近鉄2610系 名古屋線L/Cカー仕様車 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

近鉄の中でもとりわけ新車が入ってこなかったことで知られる名古屋線系統、一方でJR東海との熾烈な競走もある中で、クロスシート車の割合が高いことも特筆すべき点です。急行ではクロスシート車4両+ロングシート車2両の6両編成が多いです。そのクロスシート車に充当すべく、2610系では3編成をL/Cカーにして充当しています。前面窓下にL/Cカーのエンブレムが貼り付けされていますので、途中駅では名古屋発の列車だと判別も可能ですね。

 

車内です。L/Cカーに改造されたのが1996年、この2621Fは近鉄L/Cカーとして初めて登場した記念すべき編成です。これ以降、日本各地に同様の設備を搭載した車両が出てくるようになります。なお一度モケット更新が実施されており、印象が大幅に変わっております…そして、一部は再度モケット更新されてモノトーンな色調になっていますね。

 

車端部です。かつてはオールクロスシートとして登場したため、妻窓はありません。クロスシートモード時の詰め込みを考慮してか、車端部区画はロングシート配置で固定されています。

 

優先座席を有する車端部です。座席、吊革、床面、窓、あらゆるところで優先座席を主張しております。

 

フリースペースを有する車端部です。握り棒2本に非常通話装置、避難はしごが備わります。そうそう、吊革は五角形のものに交換されています。これは近鉄ではL/Cカーだけの装備なんですよね。優先座席部分はバンドが長くなっています。

 

そして長い車端部。このようなことがあるので、近鉄では乗車位置がざっくりで中々定まりません。あれは乗車位置では無く、乗車目安と言った方がいいかもしれません。

 

最前面です。こちらも元々クロスシートが設定されていたためか、仕切り窓は高めです。仕切り扉の窓は、もうちょっと頑張って下げてもよかったのでは?

 

座席です。ドア間はL/Cカーのデュアルシートで、3脚が設置されています。ドア横の仕切りはロングシートモード時を考慮したもので、クロスシートモード時は通路側最前列はさらし者となります。ロングシートモード時はオールロングシート車よりも都合着席定員がドア間で1名減となりますが、ロングシート車はバケットシートで無いので、座り方がまちまちだとあんまり変わらないんですよね。

 

5800系もそうですが、クロスシートモードではどの席に座っても眺望の観点で恵まれた席が存在しません。座席自体も全体的にクッションはへたり気味、そして一番凶悪なのはヘッドレストで、殺人的な硬さです。東の標準車体ボックスシート、西のL/Cカーとも言えるでしょう。このように座り心地という点ではあまり良いところは無いのですが、ロングシートよりゆったり座れるだけが取り柄です。脚台にはちょっとした足掛けがあり、窓側席の人は使うことが出来ます。ちょっと体勢を変えたい時に役立ちます。

 

車端部のロングシートです。こちらは固定式で、L/Cのような制約が無いためかクッションはしっかり詰められている印象です。肘掛けが無いのが少し残念な点でしょうか。あと大きく異なるのはヘッドレストが無いことですね。後の更新時に撤去されたものですが、正直ロングシートだと、あっても無くてもそんなに変わらないですからねー。

 

優先座席です。モケットは灰色、近年床面にシートが追加されています。