阿武隈急行AB900系 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

福島県福島駅から宮城県槻木までを東北本線とは別ルートで結ぶ第三セクターが阿武隈急行です。開業時からの電車、8100系が長らく活躍していましたが、2019年に新型車両がデビューしました。

 

AB900系、系列名は「あぶ急」をもじったものなんだとか。鉄道会社の形式名は登場する順序により数字が増えていく傾向にありますが、このような自由な発想も面白いですね。

 

導入の経緯としては、東北本線を走る国鉄形式がE721系にて一掃されたことで整備を委託しているJR東日本子会社が8100系の整備に難色を示したためで、このAB900系も整備の関係でE721系ベースとなっています。とりあえずトップナンバーを先行導入して捻出した8100系を廃車にして整備予備品を確保し中期的に整備を可能にする一方、この系列を順次導入し世代交代を図っていくそうな。

 

前面は塗装されておりますが、側面はほとんどが無塗装となっています。2019年時点では1本のみの存在ですが、今後編成を増やすに当たっては5色登場するんだとか。

 

連結面にはAを象ったステッカーが貼られています。

 

先輩、8100系と並びました。この光景もその内見られなくなるんでしょうね。

 

製造や車番のたぐいは全てステッカー式です。

 

反対側もこの通り。

 

車内です。こちらは槻木方、まぁモケットこそオリジナルですがそれ以外は特に個性も無くE721系のコピーです。接続する東北本線からの乗り換えを考えると、車両としては使い慣れたものではあります。

 

ドアです。無塗装の両開き式と素っ気ないものの、結果的に周りの黄色が逆に目立つのは無欲の勝利でしょうか。

 

ドアは通年半自動扱いで、内側には開閉両方、外側には開けるのボタンがあります。こちらも仕様としてはE721系1000番台と同仕様ですね。

 

全てのドアの上にLED表示機が設置されています。開閉ランプも中央に配置されています。

 

広告枠には乗降方法が入れられています。

 

車端部です。一応仕切り扉は両開きのものが備わっているのですが、ワンマン運転が主体で行き来も多いためか開きっぱなしで固定されています。両側の座席が優先座席に指定されていますが、E721系とは異なり床がゼブラ柄とはなっておらず、一般区画同様の色となっています。

 

最前面です。ワンマン仕様で、この辺りは青い森703系と共通しています。先頭に立つ時はこのように仕切り扉を開いたままにして運賃箱を使用出来るようにします。

 

天井です。地方第三セクターローカル線にしては吊り広告が多めですね。照明は新車らしくLED灯、中々明るいです。吊革は全長に渡って取り付けられており、捕まるチャンスは増えています。ロングシート部分のみ、バンドが長くなっていますね。

 

窓です。まぁここへ来て日除けなんて付くはずもありません。地方ローカル線としては保守としてはラクでいいんでしょうねぇ、標準化された車両と言えども、交流電車はお高くつきますし…。

 

座席です。ボックスシート2組をロングシートが挟み込む国鉄時代から続く配置です。

 

まずはボックスシートから。E721系1000番台と同一品で、モケット以外変わった点はありません。そのモケットのベースカラーは「杜の都」を表すものなんだとか、仙台も近いですもんね。

 

ロングシートです。こちらも仕様としては変わりません。オマケ程度に付け加えた凹み、これしきでは居住性には中々還元されません。

 

整理券発行機が付くとこんな具合に。非常にコンパクトではありますが、ドア横の立ち席スペースが少なめな標準車体では設置に中々苦慮したことでしょう。

 

車端部のロングシートです。中央にはポールが入っており、乗り降りの際に掴めるようにしています。

 

続いて福島方の車内はモケットが異なるため印象が変わります。3扉化で座席数の減少は避けられず、ドア数が増えたことで乗り降りのスムーズ化に貢献…と言いたいとこですが実質2扉車と変わらないワンマン運転がほとんど…。

 

車端部です。こちらにはトイレが設置されています。例に漏れず、大型化されているため反対側が半分くらいは見えません。

 

さて座席です。「花の王国」福島をイメージした暖色で明るいモケットを使用しています。

 

ボックスシートがこちら。座面にSバネが仕込まれ多少柔らかさは出たものの、シートピッチ以外は8100系のボックスシートには逆立ちしても勝てまい。特にヘッドレスト部分は悪意しか感じないという持論は崩しません。せめてSAT721系みたいなのにすればいいのになぁ、とポツリ。

 

こちらには優先座席の2人掛けもあります。モケットはJR東日本タイプ、一般座席のモケットは頑張ってるのに、なぜここだけ…。そりゃあ見慣れてはいるとは言えども…。

 

横長のヒーターが心強そうな車端部のフリースペースです。奥には2人掛けのロングシートがあり、ここの袖仕切りのみ大型化されていません。

 

最後にトイレです。ボタンを押して開け閉めする自動式、扉の色はJRと同一です。くずもの入れもセットになっており、飲料系とその他で分別されています。この装備は8100系にもあったので、都合引き継がれたアイテムのひとつですね。