JR西日本223系1000番台「A-SEAT」仕様車 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

近年は沿線の魅力向上のため有料列車が増えてきた印象ですが、全席クロスシートで特急並みの130km/hで駆け抜けるJR西日本の普通列車のフラッグシップ、新快速にもこの度有料車両が登場しました。223系1000番台の4両編成のうち2本2両を改造しており、北陸の521系のような側面帯になったこの車両がまさにそれです。

 

その名も「A SEAT」。ええ、おおよそ「ええシート」という関西弁のシャレの域を越えません(笑) 

 

連結位置は12両編成の9号車で、乗車位置の案内もあります。全列車12両でも運転のため、前面が中々見られないですね。

 

それにしても、国鉄時代の快速電車からグリーン車が消えて40年が経とうとしたこの令和の世に事実上の復活、新快速は設備的にロングシート以上リクライニングシート以下というある程度の快適性を備えたいわゆる「中濃ソース」的役割だったのですが、それだけ潜在的に有料車両の需要が眠っていると判断されたのでしょうか。

 

駅の案内でも、乗車位置の部分で有料座席であることが記載されています。

 

大阪駅などのような大型版もこの通り。

 

車内です。ご覧の通り特急型車両に準じた形態に改められており、近郊型電車の面影はかなり薄くなりましたね。

 

ドアです。この辺りは改造でそこまで変わっていない部分で、両開き式で残されています。ただ真ん中のドアは埋められております。

 

車端部側のドアに関しては、トイレの大型化により握り棒が新設されており、形状が異なっています。

 

反対側は従来通りですね。

 

新設された仕切りの壁です。仕切り扉は有りませんが、この壁よりドア側が立ち席スペースとなっています。

 

A-SEATのステッカーも貼られています。

 

そうそう、フリーWi-Fiのサービスもありますね。

 

車端部です。トイレがバリアフリー対応となり大型化されています。

 

最前面です。整理券改札のため車掌さんが2人乗っていますが、通常はここで詰めています。
 

天井です。吊革や吊り広告は全て撤去され、非常にスッキリしました。照明は暖色系に変更され、落ち着きを演出しています。

 

窓です。中央のドアが埋められており、その部分には窓が取り付けられています。それ以外は従来と変わりませんが、日除けの生地は軽いものに交換されています。

 

座席です。ベースとなるのは683系4000番台から続くリクライニングシートですね。

 

サイドアームテーブルはボックス配置で使うことがあまり無いと踏んだか省略されています。中距離での乗客の入れ替わりが多いのか、既に背面網ポケットが伸びてしまってますね…。またこれまで転換クロスシート5脚配置のところを4脚にしているので、ドアから離れるごとに窓割りが合わなくなっていきます。日除け戦争が起こらなければいいですが…。まぁここはまだいい方で、問題は次。

 

…窓が無い。一番マズいのがこの区画で、ガッツリ戸袋跡の壁にかかる大ハズレ席が存在しております。改造車故仕方はありませんが、そんなに戸袋の壁って何とかならんもんですかね?乗ってもすぐ日除け下げて休む人には支持されそうな気はしますが…。わずかにドア跡の窓にかかってはいますが、比率的には後列のものと考える方が自然ですね。

 

デッキ仕切り際の座席はオフィスシートでテーブルの面積が大型化されています。この手の座席らしく、座面が寸詰まった感じが気になりますね。あとモケットもリサイクルを考慮してかポリのような安っぽさが…。環境に配慮するのは結構ですが、もうちょっと肌触り何とかなりませんか?

 

オフィスシートのテーブルです。隣のケースは整理券を入れておくためのものですね。

 

車端部側の荷物置き場がある区画に関してはテーブルが窓側にしか有りません。そのためにここの席だけにサイドアームテーブルがあるかと言われれば…無いんですねぇ、「どうせ新快速やし」みたいな手抜きを感じます。

 

サイドアームレスト先端にはコンセントが付いています。ここにコンセントを付けたがばっかりにサイドアームテーブルが付けられなかったんでしょうね。と言うか、サイドアームテーブル省略してまでコンセントここじゃないとダメ?

 

窓下の化粧板は木目をベースに波や光をイメージしたものになっています。

 

ヘッドレストカバーはA-SEATのロゴ入りです。

 

背面には整理券を入れるポケットが付いています。乗車中はここに整理券を差し込み、降りる際に抜き取ることで空席となります。

 

差し込むとこんな感じ。なお制度としては普通列車グリーン車と北海道の快速エアポートの指定席車、U SEATを組み合わせたようなもので、全席自由席で料金は座席での精算となります。デッキ扱いのドア付近に立っていても料金は取られませんが、客室扱いとなる通路部分に立ち席することは出来ません。

 

シートバックテーブル裏には車内の案内があります。

 

荷物置き場です。大きな荷物を持って新快速に乗るのはちょっと…という時も、ここに乗れば迷惑も掛けませんし快適ですよ、と…。

 

トイレは225系以降に見られる形状。ここ最近としては珍しく、1000番台の化粧板を使用しています。

 

向かい側はフリースペースとなりました。

 

 

今回野洲-大阪間で乗車しましたが、途中の乗り降りが少なかったので体感として乗車時間は短く感じました。そういう点でも、たまのプチ贅沢として悪くは無い印象です。

 

ただ、改造車故"迷"な点が有ることや、東側が野洲という中途半端さも目につく所ではあります。米原までであれば、大阪を起点にするとそれなりの距離になるので利用価値は高いのですが…。現在は試験的な運用なので、今後拡大が図られるかは今の運用実績次第なんでしょうね。

 

後は今回改造されたのは1000番台、現役新快速の最年長を改造することでコケた時に潰しがきくようにしたのだと思いますが、2000番台以降よりも格段に作り込みの良い転換クロスシートを搭載したこの番台に狙って乗れるとあらば、付帯設備に目を瞑れば貧乏根性で普通車自由席で過ごすかなぁ、と思った次第です。