JR北海道785系 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。


JR北海道の特急用車両と言えば、右のキハ283系のように、高運転台の直下に貫通路であったり、業務用スペースを持つ弾丸スタイルが特徴でありお馴染みになっているように思います。しかし、一部には例外も存在します。それが今回紹介する785系です。


JR北海道初の特急型電車です。ご覧の通り確かに高運転台ではあるものの、弾丸スタイルではありません。札幌と旭川を結ぶ「スーパーホワイトアロー」として登場し、後輩の789系が登場してからは名称を「スーパーカムイ」と変え長きに渡り活躍してきましたが、789系0番台の投入によりこの系統からは2017年3月以降は姿を消します。


前面のLED表示です。画像は懐かしの「スーパーカムイエアポート」。1時間に1本ではあるものの、快速列車として自由席でもリクライニングシートに座ることが出来たこの運用、札幌発着の快速エアポートのuシートの存在意義って一体・・。しかし、5両編成で全車リクライニングシート装備の2ドア特急形車両が需要の旺盛な快速列車(しかも同じく需要が旺盛な札幌-旭川間の特急からの直通)にぶち込むというのはかなり無理があり、混雑から来る遅延が絶えず、この直通運用は消滅しました。


こちらは特急「すずらん」に運用中の785系です。こちらは2017年3月以降も残りますが、運用は789系と共通でどちらが来るかは運次第となります。

 

かつて東室蘭-室蘭間は普通列車として運用されていましたが、全車指定席化に伴い全区間特急列車として運転されるようになりました。なお救済処置として、同区間については空いている席については乗車券のみで着席可能です。まぁ、気にしなくても座れますよ、ええ(毒)


さて、785系は登場当初4連であり、6連への増結用として2両編成が5本存在していました。その後指定席Uシート車である500番台を組み込み5連となった関係で6連への増結が行われなくなり、これら2連は順次2本増結の上500番台を組み込み5連を組成しました。その際、中間に入る運転台は不要となるため、画像のような中間車化が実施されています。車番や形式は一切改番されていませんが、画像のようにスカートや運転機器、ライトなどが全て取り払われています。


更に寄ってみました。立体的な先頭部をそのままに灯具類を撤去しただけなのでかなりグロいですね(^^;;  都合、この編成は指定席を除いた4両全てに乗務員室が存在するわけで・・。ちなみに、5本のうち4本はこのように再活用されましたが、余剰となった1本は苗穂に8年もの間放置された後・・(略)。


号車案内は時代でしょうか、プレート式です。2023年までは4号車の指定席車「uシート」以外は全席自由席として運用されていましたが、あろうことか「すずらん」を全車指定席にしてしまったことで、この表示も過去のものになってしまいました。


デッキから参りましょう、ドアです。北海道ではお馴染み、ステップが存在しています。足元にご注意ください。


ゴミ箱もしっかりスタンバイ。飲料系とそれ以外で分離されています。


トイレです。男子小用と多目的トイレが存在します。地味にドアの高さが異なっていますね(笑)


向かいには洗面所があります。


自動販売機も設置されていましたが、2017年3月以降は撤去されるとのこと。


携帯電話の通話スペースです。元々公衆電話が設置されていたのでしょう、撤去痕が残っています。



多目的スペースです。普段は施錠されていますが、利用の際は車掌さんに声をかけると鍵を開けてくれます。


最前面にあるデッキから。近年弾丸スタイルの先頭部を持つ車両のいわゆる「展望スペース」が立ち入り禁止となった今、デッキに立ちながら前面展望が出来る特急型車両としては貴重な存在となりました。


増結車を組み合わせた編成の運転台部分です。仕切り扉や貫通扉などで両側は閉鎖されています。デッキを移設するのにも手間と費用がかかるので、無くすに無くせないスペースなんでしょうね。


自由席車内です。座席が登場当初から交換されており、モケットの色調もあいまってちょっとした高級感を出していますね。。


デッキ仕切りです。化粧板は木目調となっています。仕切り扉の両側の淵が上部へ行くにつれて外側に広がっています。あまり見ないデザインですが、なかなかカッコいいです。ドア上にはLED表示機が設置されています。


天井です。暖色系の蛍光灯を使用した半間接照明を中央に配置しています。


この照明、通路側から見る分にはしっかりと間接照明になっていますが、座席に座るとこの通り、蛍光灯丸見えです。あまりいい気はしません。


窓です。2席に1枚が充てられています。日除けは横引き式のカーテンです。


座席です。789系と同様の回転リクライニングシートに改座されています。両側に張り出したヘッドレストがプライバシー性を図っています。


ヘッドレスト部分は柔らかい素材で出来ており、事実上のヘッドレストピローとして機能しています。モケットが少々滑りやすい素材だったのが気になりますね・・。


個人的に「おおっ!」と思ったのがこのセンターアームレスト。通常、センターアームレストと言えば窓側の座席と通路側の座席の間に設ける関係からグリーン車やこれ のような一部の普通席の座席を除いて狭いことが多く、アームレストというよりは両席との仕切りと言う方が良いように思います。しかし、こちらのセンターアームレストは取り付け部分こそ細いものの、背ズリに干渉しない部分からは幅が広くなっています。しっかり肘掛としての機能が生きています。感動。


車椅子対応座席直後はシートバックテーブルが物理的に使えないため、インアームテーブルが設置されています。画像のように札幌方を向いた時は、テーブルが2枚使えるというアタリ席となります。座り心地はリクライニング角度は抑え目な点はあるものの、普通車自由席としてこれと言ったダメな点が無い上々なものです。


珍しく座席脚台をクローズアップ。789系とは違い脚が「エ」の字をしており、下部は微妙に山なりとなっています。改座前の自由席にはバーレストがあったこともあり、お世辞程度ながらその無くなった付帯設備をカバーしようとした結果なのでしょう。


車椅子対応の1人掛けです。指定席に存在することが多いですが、785系では自由席にも対応席が存在します。


全展開してみました。この脚台などのフレームは全国様々なところで見ることが出来ます。


デッキとの仕切り部分は固定式のテーブルが設置されています。シートバックテーブルに比べて明らかにキャパが小さ過ぎます。ペットボトルを置くのが精一杯じゃないでしょうか。駅弁とかは置けないですねぇ。


続いて5両編成のうち4号車に連結された指定席、「uシート」です。まずはドアから。こちらも車椅子対応となっているため、ドア幅が急行型車両並に広げられています。ドアチャイムですが、なぜだかこの車両だけ700系新幹線と同じチャイムが鳴ります。なぜ統一しなかったのでしょうか…。


トイレです。車椅子対応の大型トイレとなっています。


仕切りをデッキ側より。窓が左側に寄せられており、さながら「u」の字に見えるように作られています。


車内です。指定席と言えどもこれでも普通車、自由席車よりも明らかに雰囲気は違います。何となく普通車とグリーン車の中間を狙ったような意図を感じます。


デッキ仕切りを今度は車内側から。製造年度が自由席車である0番台よりも遅いためか、デザインが多少異なっています。色調も明るいものになっています。


窓です。1席に1枚の割り当てで、もうちょっとしたグリーン車のようです。日除けはフリーストップ式のロールカーテンです。機能的には優れていますが、エクストラチャージがかかる車両としては疑問符が付きます。


それでは座席です。大きく張り出したヨーロピアンスタイルのヘッドレストがプライバシー性の向上を助けています。

大型で横幅も十分な広さを確保しており、座り心地も指定席車としては十分すぎるものです。札幌-旭川間のみでは少し物足りなさを感じる、「もう少し乗っていたい」と思えるような座席でした。


そして自由席車同様、車椅子対応の1人掛け席直後の座席はインアームテーブル付きとなっています。


インアームテーブル付きの座席に関しては、シートバックテーブルの背面色が異なっています。後述の1人掛けが関係しているのでしょうか?


座席背面にはコンセントが設置されています。シートバックテーブルのフレームと網ポケットとの間の狭い空間に見事に収まっていますが、これ、プラグの形状によっては使いづらい(下手すりゃ使えない)ことが想定されます。コンセントの設置位置というのはどこの鉄道会社でも苦慮するところではあります。窓側に設置すれば通路側の人が使いづらいですし、このように前列背面に設置すると窓側席の出入りを妨げてしまい、アームレスト部分は特に欠点は無いものの十分な幅を持っていないと設置できないという悩ましい案件ですね。


車椅子対応の1人掛けです。固定用のベルトが設置されています。この辺りの装備は自由席と変わりません。


全展開の図。基本的に発券ブロックがかかっており、とあるタイミングでブロック解除となるそうな・・。


デッキ仕切り際のテーブルは固定式、面積も狭く自由席と同等のもの、むしろ自由席のテーブルは木目の化粧板を貼っている分多少の高級感があります。こちらはえらくアッサリしていますねぇ・・。


荷物スペースです。指定席にのみ設置されているアイテムで、新千歳空港直通のエアポートスーパーカムイ充当にも対応した備えといえます。


自身登場時から活躍していた旭川系統からの撤退は残念ですが、「すずらん」として活躍する編成の一日でも長い活躍を祈りましょう。

オマケ

先述の余った増結編成ですが、なんと789系基本番台で運用される「スーパー白鳥」の増結用車両として改造されました。「編成美」という言葉を木っ端微塵に粉砕する程のキワモノ編成、先頭に立つ車両は萌黄色に塗装され完璧に「バッタ」状態、もう片方の制御電動車は前面窓も閉鎖の上スカートも撤去されておりなまらグロい状態、あのインパクトは忘れられません。結局函館運転所で待機している状態しか見る事が出来ず、未乗車に終わってしまいましたが・・。