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ほとんど観た歌舞伎の話

1969年のアルバムリリース50周年を記念して、
ザ・フーのロックオペラ『TOMMY』(75年、日本公開76年4月)がリバイバル上映される!
「今やってるよ~」って教えてもらって、もうビックリ!
これは映画館で観て、LPを買って繰り返し聴いたものでした。
なぜ観ようと思ったのか、思い出せないけど。
音楽をカッコイイなと思ったのでLPは買ったんでしょうね。
やがて家を出るときに、ステレオも処分し、LPも処分したのでした。

お話は前半だけしか覚えていなかったということが判明。

第二次世界大戦に出征した戦闘機乗りのウォーカー大佐は身重な妻のノラのところへ戻ってこなかった。
ノラはひとりで赤ちゃんの誕生を迎える。
産まれた男の子がトミー。
その日は大戦が終結したお祝いの日だった。

♪it's a boy ,Mrs.Walker it's a boy ~ son~♪

という医師や看護師からのお祝いの歌が流れます。
このフレーズをずっと覚えてて、私は息子を産むとき、脳内でずっとここを繰り返してました。
そうすれば、無事に産まれるように思えたのです。

ノラは戦没者慰霊式にトミーを連れて行きます。
ポピーの花飾りが揺れています。
これは11月11日に第一次世界大戦の戦没者を追悼するために付けるものだそうです。
トミーの原盤では設定は第一次世界大戦後なのだそうです。
映像化するためにトミーの生きる現代を60年代に変えたので、産まれたのも45年になったのでしょう。

その後、ノラはトミーを連れて行ったホリディキャンプで知り合ったフランクと再婚。
トミーもフランクのことはいい感じだと思ってる様子。
ところがなんということか、死んだと思ったウォーカー大佐がある夜戻ってきたのです。
思わずランプで殴りつけるフランク、倒れるウォーカー、それを見てしまったトミー。

フランクとノラは必死でトミーに訴えます。
「何も見てないし、何も聴いてないし、だから何も話さないで」と。
そのままトミーは見えず、聴こえず、喋れずになってしまいました。

成長したトミーをフランクとノラは怪しい宗教団体(エリック・クラプトンがギターを弾きながら説教してるらしい)とか、
妖しい女呪い師(注射器を持ったティナ・ターナー)のところとか、
一応まともそうな、でもノラに色目を使う医者(ジャック・ニコルソン)のところとかに連れて行って、
なんとかトミーを直そうとします。
ただ二人でデートに出かけるのも大事なので、とんでもないイトコやおじさんに預けて、
トミーがひどい目に遭ったりします。
(イジワルなイトコというとハリーを虐めるダドリーを思い出すのですが、
 こういう設定は多いのだろうか?)

表現、ということをしないトミーなので、何を考えてるのか、感じてるのかわからないのですが、
トミーには何かが見えてるし、心の声は発し続けていました。
そしてある日、ピンボールに出会ったトミーはものすごい才能を発揮するのです。

ピンボールの王様との対決相手は、身長ほどもあろうかというブーツを履いて(乗ってる?)キーボードを弾くエルトン・ジョン。

…私、先日の「ロケットマン」を観て、動くエルトンを観たのはダイアナ元妃の葬儀ではないかと思ったのですが、
この映画で20代のエルトン・ジョンを観てたのですね!!
うーむ。。。記憶ってこんなもんか~!!

このピンボールとの出逢いのあと、トミーは感覚を取り戻し、
周囲は奇跡の人のように彼を崇めはじめ、祀り上げ始めます。
トミーはただ自由の悦びを高らかに歌い始めただけですが、
周りがそういう風になっちゃって、でもトミーは神様でも教祖でもないから、集まった人はやがて失望して暴徒になる。
フランクとノラはその騒動の中で死んでしまうのですが、そのときトミーは二人の手と手を重ねてあげるのでした。

あとはトミーはどんどん山を登り、最後は山頂で太陽に出会って終わり。

…昔見たときは、ノラやフランクのことはあまり考えてなかったんじゃないかと思うけど、
今観ると、このトミーを三重苦に追いやってしまったけど、一生懸命育てて直そうとしてやる二人も心に染みます。
善人でもない悪人でもない普通の人。
映画の始まりは山でハイキングする、派手さのまったくないノラとウォーカー大佐でした。
最後がTシャツとジーンズで山へ登るトミー。
こういう穏やかな自然とともにあった生活が戦争で大きく変わっちゃったんだなと。

トミーは事件の夜しかウォーカー大佐に会っていないけれど、
いつも大佐を感じているようでした。
そのトミーがフランクとノラの手を重ねてあげたとき、
大佐も二人を許してあげたような気がしてウルウルしました。

時を経て再会すると懐かしさとともに、自分の感じ方の変わりようも感じます。
思いがけない再会でしたが、いい再会ができたと思います。