神戸市交通局6000形 | 車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

開業時から延伸や運用増による新系列登場を除けば世代交代が特に無かった神戸市営地下鉄ですが、そろそろ既存車両の老朽化も気になり出したところで新系列車両が登場して参りました。

 

6000系、西神山手線では3000系以来の新系列、登場時はヘッドマークが取り付けられていました。今後、開業時から走り続けた1000系のみならず、2000系や3000系も全てこれに置き換える予定で、新旧に関わらず検査切れとなり次第入れ換える手法を取っているようで、この系列が登場した2019年度にはまさかの3000系も3編成が廃車となるようです。

 

これまでの西神山手線系統と同様、1000系トップナンバーの以降登場した順に下2ケタの編成番号を付けているため、3000系最終編成の3128Fの続番である6129Fが実質的なトップナンバーとなります。

 

北神急行7000系と並びました。デザインは3案の中から公募で選ばれており、このデザインは「街に馴染む丸みを帯びたフレンドリーなデザインで、車両全体を巻き込むような安心感を与えるカラーリング」を念頭にしたとのこと。これまでのスピード感を持たせた立体的なデザインを見ると大人しくなったなぁと思いますが、当の私もこのデザインに応募した口でして…(^^;;

 

行き先表示はフルカラーLEDとなっております。

 

車内です。これまでの西神山手線のカラーコードを引き継いでいることが分かりますね。なお、デザインはJR東日本での採用例が増えつつある某工業デザイナーの会社が監修しているとのこと。

 

ドアです。神戸市交車としては初のLCDディスプレイが千鳥配置で搭載されており、右側で運行案内、左側で広告を流しています。

 

LCDディスプレイが無い側のドアです。ドア横の立ち席スペースはあまり広く取られていません。人が立つと微妙にはみ出ますね…。なお、開閉の際にはJR東日本や東京メトロ等、首都圏でお馴染みの二打点チャイムが5回流れます。何気に関西では初採用な気がしますが、わざわざこれにすることも無かろうに…。

 

LCDディスプレイの代わりに、ドア開閉位置の案内ランプが設置されています。これがあるだけでも十分な情報量があるとも思っています。また開閉ランプは中央に設置されており、どちらのランプも異なる間隔で点滅している上に被って光っているタイミングは極僅かなため、これを撮るのが中々難しかったりします(^^;;

 

車端部です。これまで一部の車両にしか設置されていなかった西神山手線系統の市交車において、初めて仕切り扉が全車に設置されました。最近流行りのガラス面を大きくしたタイプで、見通しが良いですね。こちらの化粧板は、三宮で接続する阪急電車よろしく濃い目の色となっています。

 

フリースペースを有する車端部です。関西私鉄のこだわりと言える妻窓がこの系列にも備わっており、厳密に言えば地下鉄ですらない西神延伸線の地上区間での採光を狙って設置されたものと思われます。

 

仕切り扉には激突防止のためのデザインが入れられています。この持ち手、冬場は静電気の溜まり場になっておりますので、うかつにゆっくり触らないようにしましょう…。

 

最前面です。3000系から引き続き運転台側は壁、仕切り扉と車掌台側に仕切り窓を設けたスタイルですが、やはり最前面ともなると遮光幕全閉となります。関西では車掌台側はオープンにしていることがほとんどですので、影響は無いはずなのですが…。

 

天井です。ここまで見てきて最近の電車と比較してあまり目新しい点が無いなぁと思っていたものの、この系列で「おっっ」と思わされたところがここ、特に照明が特筆すべき点ですね。

 

照明は直管式のLED灯なのですが、管の下にカバーを付けており、直接光が落ちてこないようにしています。これまで、関西私鉄やアップグレード車両では従来のようなカバーを取り付けるか、はたまた反射式とするかで試行錯誤が続いていたのですが、この手法は直管式と同等の工数で取り替えが可能なこと、また反射式と同程度の効果を得られる利点も有り、今後他社の車内作りに一石を投じるのでは無いかと期待しております。これも熱を持ちにくいLEDだからこそ出来る芸当ですね。

 

窓です。中央が大きめなのはJR西日本225系のようですね。日除けはフリーストップタイプのロールカーテンとなっております。

 

座席です。深緑のモケットに木目調の袖仕切り、緑が多い沿線をイメージしたものなのでしょう。モケットには柄が入っていますが、何やらインベーダーゲームのインベーダーのようです(^^;; さてこの座席、工業デザイナーが監修した割には実用性がイマイチだと思っています。袖仕切りはストーンと壁で肘周りに余裕が無い上に大きさが中途半端、3席毎に入った仕切りは文字通り「仕切り」の役割しか果たしていません。中途半端なドア横の立ち席スペースを設けるなら、そちらの余裕に還元してやればいいのに、とポツリ…。これがデザイナー、メーカー、市交のどれが悪いのかは分かりませんが・・。それでも、片持ち式座席にして両側に風除けのごとくブロックが付いているのは配慮といえば配慮。

 

優先座席はやや薄めのモケットです。座り心地は、従来車に慣れていると壊滅的に悪くなったと思わされるのではないでしょうか。背ズリは短め、座面幅は相当ですがクッションはかなりハードだと思います。いいとこ三宮から新神戸・長田くらいまでの乗車ならいざ知らず、乗車距離が長くなるにつれて太もも裏・ふくらはぎに二次関数的にダメージを加えるものだと思います。しかも座面はやや高めでして、立ち上がりの容易さを狙ったものとは思いますが乗車中の重心は自ずと高くなるのでそれもどうよと。「静」重視の結果「動」が置き去りになってやしませんかい?

 

最後にフリースペースです。えっとですね、数々の通勤電車を見てきましたが、車椅子マークが無いのは初めて見ました(^^;; 近年では車椅子の乗車については認知がされたと判断し、「ベビーカーでの乗車は悪ではない」ということを強く伝えたい意思を感じ取りました。乗る側としてもここを大いに有効活用して欲しいですし、全ての乗客に優しい環境が整備されればそれ以上のことは有りません。