大井川鐵道スハフ43形 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

SL動体保存のパイオニア、大井川鐵道で活躍しているC10型。現存機はこの8号機のみで、それが動いているというだけで最早奇跡と言えます。

 

今回乗車時は5両編成だったのですが、編成中程に挟まっていた青色に白帯の客車が今回のターゲット。

 

スハフ43形、特急列車に導入することを目的とした車両で、実際に「つばめ」や「はと」、「はつかり」等にも充当された実績があります。ただ活躍期間は短く、電車に置き換えられたことで普通列車に回されたのだとか。

 

三等車として登場したものの、1列分の小窓が並ぶ一般型二等車と同等の車内設備を備えていたことから好評だったのだとか。現在は日本ナショナルトラスト保有で、大井川鐵道のSL急行列車に充当されています。

 

それではまずはデッキ、ドアから。他の旧型客車と同様、完全手動の開き戸となっております。東日本では電磁ロックを付けていますが、そのようなものも有りません。

 

一応、このように掲示はされています。かつて国鉄時代は開きっぱなしでも当たり前だったんでしょうね。

 

かつて座席種別が入っていたと思われる札受けには禁煙のステッカーが貼られています。

 

トイレです。「便所」のプレートはドアの左側に付いています。もちろん中は和式です。

 

向かい側の洗面台です。鏡はやや高めの位置に設置されており、背が低いと自分の顔を見るのは難しいですね。

 

蛇口はボタン式で、冬季はお湯が出ておりました。今回の取材は夏期、なぜか水のボタンを押しても水が出ず、湯のボタンを押したら水が出て来ました…。

 

車掌室です。隅丸の文字を切り抜き風にしたすりガラスの扉が時代を感じさせます。

 

車掌室向かいの監視スペースです。ドア扱いはせずともホームの確認はここからしていたのでしょうね。現在では予約無しでの飛び乗り時の空席待ち席として活用されています。予約はお早めに…。

 

車内です。ボックスシートが並んでいることに変わりはありませんが、その座席が明らかに他の旧型客車とは異なります。

 

デッキとの仕切りです。相変わらず仕切り扉は車内販売のカートが通過するため開きっぱなしでセットされています。

 

左上には便所使用知らせ灯と「非常燈」と書かれた懐中電灯が設置されています。更にこの車両を保有する日本ナショナルトラストのステッカーが貼られています。

 

で、便所が使用停止とされている車両はこのようにプレートが塗り潰されてます。

 

天井です。オハ47形とは異なり、照明は2列で残されています。通風器は出っ張りが少なく円形で少し洒落ていますね。

 

荷棚は網棚で、荷棚の支えはオハ35形戦前製車両と同じくトラス構造となっております。

 

窓です。かつて特急列車として運転されていた際は座席配置が異なっており、それに合わせて小窓が並ぶ形となっています。今となっては「なぜこうなった」状態ですが(笑)

 

座席です。他の旧型客車とは異なり、ボックスシートのフレームを使っていないのが特徴ですね。

 

この座席、かつては全席が同じ方向を向いており、列車の編成ごと方転を行って運転されていました。今では回転リクライニングシートが当たり前になりましたが、当時はそうして2人掛け席で進行方向を向くようにしていたんですね。現在はボックス配置でセットされていますが…。

 

デッキ仕切り際の座席に関しても同じ座席となっています。ボックスシートと比べると座席単体としてはゆったりしているのですが、多少シートピッチが広いとは言え満席で座ると少々窮屈に思います。

 

冬季は機関車からの蒸気を利用した暖房が点くわけですが、床にはそれの蓋が付いています。