名鉄3150・3300系 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。


「クロスシート需要」と「通勤需要」、この相反する需要は、長年名鉄の課題として取り組んできた悩みでもあります。その課題に新しい形、かつ単純な形で応えたのがこの3300系です。4両編成で小牧線の300系に引き続きステンレス車体を採用しており、本線系統でも結構銀色の電車を見かけるようになりました。申し訳程度に名鉄スカーレットが入っていますが、これを「名鉄の赤い電車」と呼ぶのには、ちょっと抵抗がありますよね。


そして、ほぼ同じ仕様の2両編成として登場したのが3150系です。3300系ともども長年に渡って増備が行われており、導入時期により車内仕様が若干異なる編成もあります。

 

で、近年登場した編成では外観のデザインが変更されており、前面下部の赤が増やされ、黒が追加されています。側面に目をやると肩部分に赤帯が追加されていますね。このデザインは先に登場した編成にも波及しており、全編成がこのデザインに変更されました・・唯一1編成を除いて・・。

 

で、オリジナルデザインで残された異端児がコイツ。名鉄の独立路線、瀬戸線に導入された3306Fです。瀬戸線の高架化工事に関連する増備で、4000系でなかったのは高架化工事完了後に本線系統へ振り替える目論見があるからかもしれませんね。

 


車内です。二つの需要に対して名鉄が出した答えは、車内の半分を転換クロスシート、もう片方をロングシートにすることにより、双方の需要に合わせて乗車してもらう場所を分けてもらうというものでした。
 
3300系は瀬戸線に導入されたこの3306Fから、3150系は全18本のうち3155F以降の全編成はオールロングシートとして登場しています。理由としては、この仕様をもってしても積み残しが多数発生し、通勤需要に耐え切れなかっただからだとか。名鉄の悩みはしばらく続きそうです。今回はセミクロス車を中心に取り上げます。

ドアです。これまでの車両がドアレールを設置したものだったのに対し、この系列からは今では一般的なドアレール無しのドアになっています。LED表示機は千鳥配置で二段式、上段に種別と行き先を、下段に各種情報を流します。中日新聞ニュースなども流れる優れものです。

 

で、途中増備分からはLCDディスプレイが搭載されるようになりました。片面のみの設置が運賃高めの名鉄らしいような気がします。

 


こちらはLED表示機が無いドアです。ドア上に非常コックがあります。無闇やたらに触られないようにしています。

車端部です。まずはクロスシート、一般座席と優先座席を有する車端部の両方をご覧頂いています。妻窓は相変わらず無し、仕切り扉は窓が大きくて見通しの良いものです。
 
そして優先座席を有する車端部です。片側を優先座席にしてしまうのは何ともセンスが無いというか何というか・・。

 


そしてこちらがロングシートの車端部です。クロスシートでは優先座席を片側に配置していましたが、ロングシートの部分はドアに近い区画両側に配置しています。やはり物理的にも視覚的にもこちらの方が広く感じます。


窓です。仕切り扉と運転台側の仕切り窓は着色ガラスとなっています。車掌台側は展望を考慮して窓が大きくなっており、直後に座席が設置されているため座りながらの前面展望が可能になっています。


天井です。クロスシート上のものを撮ってみました。この時代、クロスシート上に吊革が設置されていないのも珍しいですね。この辺り、名鉄って結構保守的な会社なのかも知れません。照明はカバー無しの蛍光灯です。

窓です。大型の二枚窓は展望にはもってこいで、パノラマカーの代替という面ではいい線行ってるのではないかと思います。しかしながら日除けは無く、着色ガラスで済ませています。正直「遮光性に優れているなんてどの口から出るの?」と思いますし、ロングシートならまだしも窓の方を向くクロスシートで日除けが無いというのは特に手落ちです。

 


座席です。まずはクロスシートから。転換クロスシートで、ドア横に衝立が設置されているため全席転換可能となっています。ヘッドレスト部分が分離しており、肘掛を見る分には全国どこでも見ることが出来るようなタイプとなっています。


車端部の優先座席です。一般座席がパープルなのに対し、こちらはピンク色となっています。座り心地ですが、最近のトレンドとなっているのでしょうか、かなり硬めです。これまでのパノラマスーパー1000系までの転換クロスシートに慣れていると一瞬言葉を失うものがあると思います。

車端部側のドア横の衝立には、戸袋窓部分にちょっとしたテーブルがあります。1000系時代からあるこのテーブル、最新型車両にもしっかり受け継がれています。ゴミの置き去りが心配になるのは私だけでしょうか。

 


続いてロングシートです。片持ち式バケットタイプで、ドア間は3+2+3の8人掛けです。その区切りとして境目にポールが入っています。かつてピンクやパープルに塗られたりしていたのですが、塗装剥げが激しかったのか現在は金属地のままとなっています。


車端部の優先座席を有する車端部です。2+3の5人掛けで、クロスシートの区画よりも定員が1名分減少しています。袖仕切りは日車標準、京成でも見ることが出来る大きさが中途半端な板状となっています。もたれかかるにしても立ち席と分離するにも大きさが足りていませんし、オマケにかつての肘掛を兼ねたタイプと同等の居住性を持っているとは言えません。ダメ。


最前面の2人掛けです。座り心地ですが、こちらもクロスシート同様硬めです。ただ形状は従来に近いものですので、首都圏を走るバケットシートの車両よりは安心して座ることが出来ると思います。ただ、座面下のシートヒーターの取り付け位置がなっておらず、脚、特にふくらはぎ部分に当たるように設置されていません。当然片持ち式でスルーになっている分風も通り抜けやすくなっていますし、冬はかなり厳しい環境になると思います。この辺りを、今年度増備の編成がどうなっているのかが楽しみです。


向かい側は車椅子スペースを兼ねた折り畳み座席が設置されています。座り心地?推して図るべし、過度な期待はするなよ、と。画像は肘掛が増設された車両で、これが無い車両もいるとか。

跳ね上げてみました。座面下に握り棒と車椅子固定用のベルトが備わっています。すぐ上には非常通話装置も備えています。

 

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