山口県の東端、岩国(正確には岩徳線の川西からですが…)から錦町を結ぶ第三セクターローカル線が錦川鉄道です。最近、かつて首都圏で最後のキハ40系列であったキハ40形1000番台を購入して観光列車として導入することでも話題になっていますね。赤字続きではあるものの、沿線のマイレール意識が高いことから乗車率は低くは無く、廃線の話は聞かないそうです。
そんな錦川鉄道錦川清流線で活躍するのがNT3000形です。地方三セクでよく見かける単行ディーゼルカーのカタログ車両のような見かけですが、塗装が華やかですね。
窓上にはレタリングが施されています。
塗装パターンは4種類、こちらは緑色の車両です。
そして青色の車両。この他にも黄色の車両がいますが、あいにく錦町のピット内でおやすみでした。
車内です。茶色中心の色使いで落ち着いた雰囲気を持たせています。
ドアです。化粧板が貼れていない片開きのもので、国鉄時代から引き継いだ低床ホームに対応すべくステップがあります。足元にはご注意ください。
半自動ボタンも備わります。形状としてはJR西日本でよく見かけるタイプですね。乗り入れ先としては使い勝手が揃っている方がありがたいですね。
運転台です。地方ディーゼルカーらしくワンマン運転対応の半室構造となっています。満席の時は沿線の錦川をここから見るのも悪くありませんが、あまり邪魔にならないようにしましょう。
天井です。近年の地方向けディーゼルカーは本当に立派になったなぁ、と思わされます。ラインフロー式の冷房吹き出し口に送風補助のラインデリア、電車と遜色ない備えとなっています。吊革はロングシート上のみの設置となっています。
窓です。大型の窓で、日除けはフリーストップ式のものが設置されています。が、落とし穴はあるものでまた後程…。
それでは座席、まずはクロスシートから参りましょう。地方向けディーゼルカーではクロスシートといえばボックスシートが相場のようなものですが、ここではなんと転換クロスシートが搭載されています。
ものとしては、JR四国1500形と同一のものですね。座り心地の感想も同一で、背ズリの低さが気になりました。とは言え、岩国で接続するJR西日本の車両に搭載されている転換クロスシートよりも作り込みはいいと思いますよ。
しかし少しの背伸びはこんなところに影響が。車体自体はボックスシート前提のカタログ車両そのままなので、このように思いっきり柱が被る修行席も存在します。錦川鉄道では観光目的でビューポイントにおいて減速を行っているのですが、修行席があるのはちょっとなんだかなぁとは思ってしまいます。そこまで求めるのは酷でしょうか。
固定クロスシートです。こちらは形状的には223系2000番台に近いものがありますね。
背ズリは転換クロスシートと比べてやや高くなっていますが、背ズリ腰部分の盛り上がり方があまりイケてないように思います。
錦川鉄道の特徴は、折り畳み式のテーブルが設置されていることですね。
展開の図。通路側にはドリンク用の窪みが2つ開けられています。
ヘッドレストカバーには路線図と観光案内が書かれています。同時に観光減速区間も表示されています。誰ですか、「必殺15km/h制限」なんて言ってる人は(^^;; ただ少し残念なのは、滝の部分を除いて徐行の案内が一切ないこと。知らなければ本当に必殺15km/h制限と思ってしまいそうです。
ロングシートです。着席区分としてモケットに横方向にラインが入っています。袖仕切りは肘掛けを兼ねた板で、木目の化粧板を側壁に合わせて貼り付けています。座り心地は柔らか目で形状も悪くありません。景色が見にくいことを気にしなければ、ロングシートだからと言っていじけて座ることもないと思います。
トイレです。車椅子対応の大型トイレ、バリアフリー法によるものとは思いますがやっぱりカネかかっています。
岩国方の車掌台側は車椅子スペースとなっています。握り棒と固定用具、非常通話装置が備わります。
今後キハ40の観光列車導入により更に話題性が出てくる錦川鉄道、地元の利用も併せて利用客の維持・向上に繋げてもらいたいと思います。
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