JR東日本キハ110系「はまゆり」仕様車 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

岩手の県都、盛岡から三陸の中心都市のひとつ、釜石を結ぶのが、東北本線・釜石線を経由する快速列車、「はまゆり」です。

 

かつては急行として運転されており、その時は「陸中」という名で運転されていました。この「陸中」というのがこれまた国鉄時代はとんでもない急行でして、仙台-秋田間を東北・釜石・山田・花輪・奥羽線経由で走り、その間に幾多もの急行列車と分割併合していた彷徨える奥州急行の代名詞的な列車でした。

 

そんな列車をルーツに持つ「はまゆり」には快速列車ながら指定席が設定されており、専用車両が連結されております。その車両には今やJR東日本のローカル線区の主役、キハ110系列のトップナンバーも含まれております。外観画像を見て頂ければ分かる通り、このグループはスカートがパイプ補強されて厳ついのが特徴です。

 

片運転台2両編成のキハ111形・キハ112形のトップナンバーもその中に含まれております。ゾロ目ですね。

 

釜石線でしか見られないレアキャラとも言える車両で、このように指定席車として運用されることが多いです。

 

で、時に自由席車として連結される時があります。知っている人はこの車両を見てこちらに流れて来ることとなります(笑)

 

車内です。急行運用を想定した最後の気動車とも言えるこの車両、なんとリクライニングシートが搭載されています。

 

通常のキハ110系列と同様にデッキは有りませんが、くずもの入れが備わっています。見切れていますが僅かながらステップが残っています。

 

天井です。普通列車用のキハ110系列とは異なり、冷房の吹き出し口はラインフロー化され、カバー付きの照明が並びます。また中央にも照明が間隔をあけて設置されています。国鉄急行型車両がカバー無しの車両がほとんどだったことを考えると、えらくレベルアップしたものだと思います。

 

後期に製造された車両では、中央の照明が省略されています。

 

窓です。都合2席に1枚の割り当てとなっており、日除けは横引き式のカーテンとなっています。これ自体は普通列車用の車両も同様ですので取り立ててどう、ってことは有りません。

 

座席です。回転リクライニングシートで、普通車におけるフリーストップ式リクライニングシートの中で一大勢力を誇ったR55シリーズの一派です。

 

R55G、このグループにしか搭載されていないレア座席だそうですが、R55自体が今や少数になってしまった感があります。

 

このグループ、両数が少ない割に、座席モケットはいくつかのパターンが存在するのが特徴です。

 

というわけでパターンその2、赤をベースにしたモケットを装備した座席です。

 

肘掛けには灰皿が備わっていますが、現在は封印されており車内は全車禁煙です。R55と言えば、これのようにチャキチャキしたスタイルが思い浮かぶのですが、ヘッドレストサイドの張り出しもなくボテッとした印象です。センターアームレストも省略されており、この辺りが「急行列車」としてのやんわりした格差なんでしょうね。

 

そしてお次は紫色をベースにしたモケットの座席を積んだ車両です。

 

座席です。パターンその3のこちらはモケットが鮮やかですね。

 

シートピッチはいずれも940mmで、当時「はつかり」として東北本線を走っていた485系のシートピッチが910mmであったことを考えると、急行列車にして座席自体のレベルはともかくアコモ逆転をやっていたという…(しかも当時は自由席車を中心にまたこれみたいな簡リクだったでしょうに)。なお、ヘッドレストカバーは布製ではなくレザー製です。この辺りは現在の快速列車相当と言えばその通り。

 

お次がパターン4、緑をベースにした座席を搭載した車両です。

 

一部は暖房配管のカバーが出っ張った区画もあり、その区画は脚が伸ばせません。自由席でぶち当たった時は選んで乗るのが良いでしょう。

 

で、キハ111・112の車端部はボックスシートとなっています。ヘッドレストカバーこそありますが、座り心地は普通列車用のボックスシートと変わりません。グループでなければ積極的に選ぶ席ではありませんね。