京都市内を走る路面電車、嵐電こと京福電鉄で2両のみの存在で走る珍車がいます。
モボ21形、茶色い塗装が示す通りレトロ調電車となっています。ヘッドマークはおまけですね。
側面もこの通り縁取りの模様も含めてそれらしいデザインです。なお箱はこのような感じでも性能的にはモボ621形と同様で、車番もモボ625号の連番となっています。
屋根はダブルルーフ風、おでこには前照灯が載っかっています。
窓には乗り出し防止用の保護棒もあります。
こちらは事実上のラストナンバー、モボ27号車です。
縁取りが銀色になっているのが異なる点ですね。
運用は他の車両と共通化されており、当たればラッキーですね。
車内です。内装も木目を意識したものとなっております。
ドアです。片開き式で、イエローラインが追加されています。他の形式同様ステップは無く、足元の靴ずりも黄色になっていますね。
運転台です。路面電車としては珍しい左右対称のドア配置のため、壁の面積が広めです。運賃表示機はLCDディスプレイ化されています。
天井です。白熱灯を模した蛍光灯カバーにローリーファンという組み合わせが斬新です。
吊革の支持棒や荷棚はモボ121形から取り外したものだそうです(色はさすがに塗装されたものでしょうが…)。
それにしても、この昭和初期の車両は荷棚のデザインが秀逸な車両が多い印象です。色だとかプリントで濁す昨今のような手法ではなく、実用性も兼ねた「造形美」的良さが光ります。
窓です。二段式で下段は開閉可能です。日除けは爪を引っ掛けるロールカーテンタイプで、生地の色は薄いブラウン系です。
戸袋部分は丸窓風のデザインになっています。その横の優先座席の表示は京阪グループでありながら阪急で見られる仕様…(^^;;
座席です。グリーンのモケットが似合うのは大宮、西院、嵐山で接続する阪急で見慣れているということもあるでしょう(色合いも素材も異なりますが…)。
優先座席は赤いモケットです。一般座席共々、直角の背ズリがイマイチなものの短距離乗車が中心のため、多少の我慢は必要かと…。
モボ27号車は優先座席のモケットが異なっており、細いボーダーが入ったものとなっています。
袖仕切りは優美なカーブを描いてはいますが、乗客側から見た機能性は「無い」に等しく、会社側の「モケットの劣化を防ぐ」くらいしかメリットが見えません。
フリースペースです。握り棒以外に付帯設備は見当たりません。
嵐山駅にて、発車まで一息。
難読駅名「帷子ノ辻」駅にて。嵐山行き電車が発車です。