水島臨海鉄道キハ37形 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

水島地区のローカル輸送を担っているのが、非電化単線の通勤路線、水島臨海鉄道です。古くから国鉄・JRからの譲受車を運用して来ましたが、朝夕のラッシュ時にJR東日本から譲受した国鉄型気動車を運用しています。キハ20形の老朽化に伴い導入された車両で、久留里線での運用終了時にここぞとばかりに購入したようです。

 

キハ37形は3両在籍しており、キハ30(秋・冬のみ)・キハ38と共通運用されています。基本的に水島臨海鉄道の標準塗装ですが、2021年には元キハ37 2であるキハ37 103が、国鉄一般型塗装であるタラコ色に塗り直されています。ちなみに、車番はキハ30 100を起点に、キハ38まで連番になるように振り直されています。

 

車内です。ほぼ全てがロングシート、ラッシュ時の詰め込みには役立っていることでしょう。久留里線時代に乗車出来ませんでしたが、その時代からほとんど変わってないようですね。

 

ドアです。国鉄型車両としては珍しい化粧板付きの片開き式です。ステップ付きは岡山へ来てからも変わりません。

 

このように煙突がせりだした区画もあります。こう見ると、ドア上はかなり張り出していますね。

 

キハ37形は将来のワンマン運転を見据えて乗務員室のすぐ後ろにドアを配置していますが、令和の世になり水島臨海鉄道に来てからも、ツーマン運転となっています。きっぷはホームで車掌さんが集める訳ですが、出口の位置がバラバラでありいちいち最後部に戻っていては遅延の元となるので、各ドア付近に開閉スイッチが設置されています。あとどうでもいいですが、「ツーマン」じゃなくて「ツーメン」の方が用法的に正しいですよね…?

 

車端部です。キハ47同様奥行きがあり、ラッシュ時には詰め込みに役立っていることでしょう。仕切り扉もありますが、開けっぱなしで運転されているようです。

 

広告枠には…なぜか自身ではなくキハ38先頭の写真が。まぁ…こちら方がレアですけども。その広告枠の上には、非常ボタンがあります。ちょっと高めの位置にあるんですよね。

 

今回タラコ色になったキハ37 103の車端部です。この車両のみクロスシートがありまして、このおかげで「セミクロスシート」の座席形態の称号を手に入れています(笑)

 

最前面です。国鉄型らしい小さな窓にシンプルな仕切り、非常に殺風景です。今では当たり前ですが、仕切り扉の上には「禁煙」の文字もあります。

 

天井です。今では岡山でも珍しくなった扇風機が現役です。かつては非冷房でしたので、これが涼の主役だったのでしょう。後付けられた冷房はデカい割に冷えが今いっちょなもので、近くにいるもののニアミスはあまり無いJR西日本のキハ40と同じ手法です。この手法、荷棚がほとんど使い物にならないんですよね。吊革は優先座席付近が五角形の黄色となっていますが、それ以外は昔ながらの丸形を継続して使用しています。

 

窓です。二段窓で、両方とも開閉が可能です。柱は太く、やや閉鎖感があります。日除けは爪を引っ掛けるロールカーテンタイプのものが備えられています。

 

優先座席付近は、各種ステッカーがペタペタと。

 

座席です。ドア間はスーパーロングシート、片側ざっと20人は座れるでしょうか。クッションで区分されているものの、混んで来ると定員着席通りに座られることはありません。袖仕切りはパイプ構成、肘掛けとしては元々斜めに切り落ちているため使い物になりませんが、更に縦方向に握り棒が伸びているため座っているとどうにもこうにもなりません。

 

片側はなぜかでっかい仕切り。この中に何が入っているのか非常に気になります。座り心地は105系3扉車に似通ったもので、ロングシートながらある程度の乗車距離に対応しようとしたものになっています。水島臨海鉄道の乗車時間なら問題無いですね、この車両は基本的にラッシュ時にしか走りませんし…。

 

車端部の座席です。手前側は優先座席に設定されており、背ズリのモケットが赤系のものになっています。そう言えば、JR東日本在籍だった車両にして、いわゆる「赤ゼブラ」の刑には処されていないんですね。なぜでしょう?

 

そして、キハ37 103の車端部の座席。ここだけセミクロスシート配置となっています。

 

ボックスシートはこの時代あるあるな標準型。トイレの横のため「ご対面」とならないように配置されたものです。現在ではフリースペースにするんでしょうが、国鉄型ではしばしば見られたスタイルですね。妻面側の座席の横幅がやや狭くなっているのも変わりません。

 

で、現在では絶滅危惧種となったカマボコ形の持ち手です。線路上を走る車両では三セクへ譲渡されたものがわずかに残る程度で、非常に貴重な存在です。これひとつだけだったから残されたんでしょうね。

 

で…トイレ…だったんですが、設備が無いためか閉鎖の上「機器室」とされています。撤去するのにもお金がかかりますし、そのままにしているんでしょうね。

 

最後に連結面の渡り板。水島臨海鉄道塗装側には「足元注意」の文字が入っており、タラコ色側は塗りつぶされています。