南海9000系「NANKAI マイトレイン」仕様車 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

南海本線初のステンレス車両、9000系も制御機器の老朽化が進んできた今日この頃。今後も継続して利用することを前提にリニューアルされた編成が出ています。トップナンバーはこれを記念して伊予鉄道の旧塗装のような帯色になっていますね。

 

方向幕はフルカラーLED表示機となっています。元からあまり大きくなかったこともあり、見る角度によっては切れて見えますね(^^;;

 

車内です。デザインについては「NANKAI マイトレイン」プロジェクトにより考案されたデザインで、社内で公募された4つのプロジェクトチームが提示したデザインを利用者による投票を元に決定するという面白い決め方をしています。このデザインは「我が家のリビングにいるような」がコンセプトだそうで、木目が多用されているのが特徴です。

 

ドアです。化粧板が交換され、LCDディスプレイが千鳥配置で設置されています。一面のみで、運行案内に徹しています。

 

車端部です。仕切り扉は化粧板こそ貼り替えられているものの、モノ自体はそのままです。

 

こちらは和歌山方の長い車端部です。4扉車の中でも、ホームドア等では苦労しそうな気がしますね。

 

最前面です。座席は継続して残されていますが、車掌台側には大きなボックスが設置され前面展望が絶望的になってしまっています。一体どうしたんでしょう…。

 

天井です。この系列の特徴である塗装された冷房吹き出し口はそのまま残されています。吊革は藍色(ネイビー)となっており、「南海本線だから」という訳では無くこちらも投票で決まったそうな。まぁ…「南海本線だから」という理由で投票した方もいるとは思いますが…。ただ形状の投票では丸形よりも五角形の方が多数派だったものの、南海側の意向なのか丸形のままとなっています。照明は蛍光灯から直管式のLED灯に交換されています。

 

窓です。ここはあまり変わらずでして、ロールカーテンも爪を引っ掛けるタイプのままです。50000系ではフリーストップタイプですが、自由席車の通勤電車は新車も含めて一貫してフリーストップタイプにはなりませんね…。

 

座席です。モケットを黒とグレーのツートンとし、着席定員を明確にしています。また袖仕切りには握り棒と立ち客との仕切りを目的とした横方向の棒も増設されています。

 

新たに設けられたフリースペースです。握り棒と非常通話装置が備えられています。ちなみに同じ木目でも袖仕切りの化粧板は変更されていません。床面・ドアも共に模様は異なっており、恐らく敢えて統一しないことで視覚上のアクセントを狙ったものと捉えましたが…実際のところやいかに。

 

車端部、短い区画の4人掛けです。座り心地はリニューアル前の座面フカフカ背ズリプニプニのまま変わらないのですが、投票の結果としては座面にバケット形状を採用した「安定感のあるシート」が最多となりましたが、今回のリニューアルにおいては採用が見送られています。あくまでパーツの交換はせず、インテリアとして「見た目」だけを反映させた形ですね。

 

長い車端部の6人掛け、こちらは優先座席です。単一モケットとなっていますが、優先座席こそ定員着席をお願いしたいところだと思うので、もう一工夫あっても良かったように思います。

 

NANKAI マイトレイン、デザイナーや会社側のデザイン案を元に乗客の意見も取り入れながら作り上げていくこの方法は、乗客目線に立った非常に良い取り組みだと思います。トップダウンで作り上げる方法ではこの部分が無視されがちで、特に毎日乗るような通勤電車においては残念なケースが多いので、今後この方法が広がることを期待したいと思います。

 

一方で、「リニューアル」の観点ではせっかく投票までしたのにその声を反映していない部分があるので、ちょっと手ぬるく感じてしまうところではあります(予算、付かなかった??)。この投票は新車の方で一部反映される結果となりました(‥と思っています)が…さて、そちらはどうなるでしょうか。