19th[本心&下心]
「この学校で校長見つけよー思たら、多分3日探さなアカンさかい。最低限の資料はやっとくよってに今日は早よ帰りー。」
なんとか帝先生に編入学手続きをしてもらい、(いやぁ、よく見つかったなぁ…。)
京介君とも別れて僕は寮に戻るため生徒手帳や学生保険などの資料を持って廊下を歩いていた。
すると、
「草太郎くん!見つけましたよ!」
で や が っ た !
廊下を曲がろうとした時後ろから声がしたかと思うと後ろからがばっと白銀さんに抱き締められた。
「ちょっ、白銀さんはなし…「心配!…したんですよ。」白銀さん?」
白銀さんから逃れようと暴れる僕に白銀さんはそう言った。
あれ?
なんか、様子が
変?
「草太郎くんはこの学校がどれだけ広いと思ってるんですか!
校長みたいに行方不明になってからじゃ遅いんですよ!
波華さんも今君を探してます。
萌にまで頼んだんですから…。
迷子になりませんでしたか?
職員室まで一人で辿り着けました?
帝先生に無理やり酒を呑まされたり…しませんでした、か?」
顔は見えないが最後の方は消え入りそうな声で白銀さんは言った。
そう言えば微かに体が震えてる…。
…心配をかけてしまったようだ。
『愚問ですね。
僕は例え奈落の底でも愛しのハニーのいる所ならどこへでもついて行きますよ。』
口ではあんなこと言ってたけどほんとは僕が迷うかも知れないと思ってついて来てくれたのかもしれない。
何気に白銀さんが言った心配事全て実行しちゃってるし…。
「職員室には葵井君や桐野先生それに、京介君もいたから大丈夫です…。
心配かけて、…ごめんなさい。」
僕がそう言うと白銀さんは安心したようにホッと息を付くと抱き締めていた腕を腰にまわした。
…ん?
腰にまわした!?
「ちょっと、白銀さんどこ触ってるんですか!」
「いえいえ、僕の演技にすっかり騙されてシュンとしているハニーも魅力的で、つい。」
はぁあぁぁあ!
演技?あれが!、またからかわれたのか、僕!
「ハニーがそこまで反省してるのでしたら僕が今から校内案内をして差し上げますよ。
…手とり足とりじっくり、ね。」
「結構です!
ってか離して下さい~!」
いつもの笑顔を貼り付けて言う白銀さんに僕は慌てて抵抗を再開するのだった。
ああー!もう、次は絶対信用しない!
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「はぁ…、たく、ネーゼはこれだから。」
物陰でこっそり二人のやりとりを見ていたボクはため息をついた。
『波華さん!ハニーが、草太郎くんがいません!』
『むぅ…逃げたねぇー。
まぁ大丈夫でしょ。』
『よく、ありません!
僕は萌にも連絡を入れますから。
波華さんも捜して下さい!!』
『ちょっ、ネーゼ?』
あんなに必死に愛しのハニー君を捜してたのに、いざ見つかれば…。
「ふふ、ホントに素直じゃないなぁー…。」
さて、萌くんに連絡を入れといてやるか。
next…
名城 蘭