お座敷・トロッコ・展望車を1編成に詰め込んだ「お座トロ展望列車」、会津鉄道の観光列車として会津観光のツアーにも組み入れられる程には人気があるようです。
今回ご紹介するのはその内のお座敷・展望車を担当するAT-400形です。大型化された窓、ハイデッキ化された前頭部、かつてキハ58系列に施されたジョイフルトレインのイメージが浮かびます。
こう見えても実は改造車、種車はちょうど隣に並んだキハ40形となります。形式名が400なのは狙ったのか偶然か…。こう見比べると、かなり大胆に改造したことが分かりますね。
改造を担当したのは新潟トランシス、JR東日本のキハ40系列ジョイフルトレインの改造も経験したこともあったため選ばれたそうな。
相方のAT-350形と同様、アニメとのコラボもしております。その辺りあまり詳しくないためちょこっと触れるに留めておきます。
ヘッドマークもあり、ステッカーが貼られています。そうそう、車両自体の愛称は「風覧望」というそうですね。
両運転台車両のキハ40形、反対側はどうなったかと回ってみると…ええ、角形ライトになり薄口醤油顔だったキハ40形のお顔が一気にソース顔に…。
接写するとこれまた強烈に。先入観や固定観念というのは怖いもので、個人的には未だにアプリでの盛り方を失敗した感がすごい。
それでは参りましょう、ドアです。こちらは展望席区画とお座敷区画との間に新設されたものですが、オリジナル区画と同様にステンレス仕上げの片開き式で揃えられています。ステップもそのまんまですね。
半自動機構があり、外側に開ける、内側に開閉両方のボタンが備わります。同時期に製造された新型車両はJR西日本タイプの形状なだけに、なぜこの車両はJR東日本タイプになったのかが興味深いです。
デッキのように仕切り扉はありませんが、展望席区画は階段となっているため衝立のように仕切りの壁が取り付けられています。ここにはくずもの入れも備えられています。
また広告枠には例のアニメの原画が入れられています。その横にサラリと非常通話装置…。
反対側のドアにはキャラクターの立て看があり、一緒に写真を取れます。一枚どうぞ
まずはお座敷区画から見て行きます。「お座敷亭」のちょうちんの奥に、お座敷区画が広がっております。
というわけでお座敷区画です。かつてはここも展望席として座席が並んでいたのですが、別にいたお座敷車両が廃車となったためこの区画をお座敷区画として改造した経緯がございます。
会津田島方の運転台方向を見ます。普段はトロッコ車両と連結されているため先頭に出ることはあまりありません。トイレや車内販売準備スペースのため見通しはあまりよくありません。
天井です。かつて照明は「リゾートしらかみ」を初めとするキハ40系列改造のジョイフルトレインに見られる照明と同様のものが取り付けられていましたが、お座敷化に際しそれを撤去し、代わりとして柱に和風のものをメインにしています。天井から光が落ちないようになったので薄暗く感じてしまいます。
窓です。「リゾートうみねこ」と同様ワイドサイズですが、間にはカーテンレールが入っています。ただこれは展望席だった時代のもので、お座敷になってからは眺望がイマイチです(特に会津田島ゆき方面の進行方向)。
座席です。かつてのリクライニングシートは撤去され、堀ごたつタイプのお座敷席に改座されています。
かつてのお座敷車は車体幅が狭いAT-100形を種車に改造していたため1+2配置でしたが、持ち前の拡幅車体を発揮して2+2配置となっています。座面には座布団が設置され、四本足の固定テーブルを中央に備えた手作り感溢れる陣容です。
で、お座敷席というだけ有り…ということなのか、足元にはスノコが敷かれたこれまたDIY感溢れる仕様です。畳とかにすればいいのに…とも思いますが、こっちの方が安上がりですよねそうですよね
テーブルには車内販売の一覧シートが置かれています。残念ながら駅弁の販売はありませんが、アルコール、ソフトドリンク、おつまち、お菓子など色々と売られています。
トイレです。車椅子対応の大型ドアを備えていますが、開閉は手動式です。箱にはかつて放送された大河ドラマ、「八重の桜」のキャラクターが貼られています。もう二次元を詰めに詰めてますね(笑)
向かい側は車内販売準備スペースとなっており、カートが置かれています。元々車椅子スペースを想定していたとは思いますが…。
続いて最前面の展望席区画です。ハイデッキ化されていることから階段でのアプローチとなります。定員12名のミニマムな空間のため、会津鉄道の空席情報では常に「▲」が付いています。
最前面方向を見ます。座りながらの前面展望はイマイチで、左側には乗務員室、右側には排気用の煙突があるため、いいとこアタリ席は右側の通路側くらいじゃないでしょうか。お座敷車ともども整理券を必要とする自由席なので、一番乗車をすれば確保出来ると思います。
天井です。目一杯まで高さを確保しているため肩部分には傾斜が付けられています。照明はカバー付きの直接照明、冷房の吹き出し口はありますが、日光が入りやすいのか単に効きが悪いのか弱冷房状態となっておりました。
窓です。1列につき1枚で、こちらの日除けもフリーストップタイプのロールカーテンとなっております。
座席です。回転リクライニングシートが並びますが、マウントエクスプレスでは整理券不要で利用出来るだけに眺望にかかる料金と思う方が良さそうです。
ベースになるのはJR西日本の683系の普通席で、サイドアームテーブルの省略、持ち手の追加など「リゾートうみねこ」のリクライニングシートが近縁になるでしょうか。
背面を見ますと、爪が浅すぎて使い物になってるのか「?」なフックと使われていないヘッドレストリネン用のマジックテーブルがあります。
最前面は固定式テーブルです。やっぱりこの煙突を兼ねた衝立、展望席というくらいにはもう少し何とかなりませんでしたかね?トイレの抜き取り設備やら何やら理由はあったとは思いますが…。
最前面には下へ降りる階段が付いており、その下はフリースペースとなっています。
フリースペースには簡易なパイプ椅子が付いております。こちらに関しても、「リゾートうみねこ」のフリースペースと全く同じですね。この区画、乗務員室の一部を客室に転用した形となるため、乗務員用扉や消火器などがあり少しごちゃっとした印象です。その分運転席目線というダイナミックな展望は得ることが出来ます。
車内販売のアイスクリームを食べながら、豊かな会津の自然を楽しむのもまた至福の時。



































