JR東日本HB-E210形 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

先の震災で甚大な被害を受けたあおば通と石巻を結ぶ仙石線。全線復旧後、松島付近で東北本線と繋がる非電化連絡線を利用して、仙台から東北本線・仙石線を経由して仙石間を速達輸送する運転体系が確立されました。

 

仙石東北ライン、基本一時間ヘッドで快速列車が運転されており、朝の9時台に仙台を出発する便と石巻発最終は快速より停車駅を絞った「特別快速」として運転されています。また朝の仙台行き始発と夜の仙台発最終は女川発着となっております。その他にも仙石線時代と同様、時間により停車駅が異なります。

 

仙石東北ラインは先述の通り一部非電化区間を走行することから、このために新製された車両が専用充当されます。HB-E210系、車体デザインとしては先に新潟で登場したE129系に似たものですね。

 

ステッカーが貼られた面積が大きく、銀色の割合は少なめです。走行のエネルギーは電気と軽油のハイブリッド方式、初期加速時は電車と同様VVVFインバータ制御での加速を行い、しばらくするとディーゼル駆動に切り替わり高速域まで引っ張ります。

 

製造は順当に総合車両製作所、サスティナの工法を採用しています。

 

車内です。色合いこそ違いますが、同じ仙台地区を走るE721系とほぼ同様の構成となっています。蓄電池装備でデッドスペースが発生しているのが特徴ですが、それを気にするほどの殺人的混雑ともならないんでしょうね。

 

ドアです。E233系以降は首都圏では化粧板貼り付けが基本となりましたが、地方向け車両となると化粧板も省略されてしまうもんなんですね。とは言え、LED表示機が設置されて情報提供の観点では大きくサービス向上が図られているように思います。

 

半自動ボタンが備わっており、通年半自動扱いとなっています。

 

車端部です。優先座席エリアに指定されており、E233系より始まった床面の赤ゼブラもしっかり施されています。

 

トイレを有する車端部です。この手の車端部は完全にフリースペースとされることが多いのですが、意外にも座席が備わっています。蓄電池装備でデッドスペースがある分着席定員を稼ぎたかったのでしょうか。

 

最前面です。併結を考慮し、仕切り扉は引き戸式となっています。なお、列車はツーマン運転が基本となるため、ワンマン運転用の機器はありません。

 

天井です。照明は蛍光灯タイプのLED灯、首都圏ほど混雑しないためかラインデリアはありません。

 

特筆すべきは荷棚。優先座席部分に関しては高さが低くなっています。主となる利用層を考慮した結果なんででしょうね。また、ロングシート上については握り棒を兼ねて端の棒を下げた形状とされています。

 

窓です。E721系からベースとされている窓配置ですね。相変わらず日除けはありません。

 

ハイブリッド車両の肝、蓄電池機器です。室内の一部を割く形で設置されています。ここの小型化にはもう少し時間がかかるようです。

 

その機器にはLCDディスプレイが設置され、蓄電池、エンジンどちらかで動いているかを表示しています。

 

バッテリーで走るの図。

 

そして両方のエネルギーで走るの図。

 

座席です。構成は国鉄時代から続く3扉車の配置を基本としたものですね。

 

まずはボックスシートから。E217系から微妙なマイナーチェンジを繰り返しながら一貫して採用され続けている製品を使用しています。半自動機構があるとはいえ、足元がスルーになっているのはいかがなものでしょうか?座面下のヒーターによる温風を丸ごとスポイルしてしまっているようにしか見えませんが・・。

 

例の蓄電池横のボックスシートです。座り心地としては、座面にSバネを仕込んだことで首都圏の同製品と比べてクッション性は飛躍的に向上したのは評価できる点ですが、それでも背ズリは相変わらずの駄作そのままです。なぜここをなんとかしようと思わんのだ。更に窓と座席の関係も悪いまま、背ズリの手前に桟や柱を置くとせっかく広げられた窓枠下辺も全くの意味なしです。柱の太さや間隔を見直せないなら肘掛けを増設するくらいの配慮は欲しいものです。

 

ロングシートです。まずは5人掛けから。こちらも見た目としては209系から一切変わっていません。袖仕切りは大型の板、形状はE233系から続くものですね。相変わらず肘回りの下辺処理には不満が残ります。

 

優先座席です。東日本共通の座面が黒、背ズリが赤と黒のゼブラ模様となっています。ボックスシート裏にも袖仕切り同様窪みが入れられていますが、まぁ「ゆとり」として還元されたものではありません。

 

車端部の5人掛けです。座り心地は、ボックスシート同様座面は209系からするとかなり改善されてきたと思うのですが、背ズリが相変わらずダメなもんで。ダメというか、短距離利用を前提とした座席を乗車時間が比較的長くなるローカル線にまで持ってくんなと。

 

フリースペースです。非常通話装置、握り棒、ヒーターが備わります。隣には2人掛け座席があるわけですが、従前ここの袖仕切りだけは肘掛けを兼ねたタイプのものがついていたのですが、この系列ではドア横同様の大型タイプが付いています。車椅子の方の介助者が座るという点では好ましくありません。

 

トイレです。バリアフリー対応の円筒形トイレで、扉はボタンによる半自動式となりました。