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ほとんど観た歌舞伎の話

 

レネー・ゼルウィガーがジュディ・ガーランド(1922〜69)を演じた映画『ジュディ 虹の彼方に』を観ました。
レネー、「ミス・ポター」や「シカゴ」も観たけど、
一番覚えてるのはブリジット・ジョーンズシリーズ。
買い物依存症で、ダイエットには毎回失敗する金髪でふっくら可愛いブリジットの、あのレネー!?
黒髪のベリーショート、濃いアイライン、そしてガリガリの身体と顔の皺。
ジュディ・ガーランドの47歳という早い晩年の物語なのだけど、
もっと年取っちゃったように見える。


47歳の今と、子役だった可愛くふっくらした少女時代と。
早くに子役として売りだされたジュディは、過密な仕事をこなすために睡眠もろくにとらせてもらえなかった。
「一日に18時間働いた」ってセリフがあった。
ふっくらはダメってことで食事も厳しく制限される。
睡眠と食事のかわりに与えられるのがドラッグ。
これでまともな感覚を保っていられるだろうか。

そんな少女時代から紆余曲折があって、映画の始まりでは彼女は家を持たずホテルを転々としている。
まだ小学生くらいの娘ローナと息子ジョーイを連れて。
宿代が払えず、不本意ながら二人の父親シドのところを頼り子どもを預け、
ジュディのショーをやりたいというロンドンのクラブの招聘に応じる。

できる世話係をつけてもらい、ホテルのいい部屋に泊まり、ショーは成功する。
けれどもジュディの心身の調子は一定を保てないし薬も酒も手放せない。
そもそもジュディは子ども二人を愛していて(第一子のライザ・ミネリはもう成人してる)、
この二人と落ち着いた暮らしができる稼ぎがほしくてロンドンに来ている。
だから怪しいもうけ話を持ってきた若い男にもボーっとしちゃうんだろう。
そんな旨い話はない!と思うのに、そうなったらいいなと思うジュディは彼と結婚してしまう。
男も騙すつもりではなく、そうなったらいいな、でジュディの売り込みをするのだけど、
世の中はそんなに甘くないのであっさりぽしゃる。
そして五度目の結婚もあっさりダメになる。
こんなことしてたら、ますます心身は不調になるだろう。

…だけど、なんかジュディがいじらしい。
シドは子どもたちの親権を要求してくる。
第三者から見ればシドのほうが親らしい環境を子どもに与えられると思う。
そしてジュディもついに電話でローナに「もしそこにいたいなら、そうして」と電話する。
子どもたちはママを大好きだ。
だけど落ち着いて毎日学校へ通えることも好きだし、安心するのだろう。
パパもいい人みたいだし。

ジュディの子ども時代を振り返ると、とんでもない大人に囲まれて育っている。
そんな彼女が娘に「ふつうに学校へ行く生活をする女の子」でいて、と伝えたのだと思う。
ジュディの子どもとしてはライザ・ミネリが有名だけど、
この二人(ジュディの享年から推測すると私と同世代くらいではないかしら)が今もままが大好きで、
この映画を喜んでくれますように。

調子を崩してショーで失敗し、客から辛辣な対応を受け、傷つくジュディ。
それでもクラブの仲間の好意でもう一度ステージに立つ。
火が付いたように歌った一曲目のあと、二曲目に「虹の彼方に」を歌い始めたが、
ジュディは途中で歌えなくなってしまう。
突然まっしろになっちゃうってやつかしら?

そのとき客席から次々に「虹の彼方に」を歌う人たち。
感動のラストシーンでした。
ジュディはその半年後にロンドンで急死してしまうのだけれども。

何を成し遂げたかより、生きてる間のプロセスが大事。
そんなセリフがありました。
ジュディ・ガーランド、「オズの魔法使い」の主演の子としてより、
子どものころに虐待同様の働かせ方をされても、
一生懸命歌って生きて、子どもたちを安全に暮らせるよう努力した人、
この映画を見てそう思います。

それにしてもレネーの変りっぷりがすごかった。
また元に戻るかしら?