読売新聞社は、小林製薬の「紅麹」による健康被害の報道をめぐり、大阪本社の記者が取材相手の談話を捏造していたと明らかにした。

 捏造が行われたのは4月6日の夕刊に掲載された記事で、岡山県内の取引先の社長の発言として「突然『危険性がある』と言われて驚いた」、「補償について小林製薬から明確な連絡はなく、早く説明してほしい」などと報道していた。

しかし、実際には社長はこうした発言はしておらず、原稿のとりまとめを行った大阪本社の社会部主任(48)が捏造していたということです。

 

読売新聞が捏造

 

読売新聞の捏造と言えば

宮崎勤事件に関する捏造事件は、1989年に起きた読売新聞の誤報・記事捏造事件として有名である。

 

読売新聞の記事によって川勝知事辞任へと繋がっている。

読売新聞だけが特異なのかと言えば、そうではない。

マスコミ全体がネット社会の影響を受け短絡的、近視眼的になってしまったことが原因であると言えるだろう。

 

そんなことから、川勝知事発言切り取り問題についてもう一度検証してみる。

 

舟を編む(第5話3月17日放送)

主人公みどり(池田エライザ)と母・若葉(森口瑤子)との間にある「わだかまり」がテーマとなっている。

母と別れた後で、小さい頃母に「この子はからかってばかりいる」といわれたことが想起し辞書を引き出す。「からかう」という言葉には、山梨の方言で「人に尽くす」という意味があった。

みどりは「母が自慢していたことを自分を軽蔑していた」と勘違いしていた。

 

1次産業への思いは本音(SHIZUOKA Life編集部)

「これまでの川勝知事の発言や取り組みを見ている記者であれば、第一次産業に思い入れがあり、大事にしてきたことは分かるはずです。県職員は農業や水産業とは業務内容が違うと表現したかったのだと思います。もちろん、表現の仕方には問題がありましたが、第一次産業に従事する人たちを蔑むつもりはなかったと感じています」

 

 

マスコミでは全然〇〇と本来の日本語であれば、否定文が続くのだが、平然と肯定文をくっつけて放送している。

全然おいしくない → ×全然おいしい

このような人たちがコメンテーターとして放送していることから言葉の持つ正確性が消え失せてしまった。

ニュースもどきの情報番組におけるキャスターまでがこの状況にある。

 

切り取り

①不要な部分を除去する→カット

②必要な部分を残し、不要な部分を除去する→トリミング

切り抜き(切り取り)&貼り付け

①必要な部分を切り抜き、それらを編集して貼り付ける

効果

必要な部分のみに注目させることができるので、よりインパクトを与えることができます。

 

多くのマスコミの構成は過去のことから自分が描く論調に沿った部分を切り抜いて、それらを貼り付けて一つの出来事(事実)のように錯覚させて報道することによりインパクトを強くさせるという手段をとっている。

 

☆川勝知事の新採用職員訓示

さて、川勝知事の新採用職員への訓示全文を静岡新聞記事からチェックしてみる。

 

訓示の全文

 

訓示は70行×8段=560行で構成されている。

そのうち、問題発言だとされる部分は10行である。

その部分の割合は10/560=1.8% である。

 

マスコミが職業差別だと指摘した部分

 

問題部分は⑦の情理を尽くすことが大切ですと言う部分

それから、皆さん優秀ですから・・・で始まります。

そして、指摘部分があって・・・豊かな人間になってもらいたいと思います。」で終わっています。

 

マスコミの報道は・・・それを磨く必要があります。で終わっていますが、磨き方はいろいろあります・・・と次の文に繋がっていることは誰の目で見ても明らかな事実です。

因みに情理を尽くすの項目部分が全部で61行あり、問題指摘の部分が10行なのでこの部分に限っても10/61=16%となります。

 

情理を尽くす」とは、当事者、相手の気持ちを汲み取りながら同時に道理にかなうようにするという意味です。

 

 

訓示の要点

 

この部分は繰り返して発言していることから、訓示の要点であると言えます。

ここでは①身に私を構えないこと ②上にへつらわないこと ③正直であること ④下に威張らないこと ⑤艱難を見捨てないこと ⑥情理を尽くすこと ⑦恥ずかしいことはしないこと ⑧信念を貫くこと ⑨情理を知ること ⑩人に情けを掛けること ・・・と訓示しています。

 

筆者が全文から抜き出した要点

⓪知事挨拶

①1番最初に心得ておくことは危機管理

②人の役に立つこと、社会の役に立つことが大切

③ウソは言わない

④上にへつらわない、下に威張らない

⑤人の艱難を見捨てない、人が困っているときは助ける

⑥富士山に向かって恥ずかしいことをしない

情理を尽くすことが大切です

(その手段として)

・勉強する

・頭脳・知性を磨く

・感性を豊かにする

・知性を大切にするため勉強する

・体を鍛える

⑧人に情けを掛けることは自分のためになる

⑨自らに課せていることは来るものを拒まない

⑩静岡県は移住希望地4年連続日本一

⑪感染法上5類になってもマスクを使って大丈夫

⑫静岡県を東アジア文化都市の日本代表にしてくれた

⑬世界クラスの地域資源と人材群がすごい県です

⑭花博2024が開催中です、静岡県は花と食材の大国です

⑮(訓示まとめ)

文武芸の三道を鼎立(ていりつ)して、公務員として素晴らしい人生、充実した人生を送ってくださるようお祈り申し上げます。

 

☆川勝知事辞任発表の一幕

(某記者質問)

発言を聞いた県民からは、県の広聴広報課に対して「農業・畜産に携わる人の知性が低いということですか? おごった考えですね」

 

(川勝知事発言)

「それは読売新聞の報道のせいだと思っています」

 

発言を聞いたは誤報で、報道を聞いたが正確な表現

 

この問題を最初に報道したのは静岡第一テレビのようです。(静岡第一テレビ=日本テレビ系列=読売新聞系列)

 

読売新聞の記事は容易に閲覧できないので、影響の大きかったと推定する静岡第一テレビの記事を記載します。

 

1日、川勝知事は静岡県庁の新規採用職員に対し行った訓示の中で、特定の職業と県庁職員を比較するような発言をしました。
川勝知事は1日、新入職員への訓示の中で「県庁はシンクタンク。毎日毎日、野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノを作ったりとかと違って、基本的に頭脳・知性が高い方達。それを磨く必要がある」などと特定の職業を比較するような発言をしました。
川勝知事は3月に県庁を訪問した磐田市の女子サッカーチームに対し、「磐田は文化が高い。浜松より元々高かった」と発言。さらに藤枝東高校について、「サッカーをするために入ってきている。勉強よりもボールを蹴ることが一番重要」と述べ発言が問題視されたばかりでした。
今回の不用意発言をめぐる波紋はさらに広がりそうです。

 

*赤字の部分はマスコミの解釈による追加(貼り付け)部分

 

事実を伝えるべきニュースでは

川勝知事は1日、新入職員への訓示の中で「県庁はシンクタンク。毎日毎日、野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノを作ったりとかと違って、基本的に頭脳・知性が高い方達。それを磨く必要がある」などと発言しました。

 

・・・と事実として伝えるべきです。

マスコミが解釈を加えることによって事実ではなくなった。

 

読売新聞の不思議

読売新聞オンラインでは自社の釈明と知事批判の記事のみを掲載している。

争点の原因となった読売新聞の地方版記事を何故掲載しないのか不思議である。

 

☆川勝知事発言の危うさ

単刀直入にいえば川勝知事の発言は難しすぎてマスコミ記者には理解できないということだろう・・・

そして、マスコミは解りやすくと安易な言葉に置き換えて報道する・・・

そこには悪意はないだろう・・・

 

今回の訓示で難しくて理解できなかったことは

艱難(かんなん)

困難な目にあうこと。つらい目にあうこと。苦労をすること。また、そのさま。

 

鼎立(ていりつ)

三つのもの、また三つの勢力が、鼎(かなえ)の足のように互いに対立すること。

 

○○○○と

と は助詞であるが、前後の文と関係づけないと分からない

今回の訓示では と → こと と強調している

と は連続詞としても使われ、様々な場面で使われるので受け取る意味も異なったものになってしまう。

 

身に私を構えない

自分よがりの考えを持たないということだが、これがなぜ危機管理の事なのか?と思う人もいるだろう。

訓示のなかでは大地震の時にはそれぞれの班や部局で何をするかが共通認識になっていると説明している。

 

従って、川勝知事の失敗誰もが理解できるような易しい言葉を使わなかったことであろう。

そのことによって、相手を無意識のうちに傷つけてしまったとの反省が必要だった。

会話が繋がる人と繋がらない人がいることを理解して発言すべきであった。

結果的に「菅総理は教養を学ばなかった」が川勝知事自らにも当てはまってしまったということであろう・・・

 

教養人

知識(学歴)と教養は違う。

具体的には知識は教養の土台になり、その上に立つ問題の解決能力を教養という。

自分の考えを主張するだけでなく相手の考えに耳を傾け、柔軟に考えを変えていける人を教養人という。

 

 

 

☆マスコミが報道しないこと(4月10日会見)

職業差別

(記者)

知事の発言は職業差別と捉え られ かねない

(知事)

職業差別は悪なんです。その言葉を使って「捉えられかねない」と言っている。

区別と差別では生業(なりわい)の違いがある。

そういう意味で言っても、職業差別だという意味で捉えられかねないという風に報道された。

けれども、「職業差別」という言葉を使われた途端に職業差別という言葉でざっと広がり、職業差別をする人間だと…

特に第一次産業に対する差別だという言論が広がった。

これは本意ではありません。

しかも驚いたことに農水大臣までもが強い憤りを感じるという、本当に驚きました。

農水省は知事になる前から深い関係があって、多くの農水省関連会議の会長や委員を務めている。

 

*1生業(なりわい) 生活を営むための仕事

*2マスコミの誰かが、最初に知事の発言にはなかった職業差別という言葉を使った。

インパクトがありすぎた故に拡散されていった。

 

☆舟を編む(NHKドラマ)

 

 

池田エライザ×野田洋次郎!辞書作りにかける情熱を描いた大ベストセラー『舟を編む』を連続ドラマ化!新入り社員・岸辺みどりの視点で、言葉の大海原を渡る冒険をお楽しみください。 誰もが一度は手にしたことのあるぶ厚い本、辞書。一見淡々と言葉が敷き詰められたように見える辞書の裏には、「作り手」の想像を絶する情熱と心血が注がれています。 

「ヤバい」に無数の意味を持たせ、込み入った会話は簡略化。空気を読み、雰囲気で済ませてしまいがちな昨今。そんな時代だからこそ、言葉にこだわる辞書作りの魅力を通し、”言葉は誰かを傷つけるためではなく、誰かを守り、誰かとつながるためにある”という未来への希望を伝えたい。

 原作の主人公・馬締ではなく、新入り社員・岸辺みどりの視点で描く、まったく新しい『舟を編む』。全10話で放送します。 

【あらすじ】 大人気ファッション誌の編集部員・岸辺みどり。雑誌の廃刊が決まり、突如異動になった先は辞書編集部!そこは、ぼさぼさ頭で超がつくほどの生真面目上司・馬締光也を筆頭に、くせ者ぞろい。みどりは、彼らに翻弄されながらも、一冊の辞書を作るために十数年間に及ぶ時間と手間をかける根気と熱意に触発され、次第に自らも言葉の魅力を発見、辞書編さんの仕事にのめり込んでいく。辞書「大渡海」を完成させるまでの、辞書編集部員たちの奮闘物語。