新幹線開業で切り離された平行在来線としては初の地方交通線の切り離しとなった江差線を引き継いだのが、道南いさりび鉄道です。
車両は元のJR北海道も厳しいこともあってか国鉄時代からのキハ40形を譲受して使用しています。
塗装は開業当初こそ全車がJR北海道塗装でしたが、最近全車がオリジナルのものに塗り替えられました。
South Hokkaido Railway、「いさりび」はどこいっちゃったんでしょうか(笑)
路線自体はJR北海道函館本線に乗り入れ、函館駅まで運転されます。行き先表示はサボ式、令和の世になっても未だ現役です。
函館を起点に、上磯折り返しの列車もあります。
単行列車が多いですが、2両編成も存在します。
で、色違いも存在しております。
こちらもロゴがあります。
まずは北国の列車らしくデッキからです。足元には雪を落とすためのマットが敷かれています。こうしないと、車内の床が水浸しになってしまいます(^^;;
路線図はもちろんいさりび鉄道仕様です。
ゴミ箱もこの通り。車内美化に役立っていることでしょう。
トイレです。三セクに移管されても和式に変わりはありません。
車内です。優先座席のモケット以外、JRのみならず国鉄時代からも変わらない勢いです。
デッキとの仕切りです。見通しをよくするため仕切り窓があけられています。これは昔から変わりませんね。
で、いさ鉄オリジナル点としてはこのようなテプラが貼られたことでしょうか。いさ鉄の社章付きとなっています。
天井です。非冷房はいさ鉄移管後も変わりません。中央には換気用のベンチレータ、送風ファンが備わります。
座席です。まずはボックスシートからですが、国鉄時代から続く紺色のモケットはいさ鉄になってからも引き続き使用されています。
JR北海道時代から一切変わること無く使用されているため取り立てて言うことも特にありません。飾り気無く実用本意な国鉄設計らしいそれがここにあります。取材は冬季、保温用の二重窓が下がっています。
キハ40形には付き物の2人掛け席です。足元の狭さは相変わらずですね。北海道のキハ40は冬季以外は広げられた下辺をテーブルとして利用出来る他、通年肘掛けとしても使えるのがいいとこだと思っています本州もこうすればいいのに…。
ロングシートです。背ズリは角度こそ付けられていますが硬さはダイレクトに伝わります。
優先座席とセットになったロングシートです。こちらもJR北海道時代から変わりません。
ボックスシートとトイレに挟まれた3人掛けもこの通り。
一部車両はキハ150形よろしく2+1配置になった車両も存在します。
通路側の席を切り取りフレームだけ流用して溶接しなおした感じですね。苗穂の匠にかかればお手のものだったことでしょう。
で、それにより誕生した1人掛けもこの通り。究極の引きこもり席ですね。
江差線が第三セクターとしてでも残った理由は「貨物列車のため」が一番大きかったと思います。そんな中、地域貢献を目的として"日本一貧乏な観光列車"と自虐もいいところなキャッチフレーズで走る観光列車用の車両がこちらです。
「ながまれ号」、北海道弁で「ゆっくりして」「のんびりして」を意味する言葉で、観光列車にピッタリの名前だと思います。
車内です。「ながまれ海峡号」が運転されない時には普通列車の運用に入っていますので、その様子をキャッチ。
「日本一貧乏な観光列車」だけありほとんど変わってないんですよ。異なる点と言えば、観光列車運用時に取り付けるテーブルを固定する金具が追加されたことですね。その他にも、観光列車運用時は大漁旗が吊るされたり、ボックスシートのフレームにクッションが付けられます。そのアイテムは普通列車運用時にも欲しいものですが(^^;;
窓には車窓の案内ステッカーも貼られていますが…地味です、地味過ぎます。
またこのように開業を祝うステッカーも貼られています。
ボックスシート裏にもテーブル固定用の金具があります。ロングシートもお席に充てられるんですね…。
最後に運転台です。運転席におざぶが敷かれており、ローカル線チックで何だか素敵。