伊豆急行8000系 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

国鉄が建設を凍結させた伊東線の延伸部分として東急が建設した伊豆急行。西武との覇権争いや、それの敗者となった西武の腹いせの下田プリンスホテル建設による迂回等で建設費や修繕費が高く付いているため、運賃が高止まりしている悩ましい面もある鉄道会社です。

 

観光産業が経済を潤している土地柄、特急列車や観光列車が目立つ存在ですが、地域輸送も多少なりとも頑張っています。現在主力を張っているのは親会社からのお下がりとなる8000系です。

 

コーポレートマークは親会社と同じくパンツマークですが、実はカラーはオレンジ色というのがポイント。開業時に導入した100系が老朽化した際に8000系の導入を検討したことがあったそうですが、その頃は東横線でバリバリ現役であったため、繋ぎでJR東日本の113系・115系を200系として導入したんだそうな。

 

その後2005年にようやく廃車が発生したため本格導入されたという経緯が有ります。200系が塩害でそろそろヤバいというのもあったんでしょうね。水色と青の帯色を追加し、海沿いの景色に…一応馴染むようにしています(^^;;  菱形パンタが基本ですが、離線対策でシングルアームパンタグラフが追加されています。これ、関西私鉄に慣れていると「逆ちゃうん?」と思ってしまいます(^^;;

 

全て3両編成ですが、1本のみ「無ラッピング電車」と呼ばれる有る意味での「ラッピング電車」が存在します(^^;;

 

無ラッピング電車に選ばれたのは、よりによって(あえて?)唯一両8500系から編入された上先頭車化改造された車両を含んだ編成でして、まさにこの車両がそれになります。一見オリジナル先頭車と同様の顔ですが、窓下のコルゲート(?)が無かったり、急行灯が無かったりとちょこちょこ違うところは有りますね。なおMT比率が変わり最高速度が下がっているとのことですが、それはともかく急勾配が多い伊豆急線において、晴れてても空転しまくりでちょっと心配になってしまいました。

 

車内です。純然たるオールロングシートの通勤電車を譲受したことから、輸送環境を考慮しセミクロスシートに改められています。もう導入後15年を過ぎましたが、当初はこの座席配置に戸惑った地元民も多かったそうな。

 

ドアです。ステンレス仕上げの両開き式なのは東急時代から変わりません。伊豆急譲渡に合わせ、ドアチャイムが追加されています。

 

また千鳥配置で旅客案内装置が追加されています。蛍光表示管式で、今では採用されることはもう無いんでしょうね。ドア上には長い出っ張りがありますが、かつてはこれを重宝する人がいる程の大混雑となる輸送を担っていた生き証人ですね。今ではそんなに混むことも無く、スローライフを過ごしています。

 

車端部です。仕切り扉は片面のみの設置で、両開き式となっています。トンネルを高速で通過すると、モーター音がダイレクトに響き渡ります。

 

トイレを有する車端部です。乗車時間が長くなることから、改造により設けられたものですね。

 

最前面です。一部時間帯はワンマン運転を実施していますが、有人駅が多いこと、無人駅を含む区間では改札業務を行う乗務員が巡回しているため、運賃箱等は有りません。

 

天井です。クロスシート上の吊革は撤去されましたが、それ以外は概ね変わっていません。今となっては珍しい扇風機も残存中です。

 

吊革は一部が持ち手の長いものに変わっていますが…いくらなんでも一部過ぎます(^^;;

 

窓です。一段下降窓やロールカーテンはそのままです。

 

座席です。山側だけのカットだけだと、伊豆にいるとは思えないですね(^^;;  ロングシートは東急時代と変わらないスタイルのままで残されています。そろそろこちらもキンメなり温泉なりのモケットに交換してはいかがでしょうか。

 

車端部の優先座席です。座り心地は見た目によらず硬めという東急らしいものですね。登場当初は柔らかいクッションだったと聞きますが、それがにわかに信じられません。

 

向かい側はブラウンのモケットです。妻面にモケットが貼られてあるのが気配りですね。

 

続いて海側のクロスシートです。西武10000系「ニューレッドアロー」の座席換装により蹴り出されたリクライニングシートをボックス配置に固定の上設置しています。秩父鉄道6000系にも転用されており、本家で見られなくなった座席としては相当数が残っている希有な存在と言えます。なお、こちらではリクライニングレバーは残されているのもも、背ズリがピッタリ付けられており実質リクライニング不可となります。

 

先代の200系に合わせたか、窓側には小振りですがテーブルが設置されています。幾分ゆったりした配置ではありますが、シートピッチはそこまで広いとは思えません。座り心地としてはクッション柔らかめでゆったりしたもので、ロングシートと比べかなり居住性に差が出ているように思います。ただこのヘッドレスト、狙い撃ちのようなポイントの狭さは気になります。ストライクゾーンに入らなければちょっとしんどいと思います。

 

1両に1箇所、なぜか支持棒が曲げられた部分が存在します。天井を見上げても広告枠等干渉するものは無く、なぜこうなったのか気になります。

 

トイレです。中は洋式で、ある程度の広さを有しています。

 

中には更新車も存在しており、ロングシートに変化が見てとれます。

 

ドアです。旅客案内表示付きの全景はこちらになります。車端部寄りのドアは片側のみ立ち席スペースが少しだけ有ります。

 

座席です。袖仕切りは肘掛けを兼ねた板となり、定員着席のため中央に仕切りも入っています。

 

車端部の3人掛けです。このグループでは妻面のモケットが消えています。無くても困りませんが、有ったものが無くなるとやはり目立ちます。

 

向かい側もこの通り。消火器が隅にへばりついています。

 

車椅子スペースです。握り棒とヒーターが備えられています。