『住めば都』は永久に来ず。 -9ページ目

『住めば都』は永久に来ず。

浅田 ゆみ、名城 蘭、結城 薫による、リレー小説『住めば都』は永久に来ず。を連載中…?

父の遺産のアパートの管理人になってしまった来島草太郎(華も恥らう高校2年生!)と変わった人ばかりのアパートの住民約6名とのハチャメチャどたばた系(仮)な管理人生活。

8th[類は敵を呼ぶ]

その場だけ時間が止まったかのように誰も動かない。誰も喋らない。

波華さんは俯いてしまうし僕と白銀さんは驚きで体が反応しないからだ。


兎に角、誤解を与えぬように今の状況を説明しようと僕はなんとか口を開く。


「波華さ…「うっ。」う?」

説明しようとした僕の声を遮って波華さんは顔をあげた。



…気のせいか?
瞳が物凄く輝いてるんですが!


「うわぁ~、ネーゼ。何面白そうなことやってんの。僕も混ざるー。」

「波華さんも僕のハニーの看病を手伝ってくれるのですか?
それは面白…いえ、助かります。」

はあっ!
何言ってるんですかこの人達は

看病とか頼んでませんから。

僕の体調気遣うんだったら今すぐ部屋から出て行くことで結構ですから。

ってか白銀さん、今確実に面白そうって言いかけましたよね。


僕が頭の中で二人のセリフにツッコミを入れている内に二人の会話は嫌な方向にエスカレートしていった。

「どうする?
とりあえずネギ巻いてみる?
前に熱が下がるってテレビでやってたよー。」

「おやおや、それはまた臭いがきつそうで興味深いですねぇ。
僕は辛い物を食べるといいと聞いていますが?」

「あっ、それもいいねー。涙でるくらい辛い物作ってあげよっか。」

あなた達はそれを看病と言うんですか!
普通嫌がらせって言いませんか!



…ヤバい、このままここに居続けたら絶対酷い目に遭う。


僕は自分がかやの外なのを幸いに少しずつ二人と距離を取っていく。

(…風さんの所は波華さんも帰ってくるからアウトだし、倫さんは外出中。日比谷先輩だと多分バレるし…。よし、レイくんの部屋に行こう。ついでに勉強も教えてもらおう。)

二人に気づかれないよう筆記用具と教科書を準備すると
僕は部屋がめちゃめちゃになる覚悟をして静かに扉を閉めた。

教訓
白銀さんと波華さんは一緒にすると危険度が上がる。

next…

名城 蘭
7th[SEASON'S CALL]

悪戯好きの白銀さん

傍観者の風さん

無口なレイくん

豪快ショタコンな倫さん

ちっちゃくても日比谷先輩

変なあだ名を付けて来た波華さん


この六人を

まとめなければならないんですね。

『龍宮荘』の管理人という奴ァ。


「僕…齢若干17にして死を迎えたくないなぁ…。(溜め息)」

だから父さんは死んじゃったのかぁ…

過労で。


妙に納得。

『人生サプライズ』のプロフェッショナルでも敵わなかったという事ですね、分かります。


特に…


「草太郎くん、倫音が同僚の所に行ってる間に奴の部屋を戦場にしましょうよー♪」
「誰が喜んで利益を得るんですか、それで。」


神出鬼没の

涼風白銀さんには。

あれ?

鍵は掛けた筈なのに…。


「なんで此処に居るんですか!!まさかピッキング!?犯罪じゃないですか!!」
「何言ってるんですかマイハニー!僕の名である『しろがね』は

『神出鬼没な』
『露出過剰』
『頑張っている』
『熱血少年』

の頭文字を取ったモノなんですよ!!」


…あの…

日曜日の夕方頃にやっている某落語家の集う長寿番組じゃないんですから…

大喜利じゃないんですよ?


もし僕が歌●さん(あ!伏せ字入れた意味が無い!!)だったら

『山●く~ん座布団全部まとめて持ってって、んで地下の地下まで開拓して埋めちゃって!!』


…だろうな。


「白銀さん…僕今部屋の配置覚えようと必死なんです。邪魔するんなら出てって下さい。…ていうか地球から出てって下さい。」
「おやおや!!僕に対してこの態度!流石今時の男子高校生は違いますね―!ツンデレが反射的に出て来る…な・ん・てvV」

ツンッ。

プニ。

………。

( ̄^ ̄#)

ええい頬をつつくな鬱陶しい。

しかも語尾を区切るな気色悪い。


…あ。


しまった!!

さっきの台詞が頭から離れなくなった!!
(畜生!!声質が石●彰っぽいからヤバい!!思い出し笑いしそう!!)

緩みそうになる口許を手で押さえていると

背後から白銀さんが包み込むように抱き付いて来て


「良いではないか良いではないか…vV近ぅ寄れ近ぅ寄れ…vV」

と

耳元で囁いて来た。


来島草太郎。

うん草太郎。

落ち着け。

よく考えるんだ。


白銀さんは

あくまで『からかい』で僕にこんな事をしてるんだ。

間に受けちゃいけないんだ。


きっと白銀さんは僕がこんなリアクションをしているから面白がって更なるリアクションを求めようとしてるだけなんだ!!


「草太郎くん…?手が止まっていますよ…?ほら…ちゃんと動かして…フフ、そうそう。良い子ですねぇ…良い子にはちゃんと御褒美をあげないと…vV」
「ぼ…僕…あ、止めて下さいよ…白銀さん…!!要りません…ってば!!」


…。

決

し

て

誤

解

す

る

な

。

読

者

の

皆

さ

ん

。


ただ単に

白銀さんが抱き付いて来るから作業が出来なかっただけなんですよ!!!!

なのに白銀さんが無理強いして!!


…先程のような会話に…。

「…この学生寮の部屋って防音でしたっけ?」

お願いだ…

防音であってくれ…!!

じゃないと…

じゃないと…!!


僕

恥ずかしい想いして住人と挨拶しなきゃならないじゃないですか!!!

それだけは避けたい!!

うん避けたい!!


さぁ…神(涼風白銀)よ!!

答え(いらへ)は!?


「フフッ!いきなり何を言いだすかと思えば、そんな事ですか!!


…こんなただの学生寮にそんな洒落た設備、ある訳ないじゃないですか。廊下に丸聞こえですよ。」


神様の

裏切り者!!

「『龍宮荘ルール』にもあるんですよね。…『プライバシーは全力で守れ』…って。きっとAV見る時もヘッドフォン付けないと日比谷先輩辺りに怒鳴られますよ。この前なんか僕『素人女子高生悪戯日記』というAV(だけど二次元女子高生vV)をヘッドフォン無しに見ていたら何故か二階の日比谷先輩に怒鳴られちゃいましてね。…ですから、草太郎くんも気をつけて下さいね。」


全くもって

大変だ!!!


あ~!!

穴があったら入りたい~!!

「フフ、草太郎くん。穴とは程遠いかもしれませんが、この引き戸の向こうへ。実はこの先は僕の部屋に繋がってましてその隣りは空き部屋なので愛の巣を簡単に作る事が…」
「全ッッ然解決策になってないじゃないですか!!!そして心の中を読まないで下さい!」

疲れる…

年がら年中この人のボケについて行かなきゃならないと考えると

…眩暈が…


フラフラ…

「草太郎くん!!」

倒れそうになった所を白銀さんは救ってくれた。
(いや、原因はこの人なんだけどね。)


「あ…ありがとうございます…。」
「一回寝た方が良いのでは?僕が何か上に布団のようなモノを…

ああ!!」

辺りを見回しても布団代わりになるモノが見つからなかったのか

スッと。

「ハイ、どうぞ。」

自分の上に着ていたモノとスカーフを僕の身体にかぶせちゃったよこの人!!(爆)

「えっ!?ちょっと!!」
「大丈夫ですからね。草太郎くん。」

いやいや!!

寧ろアンタの頭が大丈夫か心配だよ!!

上半身裸の男が目の前に居る!!

違和感あり過ぎ!!



そして

悲劇は訪れるのだった。

「ヘタレく―ん。部屋の配置覚えた?」

…波華さんの来訪。

next…
6th[爆裂悪魔ッ子娘]

なんとかして涼風さんをひっぺがそうとするのだけど体格差と溶けぎみの小麦粉のせいで上手くいかない。(滑るしぬめぬめするし最悪!)

「そんなに抵抗して照れてるのですか?
あぁ、それともハニーはツンデレなのですか?
大丈夫、今なら誰も居ませんから思い切りデレて下さい。」

勘違いの仕方まで気持ち悪っ!

そして喋るな、息が耳にかかる!!

「ちょっ、やめ…「そこのあんた!上手く避けなよ!」ってえ?」

聞き覚えのある声がした方に顔を向けるとさっき出会った緑の髪の少女が何かを掴んで構えていた。

「くらえ!!『洗濯バサミ乱れ打ちスペシャル』」

セリフと同時に大量の洗濯バサミが普通それには必要ない程のスピードをつけて涼風さんに襲いかかった。

「ぐはぁっ!」

スピード同様、威力も必要ないくらい上がったそれが何発も当たった結果涼風さんはまたもや地に臥した。

「いたぁ!」

そして運悪く避け切れなかった僕も一発額に当たって尻餅をついた。

くっ、脳が揺れるこれ本当に洗濯バサミ?

「なにしてんの、避けろって言ったじゃん鈍くさいなぁ。あんた。」

ぐらつく頭を抑えながら上を向くと綺麗な笑顔ではなく、如何にも人を小馬鹿にしたような風さんの顔があった。

…いや、確かに避けろとは言いましたけどあれだけの量の洗濯バサミを人を抱きつかせたまま(しかも抱きついてる人が標的)避けるなんて無理だろ。

「何、その顔ー。せっっかく、ボクが助けてあげたのに感謝の言葉もないし、やな感じー。」

「んなっ!」

なんだその恩着せがましい言い方。
ってか風さんその変貌っぷりはなんですか。二重人格ですか。

「今日はやけに酷い目に遭いますねぇ。これは神が授けた愛の試練か何かですかぁ?」

僕が風さんの変化に唖然としていると隣で地に臥していた涼風さんが起き上がりはじめていた。



って、愛の試練って何!どんだけポジティブなんだよ、あんた。

「あれー、ネーゼ愛ってこの子本命?
駄目だよー中学生は犯罪だよー。」

起き上がりかけの涼風さんに向かって風さんはけらけらと笑いながら言った。

「ちょっと、待って下さい。風さん、さっきも言ったじゃないですか。僕は新しいここの管理人です。
中学生じゃないですよ!」

僕が怒ってそう言うと涼風さんと風さんは揃って驚いた顔をした。

「風ちゃん?あんた何言ってんのボクは波華だよー。」

「へっ?」

一瞬、何を言われたのか僕には理解出来なかった。

「波華ちゃん、いつまで洗濯物干してるの、…って皆さんなになさってるのですか。」

振り返るとそこには風さんがいた。

「ってえー!、風さんが二人ー!」

「だから言ってんじゃん。ボクは波華、風ちゃんはあっち。」

そう言うと風さん、もとい波華さんは風さんに駆け寄り僕の方を振り返ってニカッと笑いながら

「ボクたち双子の姉妹だよ。」

っと言った。

「ふっ双子?」

「本当ですよ。言葉使いも違いますし、波華さんの方は左に風華さんのほうは右に一房黒い髪があるでしょ。」

いつの間にか完全復活したらしい涼風さんが僕に言った。

確かに二人はよく似ているが髪型や目つきに微妙な違いがあった。

「納得したかなー。ヘタれ君。」
「ごめんなさい。すっかり言うのを忘れてましたわ。」

にやにや笑う波華さんとすまなさそうに軽く頭を下げる風さんを見てなぜ見分けがつかなかったのか少し情けなくなった。


next…

名城 蘭