南海1000系 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

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南海の通勤型電車の1系列である1000系です。1992年にデビューし、7000系の置き換え用として登場しました。

 

しかし、そのあとの不況が災いしたか、結局7000系全車を置き換えるに至らず、現在に至っています。車体はステンレス製ながら、塗装仕上げとなっており、当時の南海のやる気が相当なものだったことが伺えます(1050形に関しては無塗装になってしまいましたが・・)。ステンレスへの塗装って、実は結構難しかったりします。

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車内です。通勤型ながら、車端部にボックスシートが設置されているのが特徴です。しかし車端部ってのが東急車輛らしいですね。そして、この80年代後半から90年代前半の時代では、阪急8000系、相鉄9000系、北総9100形など、通勤電車へのクロスシート車両投入に積極的な時代だったように思います。

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ドアです。両開き化粧板仕上げとなっていて、千鳥配置でLED表示機が設置されています。かつては点灯式のマップ案内もあったようですが、停車駅案内を上から貼り付けて塞いでしまっています。

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車端部です。全箇所ボックスシートが設置されています。妻窓はありません。貫通扉は窓が大きく見通しのよいものです。

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最前面です。2000系までは存在した背後のロングシートがなくなってしまいました。乗務員室も広く取られているでしょうし、このスペースでは座席が設置できないのは分りますが・・。

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天井です。蛍光灯にカバーがかかっているのがもはや奇跡です。いや、関西在住の私としてはこれが当たり前なのですが・・。最近の新型車両はカバーが省かれて残念な気持ちになってしまいます。2000系と同じく、吊革はボックスシート部分のみ内側に曲げられています。

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窓です。一段窓を2枚1組として配置しています。日除けは爪を引っ掛けるロールカーテンタイプです。

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座席です。ドア間は7人掛けのロングシートとなっています。肘掛は内外にモケットが貼られ、肘掛の部分にはFRP製の覆いをすることにより金属の冷たさが伝わらないようにしています。座り心地は2000系の3次車以降と同様のもので、適度に沈み込んでくれるものです。バケットシートではなかなかいい線を行っている座席であると思います。

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車椅子スペースです。登場当初はまだバリアフリー法が施工されていませんでしたが、この系列では全車にスペースが存在しています。車端部がボックスシート配置となっているため、ドア間にスペースが取られています。横のロングシートは4人掛けとなっています。付帯設備は手すりのみ・・なのですが

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この手すりの伸び方がまたおもしろいこと(笑) 立ち席の乗客の方や、車椅子の方との干渉をさけてこのような形になったのではないかと考えられます。

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車端部のボックスシートです。座り心地に関しては2000系と同様ですね。狭いです(窓側は特に)。

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背面にはこのようにクッションが設置されています。2000系とは違い、本格的に立ち席の方の寄りかかりを想定したワイドなものとなっています。

 

1000系として最後に登場した4両編成は、シングルアームパンタグラフやIGBT-VVVFインバータ制御等新機軸を盛り込んだ仕様変更がなされており、50番台で区分されています。1050形と称する方もいるそうで、

 

そして外観の最大の変更点は唯一無塗装ステンレス車体になったことですね。

 

車内です。構成は大きく変わりませんが、ちょこちょこマイナーチェンジがされています。

 

天井です。照明カバーは継続して設置されていますが、荷棚は網棚に戻っています。

 

座席です。ロングシートは袖仕切りの仕様が変更され、モケット張りから化粧板仕上げに変更されました。モケット張りって、冷たさを軽減出来る反面メンテには手を焼きそうですもんね。

 

フリースペースです。こちらに関しては現状では大型のヒーターや非常通話装置が追加されたりと設備が充実しています。

 

クロスシートです。こちらは実は居住性が大きく向上しています。

 

何かといえばシートピッチが拡大されており、普通に座る分には膝が当たりそうにはならなくなりました。

 

近年はイメージアップを図ってか座席のモケットを変更した編成が出ています。

 

モケットが変われど程よいクッション性は抜群です。この後に出た系列が、なぜ駄席or悪くないが良くもないものになってしまったのかが未だに謎です。

 

優先座席は鮮やかな青です。

 

車椅子スペースはベビーカーマークを追加しフリースペースとなりました。さすがにベビーカーマークまでは南海オリジナルマークとはならなかったか(^^;;

 

車端部のボックスシートもこの通り。今気付きましたが、妻面に握り棒が設置されており、掴まる部分を増やしています。

 

そして優先座席。かねがねここを優先座席に指定するの、窓側ほど譲りにくいのであまり得策と思えません。ここは位置を変えてでもロングシートに設定した方がよかったかと。

 

モケット変更と並行する形で、接客設備の向上を図るためリニューアル工事が実施されています。前照灯がLED灯に変更されていますね。

 

また行き先は幕式からフルカラーLED表示機に交換されています。

 

ドアです。ドア上に変化が表れています。

 

LCDディスプレイが設置されており、片面だけですが従来よりも情報量が大幅に増えています。

 

最前面です。右側にどーんと非常はしごが置かれています。

 

幅はそこまで嵩張っていなさそうです。

 

座席とフリースペースです。モケット変更は必ずしも同時に実施されているとは限りません。


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オマケ:こんなところにスピーカーが・・。しかも鉄道用ではなくて一般向けであろう形のものを(^^;;

「やさしいがうれしい」、どちらかと言えばこの系列に当てはまる言葉ではないでしょうか(^^;; 8000系を見ると、おそらく最後の関西らしい南海通勤型電車となってしまいそうです。総合的に完成度の高い1000系、これからもまだまだ通勤電車の主力として走り続けます。