『住めば都』は永久に来ず | 『住めば都』は永久に来ず。

『住めば都』は永久に来ず。

浅田 ゆみ、名城 蘭、結城 薫による、リレー小説『住めば都』は永久に来ず。を連載中…?

父の遺産のアパートの管理人になってしまった来島草太郎(華も恥らう高校2年生!)と変わった人ばかりのアパートの住民約6名とのハチャメチャどたばた系(仮)な管理人生活。

6th[爆裂悪魔ッ子娘]

なんとかして涼風さんをひっぺがそうとするのだけど体格差と溶けぎみの小麦粉のせいで上手くいかない。(滑るしぬめぬめするし最悪!)

「そんなに抵抗して照れてるのですか?
あぁ、それともハニーはツンデレなのですか?
大丈夫、今なら誰も居ませんから思い切りデレて下さい。」

勘違いの仕方まで気持ち悪っ!

そして喋るな、息が耳にかかる!!

「ちょっ、やめ…「そこのあんた!上手く避けなよ!」ってえ?」

聞き覚えのある声がした方に顔を向けるとさっき出会った緑の髪の少女が何かを掴んで構えていた。

「くらえ!!『洗濯バサミ乱れ打ちスペシャル』」

セリフと同時に大量の洗濯バサミが普通それには必要ない程のスピードをつけて涼風さんに襲いかかった。

「ぐはぁっ!」

スピード同様、威力も必要ないくらい上がったそれが何発も当たった結果涼風さんはまたもや地に臥した。

「いたぁ!」

そして運悪く避け切れなかった僕も一発額に当たって尻餅をついた。

くっ、脳が揺れるこれ本当に洗濯バサミ?

「なにしてんの、避けろって言ったじゃん鈍くさいなぁ。あんた。」

ぐらつく頭を抑えながら上を向くと綺麗な笑顔ではなく、如何にも人を小馬鹿にしたような風さんの顔があった。

…いや、確かに避けろとは言いましたけどあれだけの量の洗濯バサミを人を抱きつかせたまま(しかも抱きついてる人が標的)避けるなんて無理だろ。

「何、その顔ー。せっっかく、ボクが助けてあげたのに感謝の言葉もないし、やな感じー。」

「んなっ!」

なんだその恩着せがましい言い方。
ってか風さんその変貌っぷりはなんですか。二重人格ですか。

「今日はやけに酷い目に遭いますねぇ。これは神が授けた愛の試練か何かですかぁ?」

僕が風さんの変化に唖然としていると隣で地に臥していた涼風さんが起き上がりはじめていた。



って、愛の試練って何!どんだけポジティブなんだよ、あんた。

「あれー、ネーゼ愛ってこの子本命?
駄目だよー中学生は犯罪だよー。」

起き上がりかけの涼風さんに向かって風さんはけらけらと笑いながら言った。

「ちょっと、待って下さい。風さん、さっきも言ったじゃないですか。僕は新しいここの管理人です。
中学生じゃないですよ!」

僕が怒ってそう言うと涼風さんと風さんは揃って驚いた顔をした。

「風ちゃん?あんた何言ってんのボクは波華だよー。」

「へっ?」

一瞬、何を言われたのか僕には理解出来なかった。

「波華ちゃん、いつまで洗濯物干してるの、…って皆さんなになさってるのですか。」

振り返るとそこには風さんがいた。

「ってえー!、風さんが二人ー!」

「だから言ってんじゃん。ボクは波華、風ちゃんはあっち。」

そう言うと風さん、もとい波華さんは風さんに駆け寄り僕の方を振り返ってニカッと笑いながら

「ボクたち双子の姉妹だよ。」

っと言った。

「ふっ双子?」

「本当ですよ。言葉使いも違いますし、波華さんの方は左に風華さんのほうは右に一房黒い髪があるでしょ。」

いつの間にか完全復活したらしい涼風さんが僕に言った。

確かに二人はよく似ているが髪型や目つきに微妙な違いがあった。

「納得したかなー。ヘタれ君。」
「ごめんなさい。すっかり言うのを忘れてましたわ。」

にやにや笑う波華さんとすまなさそうに軽く頭を下げる風さんを見てなぜ見分けがつかなかったのか少し情けなくなった。


next…

名城 蘭