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ほとんど観た歌舞伎の話

映画『ラストレター』を観ました。

自筆の手紙があちこち行きかう時代の話で、
高校の卒業アルバムに記載されてる実家の住所に宛てて投函したりするという、
今ではありえないお話になっています。
でも、私が学生だった頃はまだそうで、
それをもとに同窓会やクラス会の連絡もとってるはず。
今はいったいどうやっているのやら?

メールのように本人にダイレクトに届くものではない手紙だから、
途中にいろいろなことが起きて、思わぬ人と人を結びつけたりする。
それがうまくいくお話でした。

まだ高校生の娘を遺して、若い母親が亡くなってしまって、
娘は母の遺した自分宛ての封書が開けられない。
中がなんだかわからないから、相談された叔母も簡単に「一緒に読もう」とも言えない。
それが何か最後にわかるけど、そこに母親が託した想いには明るいものと悲しいものが混ざり合って感じられて、
私はたいそう切なかったです。

この映画では高校時代の回想が沢山出てきて、
でもその高校の校舎は建て替えのためにもうなくなってしまう。
取り壊される前の校舎を、OBの小説家が写真に撮って歩くのですが、
教室のひとつひとつがなんだかとても小さく見える。
高校生がぎゅうぎゅうといた時の方が広く見えるのはなぜなんだろう。

先年、私にも同窓会があって、数十年ぶりに大勢の人と再会しました。
みな学生時代の名前のネームカードをつけたので、何とかその名前を思い出す人も多かった。
時間というのは不思議なもので、ある時を近く感じることもあれば、遠く感じることもある。
いつも一定ではない。

手紙とか写真とか、そういうものがふっと手繰り寄せてしまう時間の距離みたいなもの。
ふっと近くなった時に、そこから取り出せる時間の中に置きっぱなしにしてたもの。
そんなもののことをツラツラ考えてしまう映画でした。

+

松たか子が姉の同窓会に、姉の死を伝えねばと出かけて行って姉と勘違いされる。
そこで挨拶に立たされてスタンドマイクの前で喋ることになるのですが、
そのときちょっと取るポーズが白鸚・幸四郎父子とよく似てて、
心の中で「こうらいやっ!」とかけてしまった。
またそういう間合いなんだもの。
彼女が凛々しいので、ロマンティックでセンチメンタルな話も時々くすっと笑える映画でよかったなと思います。