興味のおもむくまま、今日の気分のまま。
大好きな藤子・F・不二雄先生のこと、はじめて書いた小説のこと、幼い頃の思い出、趣味のショッピング、料理、映画のこと…。
デビューから書きためた33編のエッセイとルポ10編に加え、ショートショートと短編小説4編を特別収録。
辻村深月先生と僕の共通点。
それは、藤子・F・不二雄先生の大ファンだということ。
辻村先生は、ドラえもんのことはみんな好きで当たり前で、わざわざ好きとか口にするのはむしろ変だと言ってしまうくらい、藤子作品を愛している。
僕ももちろん、そうだ。
負けないぞ、このやろーってなもんだ。
だから、このエッセイの中で大山のぶ代さんと対談なんかしちゃっている辻村先生にはちょっと嫉妬する。
別段、有名人になんてなりたいと思ったことはないけれど、有名になれば大山のぶ代さんにも会えるのだなあと思ったら、うらやましい。
かくいう僕も書店員という立場をフルに活かして結構、いろんな人にお会いしている。
普段はテレビでしか見られないタレントさんたちにもずいぶんと会っている(と言ってもあいさつ程度だが)。
だけど、そんなことはちっとも自慢でもなくて、やっぱり作家さんにお会いできるのが一番うれしい。
書店員になって良かったと思うことなんて本当に少ないが、大好きな作家さんに会えたときだけは「ああ、幸せだなあ」と思う。
特に、北村薫さん、宮部みゆきさん、有栖川有栖さん、(作家ではないが)戸川安宣さんにお会いできたときはもうほかに何も望むことはないなあ、と思った。
何なら今月のお給料は要りません、とかうっかり言っちゃいそうだったが、ただでさえ薄給なのを思い出して、これはボーナスだということにしようと決め、口には出さなかった。
もちろん、辻村先生にもお会いしたことがある。
(このブログの冒頭から辻村「先生」と書いているのはそのためだ。さすがに呼び捨てはできん)
辻村先生が綾辻行人さんのファンで「十角館の殺人」を読んでミステリの世界に入ってきたということは知っていたから、
「辻村先生は『十角館』のような嵐の孤島ものには挑戦しないのですか」
とか訊いてみたり、
新潮社さんの計らいでお会いしたのに、講談社の「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ」を持って行って、
「この作品が僕は一番好きなのでこれにサインをください」
とか言ってみたり、
ずいぶんと空気を読まない発言を連発して、先生を苦笑させた。
まあ、それでも辻村先生は笑って、
「男性でこの本が一番好きだという人がいるとは思いませんでした」
と言いながら、サインをしてくれた。
その「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ」は僕の書棚に大切に並んでいる。
辻村先生、どうもありがとうございました。
……あ、「ネオカル日和」の感想ぜんぜん書いてねーや。