」よりも、
「どうして密室にしなければならなかったか」のほうが重要だと僕は思っている。
どうやって作ったかなんてのは、針と糸で十分。
それよりも、どうして密室を作ったかその理由に意外性があったほうが楽しい。
でもこの短編集に関して言えば………、
超常現象の起こる理由が斜め上過ぎてちょっとついていけない。
石持ミステリの「動機」は独自性が強すぎて、共感ができないことが多いんだよなあ。
もう少し、そのあたりに論理性があれば面白かったんだけど。