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ほとんど観た歌舞伎の話

できれば討入の14日前に観たかったんだけど、
ようやく映画『決算!忠臣蔵』を観てきました。

山本博文・東大史料編纂所教授という人が書いた「『忠臣蔵』の決算書」という新書を原作にしたものだそうで、
この本もおもしろそうです。

浅野内匠頭(阿部サダヲ)が松の廊下の刃傷事件を起こして、播州赤穂のお家がなくなってしまった。
元禄14年の3月14日の内匠頭切腹から丸二年後の三回忌に仇討ちをしようと計画する大石(堤真一)ら。
結局、3か月繰り上がって元禄15年12月14日に本所吉良邸にて、仇討ちは成功しますが、
映画は討入に行く浪士たちの歩く姿がエンドロールに流れて終わる。

討ち入る前に大石は彼らの軍資金を提供していた内匠頭の妻、瑶泉院(石原さとみ)に、
これまでの経費の内訳がわかるようにした決算書を届けに行って面会を願うも断られる。
そして討入に行くので、そこからはもうお金は使わなかったってことなのでしょう。

初めにいくら軍資金があって、そこからどんなふうに経費が掛かって、
なんとかようやく賄えた四十七士の討入でした。
何をするにもお金がかかることです。
この映画では「そば一杯=十六文=480円」で様々な金額を現代換算した数字を画面に出してくれるので、
案外安いとか、思いのほか高いとか、感心しながら観てました。
「そば」がよく出てくるので、映画が終わるとそばを食べたくなりました。

この映画で初めて知ったのですが、浅野家は江戸の大名火消でした。
内匠頭の祖父・長直は自ら屋根に上って火消の下知をしたそうです。
なので赤穂浪士の討入装束は火消のものだった、とな。
へええええ。

松竹×吉本が制作幹事という映画なので、お笑い要素てんこ盛りでシリアスにならずに楽しめる「忠臣蔵」ですが、
ちゃんと「忠臣蔵」の流れがおさらいできる映画だなと思います。

大石の遊び方が眼くらましでそこまでやる?だったり、
大高源吾(濱田岳)が吉原で遊ぶことに固執しすぎでは?だったりしますが、
まあ、そういうこともあるかもしれないよね(笑)
「仮名手本忠臣蔵」や「元禄忠臣蔵」からはちょっと離れたところの忠臣蔵ですが、
前者とて事件にインスパイアされた作品だし、こっちはこっちでおもしろいからいいんじゃなかろうか。

実際には病死したらしい矢頭長助(岡村隆史)が、なかなか渋カッコいい役柄です。
原惣右衛門が木村祐一で、ちょっと思い出し笑いしてしまいます。
キョエちゃん探しちゃうよね(違)
この矢頭の息子が矢頭右衛門七で、大石主税とともに十代の少年義士。
この二人は鈴木央士と鈴木福。
二人ともあどけなく可愛くて、二人が前髪を落として討入に参加しようとする場面は泣けます。
「主税と右衛門七(ちからとえもしち)」っていう忠臣蔵外伝があったなあと思い出しました。
「仮名手本」や「元禄」でなくても、こういう外伝ものでもやってほしいものです、師走は。

プログラムがけっこう立派で、忠臣蔵のおさらいにも力が入っています。
850円はお買い得かな?
山本先生の新書買う方がいいかな?