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ほとんど観た歌舞伎の話

アニメ映画をテレビで観たのもずいぶん前で、原作はさらに続いてるのも知りませんでした。
原作は全7巻、この新作歌舞伎は序幕~大詰まで全七幕なので、ほぼ一巻が一幕に対応しているのかな?

序幕  「青き衣の者、金色の野に立つ」
二幕目 「悪魔の法の復活」
三幕目 「白き魔女、血の道を征く」
(ここまで昼の部)

四幕目 「大海嘯」
五幕目 「浄化の森」
六幕目 「巨神兵の覚醒」
大詰  「シュワの墓所の秘密」

このタイトルを見るだけでもワクワクします。
原作:宮崎駿 
脚本:丹羽圭子
   戸部和久
演出:G2
協力:スタジオジブリ

青き衣の者ナウシカに菊之助、白き魔女クシャナに七之助。
ナウシカが10代の女の子、クシャナはもう少し年長の女性でしょうか。
Wヒロインが黄昏の時代の世界を生き抜いていこうとするマジメな物語です。
色恋沙汰なし。
でも素敵な出会いや人間関係はたくさん。
悲しいのも。

ぎゅーっと凝縮して名場面集みたいになってるんだろうなと思います。
ああ、いいセリフだ覚えておこうと思っても、
それがどんどん来るから観終わった時に「ん?」になってる自分の頭が悲しい^^;
最後に来るのはやっぱり「生きねば。」ですね。

1982年に始まり94年に完結した話だそうです。
宮崎さんは終戦の時に少年だった。
きっと終戦後の世界を生き延びた実感からできた話なんじゃないかと思います。

ナウシカはチュニックにスパッツみたいな衣装なので足元がはっきりわかります。
この衣裳でもずっとつま先内向きをキープして女の子らしさをみせた菊之助のナウシカ、可愛かったです。
所作事もこの衣裳で道成寺風、鷺娘風を踊ったので、足はこうなってるのかとおもしろかったです。
クシャナは立ち居振る舞いも将軍らしく、七之助なんですが、宝塚のオスカルみたいな感じでした。
見た目はたいそうカッコいいクシャナですが、強そうなときよりも、弱さや寂しさを出さないようにしても、ちょこっと零れる、みたいなところが、
なんとも七之助の素敵なところだなあと思いました。
お父さんとの別れの場面は切なかったです。

ユパの松也はアラゴルンみたい。

ジブリそのままの美術や小道具もあれば、まったく歌舞伎アレンジな演出もあり、
こんな風にできるのね~と楽しかったです。

作品のテーマそのものはかなりシリアスで重い。
なので息抜き場面がもう少しあるといいなと思ったけど、
全体の時間が長くなってもだれるし、その辺難しかろうなと思いました。

企画して上演までこぎつけたスタッフの諦めなさ、ナウシカに通じるものがあると思いました。
ケガをしてしまった菊之助が、それでもできる範囲で自分がやろうとしている姿も。
無理はしないでほしいのですが、庭の主とナウシカの対話を見ていると、
決めるのは本人なんだよなって思うのでした。

ディレイビューイングという、劇場撮影版の映画館公開が二月にあるそうです。
できればこれは子どもが春休みや夏休みに見られたらいいなと思います。