えちごトキめき鉄道ET122形1000番台「雪月花」仕様車 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

北陸本線の新潟県区間を引き継いでいるえちごトキめき鉄道。元々利用者が少なく観光客の取り入れがカギとなるこの会社で、チョッピリ大人の観光列車が走っています。

 

えちごトキめきリゾート雪月花。「四季折々の良い眺め」「四季を楽しむ」という意味を持つリゾート列車で、えちごトキめき鉄道のみならず、北越急行やしなの鉄道、あいの風とやま鉄道など、他社にも積極的に乗り入れるアクティブな観光列車となっています。

 

見た目はこうですが形式としてはET122形で、単行気動車と同じ仲間で、区別のため1000番台としています。車体の塗装は日本の原風景になじむ銀朱色という色を手塗りで施しているそうです。また「all made in NIIGATA」を標榜しており、ひとつ上の画像の金属製プレートは燕・三条地域で作られたものを使用しており、車両自体も新潟トランシス謹製です。

 

銀朱色の車体には「雪月花」の名のごとく、模様が入れられています。記念撮影出来るスポットがたくさんあるのはいいことです。

 

行き先表示はLED表示機となっています。

 

しかしながら、その下にはサボ受けもあります。今回乗車時は5周年ということで、このようなサボが入っています。

 

もう片方がこちら。いいじゃないですか、ここでさりげなく言いたいこと言うのも。

 

それでは参りましょう、まずはデッキ、ドアからです。片開き式で、濃いめの色調でキリリと決めています。その下にはマットが敷かれており、冬季や雨天時に床が濡れないようにしています。

 

手前には消毒液のスタンドがあります。ペダル式で、手で触れる必要はありません。

 

ドアの開閉はボタン式です。ここは金属地そのまま、ちょっと安っぽいのが惜しいですね。

 

開閉ボタンの横には走行線区の地形図があります。こんなの、あまり見かけないですね。

 

外側は開けるのボタン。1号車は車椅子のマークがあります。

 

トイレです。円筒形で、バリアフリー対応となっています。開閉はボタン式です。

 

男性小用トイレです。コンパクトにまとまられています。

 

ポイントは覗き窓。直接見えるのもアレと考えたか、雪の模様が入れられています。

 

洗面台です。蛇口は自動式、液体石鹸とペーパーナフキンが備えられています。

 

デッキはまだまだ続きます。各車両にはこのようにディスプレイがあります。

 

円の中を覗くと、こんな感じになっています。ただ見せるのではなく、覗くという一手間があるのも良いですね。

 

で、もう片方がこちら。

 

グッドデザイン賞のプレートが入っています。

 

トンネルに入ると、円が幻想的に浮かび上がります。

 

連結面に、見つけましたローレル賞のプレート。右側の各種表示、全て円形になっていますが、この辺りはデザイナーの個性が出ていると思います。

 

いよいよ車内です。まずは1号車、こちらは1名からの利用も可能な車両です。まず印象として、「広々している」ということ。鉄道車両にいる感じがあまりしません。

 

デッキとの仕切りです…が、仕切り扉はありません。通路の上には、月の満ち欠けをイメージしたイラストが入っています。

 

天井です。ダブルデッカー車並みの屋根高さを確保していることもあり、解放感はさすがのものです。円形にしているのもそう感じさせる理由のひとつなのでしょうね。照明は半間接照明となっています。

 

この照明、間接照明部分は消灯が可能なようです。

 

窓は日本最大級の大きさで解放感がありますが、上部は日除けで隠されています。その日除けですが、下部の部分で巻くようにして固定しており、見た目にも美しいです。

 

それでは座席です。まずは全席が海側を向いた中間のカウンター席とソファ席です。

 

カウンター席は7席用意されています。回転可能で、出入りも楽々。座席間に何かスタンドが立っていますが、傘だとか杖だとかを掛けておくためのものなんでしょうね。

 

そしてロングシートタイプのソファ席です。各席に肘掛けや仕切りのテーブルを入れることで、専有面積を明確にしています。

 

こちらのテーブルは折り畳みが可能です。基本的にはテーブル目いっぱい使いますので、折り畳むシーンは少ないかと思います。

 

デッキ付近のボックスシートです。山側は3人掛け‥ですが、テーブルは2人分しか有りません。ソファ席と同じ背ズリに、ヘッドレストピロウを追加したようなスタイルですね。

 

一方こちらは海側の2人掛け。テーブルは固定式で、飾り照明が設置されています。

 

続いて、最前面のフリースペースです。ハイデッキとなっており、ここ最近の列車では少なくなってきたように思います。背の高い列車は高速化に不向きということで姿を消してきた歴史がありますが(近鉄と言う例外はあるものの)、この列車はそこまで急ぐ必要も無いですし、そもそも観光列車と言う目的に全振りした車両なのでこれでいいのです。

 

ということでフリースペースです。トンネルに入ると、下に設置された飾り照明が腰掛を浮かび上がらせます。

 

山側は背ズリの無い腰掛けがあります。運転台に近い側の腰掛けは、三日月状になっています。

 

ミニテーブルがありまして、少し窪みが付けられています。

 

海側には背ズリ付きの腰掛けがひとつ。背ズリは木なので、長居させるようなものではありません。通常座席も木にしちゃうようなどっかの観光列車たちとは違います。

 

階段の部分には荷物置き場があります。荷棚が無いので、こういうところがあるのはありがたいですね。

 

乗務員室に仕切り扉はありますが、開いて運転されています。一応、このようにオシャレな仕切りは付いています。

 

続いて2号車です。こちらは2人以上のグループ利用を前提とした車両となっています。

 

車端部方向を向いて。デッキとの仕切りの上にいるのは…雪だるま?

 

座席はノーマルデッキは全てボックスシートです。テーブルの色調やモケットが1号車とは異なっております。こちらは4人組、一応窓側にも肘掛けがありますが、窓側は窓枠に邪魔されてあまり使い物になってなさそうです。

 

続いて2人組。海側に配置されていることもあってか、やや窓側を向いてセットされています。

 

で、2号車の最前面はフリースペースではなく座席が置かれておりまして、この区画は追加料金を支払って利用可能なコンパートメントとして販売されております。

 

アテンダントさんがテーブルを片付けて下さいまして、1カット。1号車のカウンター席のモケット違いの座席が4席置かれています。ここを独占出来るのはいいですねぇ。

 

車端部の「さくらラウンジ」です。お料理や飲み物の支度はこちらで行います。

 

向かい側はスタンディングカウンターとなっています。色々と置いてありますね。

 

さて、ここからは少しばかりの乗車編です。運搬用のカートは専用デザインとなっています。

 

お席に案内されました。紙製のランチョンマットをベースに、案内やスプーン、お水が用意されています。その後、ウェルカムドリンクが来ます。

 

その後お料理が来ました。今回乗車したのは午後の糸魚川発の妙高高原・上越妙高行きです。三段重で、製作しているのは糸魚川にある割烹 鶴来屋さん。かつて糸魚川で発生した大火でお店を失ったものの、その後何とかお店を建て直して、この列車にもお料理を提供してくださっています。味は言わずもがなでございます。

 

列車はトンネル駅、筒石駅にて少々運転停車です。外界に出ることは出来ませんが、日本に数ヵ所しかないこの珍しい駅で(物理的に)降り立つことは出来ます。

 

三段重を食べ終えるタイミングで、つみれ汁が提供されます。車内で温かいものを頂けるのは幸せなことです。なお、つみれ汁とデザートについては、アテンダントさんより提供してもらうタイミングを聞かれますので、お好きな時に頂くことが出来ます。

 

最後にデザートです。食後にコーヒーも頂けます。アイスとホットを選べますので、暑い日ということもあったのでアイスを選びました。

 

列車は直江津駅から妙高はねうまラインに入り、スイッチバック駅の二本木駅に停車です。二本木駅のスイッチバックは基本的に運転士が後方を確認しながら後進しますが、「雪月花」に関してはアテンダントさんが後方を確認しながら運転士さんに合図を送って後進します。

 

で、その模様を…フリースペースで良いお酒を頂きながら堪能させてもらいました…。

 

2021年に運転開始されたお手軽観光列車「急行」と並びました。この列車に乗った後に「雪月花」に乗り換えも可能です。

 

で、妙高高原駅では途中下車が可能でして、土休日には長野・軽井沢方面へと走る観光列車、特別快速「軽井沢リゾート」に乗り換えが出来ます。片や赤系、もう片方は青系、対照的な2系列ですね。