名鉄1700系 | 車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

名鉄でもトップレベルで散々な目に遭っている系列と言えるでしょう、1700系です。元々は全車特別車の3両編成を組んだ1600系として1999年に登場し、名鉄としては久々に展望席の無い実用性一辺倒な仕様で登場しているのですが、この時貫通路には「パノラマスーパー」のロゴが・・。一体どこにパノラマを求めているのでしょうか・・。登場後は支線区へ直通する全車特別車特急として運用されていました。しかし、2000系で運用されるミュースカイ以外の全ての名鉄特急を一部特別車とする方針に転換した結果、2008年に全車特別車の既存編成は運用を失うこととなり、豊橋方のク1600形が登場から10年も経たずに廃車されるという、JR東日本もびっくりな事件が起こっています。残された2両に関しては方向転換の上、なんと最新系列である2300系と混結して一部特別車の名鉄特急として運用に復帰しました。

 


しかし、2300系とは編成出力や加速度などを合わせることなく混結したためいわゆる「ドン突き」が発生し乗り心地が悪く、他系列と併結すると故障が多発するという単独運用時には見えなかった持病が発覚し、運転担当を困らせているようです。以上のように紆余曲折を現在進行形で経ている1700系ですが、この系列に試験的に搭載された空気バネによる車体傾斜装置(1700系化にともない撤去)は2000系にフィードバックされており、その功績は決して小さいものとは言えないでしょう。

 

近年名鉄では一般車・特別車問わず塗装の変更を進めており、1700系もこのようにかつての1600系に近い塗装となりました。

 

お、トップナンバー。

 

側面もこの通りですが、1700系のエンブレムステッカー自体に変更は有りません。



それでは参りましょう、デッキドアです。この系列からドアが両開きとなり、乗降の円滑化を図っています。しかしながら窓に関しては両方で一体的に見えるようなデザインとし、足元にも飾り照明を設けているのがオシャレです。


名鉄では一般車にも設置されていた鏡、特別車のこの系列にも忘れず設置されています。その後ステンレス車の一般車では姿を消してしまいましたねぇ・・。


ゴミ箱は飲料系とその他のゴミで分別されています。その他ゴミの口が横幅の制限を受けて狭くなっていますね。


トイレです。名鉄では初の洋式トイレで、車椅子対応となっています。全国的な流れとはいえ、以降の名鉄特急にも受け継がれた装備といえます。


向かいの洗面台です。なんとジェットタオルまで付いています。さすがにこの装備は後の系列には受け継がれませんでした。張り切りすぎましたね(苦笑)


車内です。1000系の落ち着いた雰囲気を受け継ぎながらも、各所を洗練した印象ですね。


仕切り扉です。仕切り扉は全面着色ガラス張りとしています。この仕様も2000・2200系にしっかりと受け継がれています。


天井です。カバーがかかった蛍光灯に、窓の柱部分にのみ飾り照明的な意味合いを持っている補助照明が入っています。柱が入ることによって暗くなる部分を補う気配りがあったのでしょうね。


窓です。2席に1枚が割り当てられています。日除けは横引き式のカーテンとなっています。この特別車らしい日除けを持つ車両はこの系列が最後となりました。


座席です。回転リクライニングシートで、1000系では見た目も凝ったものになっていましたが、この系列からは外観同様えらく実用的になりました。リクライニング角度は微々たる物ですが、乗車時間を考えればこんなもんでんしょうか。座り心地は柔らかめでフワッとしたクッション性です。


別角度から。欠点としては窓枠下辺が張り出しており、窓側の肘掛がほとんど使い物にならないことでしょうか。車体傾斜装置を搭載した結果車幅が狭くなっているために通路幅を確保しなければならなかったと思われますが、昨今の特急列車によく見かける、窓側へ寄せすぎの弊害が出ている最たる例です。一応全員着席を想定している特別車なのですから、もっとゆとりを持ってもいいのではないでしょうか。2000系以降では多少改善されましたが、それでも完全克服、というわけではありません。


車椅子対応座席です。基本的に指定されることは無いので、座席指定が出来ない特別車乗り放題きっぷ所持者が一番安心して座る事が出来る座席という皮肉。


リクライニングしてみました。肘掛は跳ね上がるようになっており、固定用のベルトも備わります。壁際には固定式のテーブルが設置されています。


最後に荷物スペースです。中部国際空港開港と空港線開通により後に改造されたものです。下段にはセーフティーバーが設置されています。

 

最近は荷物置き場もちょっとした変化があるようで。

 

壁面や一段目部分にステッカーが貼られ、案内が増えていますね。