C12型蒸気機関車、閑散地方線区向けの機関車として製造され、SL末期まで入れ替え機関車等で活躍していました。そんな機関車ではありますが、2018年現在営業用路線で動態保存されているのはこの真岡鐵道所有の66号機のみとなっています。高速運転を前提としていないため、除煙板はありません。
「C」の形式が表すように動輪は3つとなっています。
ロッドに近寄ると・・おや、この機関車の号機まで入っています。土日を中心に半定期的に運転されている臨時快速「SLもおか」に使用されます。
車両基地のある真岡から下館までの往復にはJR東日本から購入したDE10 1535号機が使用されており、夕方の下館→真岡では回送を兼ねた通過駅のある普通列車として営業運転にも使用されます。
真岡駅にて。SLを模した本社屋兼駅舎が特徴ですね。
そんなSLもおかと回送兼普通列車に使用されているのが、これまたJR東日本から購入した50系客車です。塗装が旧型客車をイメージしたぶどう色に赤帯となっていますが、全国でも唯一(湿原ノロッコ?ああ、自由席ね)原型を保った50系客車で、実は貴重な存在だったり。
なお、茂木方はオハフではなくオハ車が顔を見せています。いや、確かに昭和のローカル列車そのものの姿ではありますが…。
なお、この50系客車では非常に珍しくなった蒸気暖房が健在です。ある意味これだけのためにわざわざ寒い寒い雨の北関東へ出向いたんだ(笑)
というわけで入っていきましょう、デッキドアです。片開き扉で化粧板は貼られていません。また地方の低床ホーム対応のためステップがあります。この時代に登場した車両では標準的と言えば標準的。
ゴミ箱です。臭い対策なのか、口が狭められています。
下館方に位置する乗務員室です。ここで車掌さんが扉扱いを行います。
壁には車掌さんの被る防止が掛けられており、自由に記念撮影することが出来ます。もう一声、制服のジャケットとかがあればいいんですけどねぇ…。
そして茂木方。緩急車ではないため、仕切り扉の向こうは外になっています。さすがにロックは掛けられていますが…。
で、妻窓は開閉可能となっています。日本で一番乗車しながら至近距離で煙を感じられるスポットなのではないかと思っています(^^;;
ようやく車内です。朝は通勤通学、それ以外は地域輸送という両面に対応した車内配置となっており、SL列車という観光面が強い列車専属となってもそれは変わりません。なお「SLもおか」は全席自由席、乗車には整理券を購入して乗車することとなります。
デッキとの仕切りです。朝夕のラッシュにも耐えるため、仕切り扉が両開きとなっています。開口面積を稼ぐために持ち手部分の壁が切り欠かれているのも特徴です。
トイレが張り出した仕切りです。もちろん仕切り扉は片開き式です。
そのトイレです。とことんオリジナル、中は和式となっています。
天井です。このご時勢、関東地区に残る数少ない冷房装置を持たない車両となっています。涼は扇風機か煙が入ってくることを承知で窓を開けるかとなります。照明はカバー無しの蛍光灯、発電が車軸発電オンリーで不安があるためか半分は消灯されています。晴れの日はともかく、雨が降るとちょっと暗く感じてしまいます。
中央に陣取る扇風機です。真ん中のマークは真岡鐵道のものとなっています。
ところが、たまに国鉄のJNRマークのままとなったものもいます。貴重品に変わりありませんが、なぜに…。
窓です。二段窓で開閉可能です。日除けはロールカーテンタイプのものが備わっています。
片方の窓側には扇風機の操作スイッチが設置されています。コート掛けも人数分が備えられています。
座席です。まずはクロスシートから参りましょう。モケットは真岡鐵道オリジナルの緑色のものに貼り替えられています。
何でもオリジナルのままがいいかと言われればちょっと気になるのがテーブルが無いこと。一応は観光列車、飲み物やお菓子などを置く場所が無いのはちょっくら厳しいですね。
ロングシートです。こちらも何のひねりもない6人掛けのロングシートです。
で、やはり特筆すべきは冬季に発動される蒸気暖房。車内に入ると、何となく暖かさだけでなく湿気が室内を包み込みます。で、蒸気暖房とはSLの蒸気を利用したものなので、SLから遠い車両になるほどその効果は微々たるものになっていきます(^^;;