JR西日本415系 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。



石川県能登半島へのアクセス路線、七尾線は、狭幅トンネルに対応するために直流電化とされました。それに合わせて導入されたのが、常磐線や北九州地区に増備された415系でした。


しかし、完全なる新製車両というわけではなく、かつて福知山地区に増備されていた113系800番台に、485系から撤去した交直流機器を搭載の上形式変更して登場させた究極の代物です。交直流機器を撤去された485系が向かった先は福知山地区で、形式は183系に編入されてつい最近まで走っていましたね。この一連の改造劇には、「113+485=415+183」という素晴らしいほどに間違っていない図式が完成する始末、更にもっとすごいのは、この車両の元となる113系800番台は、更に元を正せば全車両が113系の0番台、その中には「モハ112-12、15、18」など、113系でも最初期に製造された車両まで混ざっています。これらの車両は、まだ東海道新幹線も開通していない時代に登場した車両で、全車両がすでにアラ50、既に車齢50年を突破した車両も存在しています。これまで国鉄新性能電車に車齢50年を突破した車両はおらず、惜しくも50年を目前に廃車されるケースが多かった中、全JRグループで初めての快挙を成し遂げました。恐るべし、JR西日本金沢支社・・。


かつては下部を灰色、上部を先頭車は水色、中間車はピンクとしたオリジナル塗装をまとっていたのですが、つい最近全編成が輪島塗にされています。何だかんだ言って、地域別単色塗装の中で一番似合っているように思います。それを逆手に取ったか、ラッピング車両に選ばれることも多数あり、画像のようなラッピングが施されています。現在は七尾から津幡、津幡からIRいしかわ鉄道に入り金沢までの普通列車として運用されていますが、かつては急行「能登路」として走行したこともあります。


車内です。本当に種車が113系なのか疑わしく感じますが、転用に際して車内についても改造が行われています。


ドアです。本体自体は相変わらず化粧板が貼られていないものですが、右側に開閉ボタンが設置されており、半自動扱い時に操作できるようになっています。


車端部です。一般的なタイプとトイレを有する車端部をご覧いただいています。仕切り扉は窓がやや細長いものになっています。JR西日本では103系でも見ることが出来るため、割とポピュラーな改造といえますね。


そして、編成によっては仕切り扉がベージュ色となっている車両も存在します。こちらの方がメリハリがあっていいかもしれません。


最前面です。こちらは相変わらず国鉄テイストたっぷりとなっています。右側の仕切り窓は埋められてしまったようです。


天井です。種車登場当初は非冷房でしたが、後に冷房改造が行われています。


窓です。二段窓にロールカーテンタイプの日除け、ここは改造前とさして変わりません。


変わったところといえば、戸袋窓の下部にボカしが入っていることでしょうか。またなぜ戸袋窓に・・。



座席です。車内で一番大きく変わったところといえばここでしょうね。元々あったセミクロスシートを全て撤去、代わりに新設計のボックスシートをシートピッチ拡大の上搭載しています。同じような座席が、広島地区の115系に2両いましたっけ。かつて急行運用にも充当されていた車両らしく、ヘッドレストにはビニール製の常設カバーが付き、窓側にも肘掛があります。乗車時間が長くないからでしょうか、テーブルは設置されませんでした。


座り心地ですが、並み居るボックスシートの中でもトップレベルに位置するものではないかと評価しています。バケット形状も強すぎず、程よい柔らかさとなっています。とは言え横幅がややタイトなので、形状が合わないと悲惨かもしれません。取っ手と側面のフレームとの間には、黒い金具が取り付けられています。傘などを引っ掛けるにはちょうど良いかもしれません。使う場合は、降りる際に忘れないように気をつけましょう。


ボックスシート背面には、画像のような謎のファンが設置されています。撮影時にも扇風機のように回っていたのですが、何のためにあるんでしょうね?


トイレ横に関しては、従来のボックスシートが存置されています。位置的にもグレード的にもハズレ席となります。


車端部のロングシートです。413系と同じく、袖仕切りはアクリル製の風防を取り付けたものとなっています。413系と比べると角ばった形状であり、一体感をもたせたものになっていますね。


最近、優先座席のモケットが変更された車両が存在します。座り心地ですが、初期の113系らしい、背ズリが薄く切り立ったものとなっています。かつて急行運用にも使用されたということですが、ここに座っても徴収されるんですね、急行料金・・。「3ドア・デッキ無し・ロングシート」の三拍子って、料金を徴収する列車として一番あるまじき設備内容であると思っています。料金自体は「急行」という種別に課せられているものですが・・。


乗務員室直後は2人掛けです。


ドア横には、消火器とゴミ箱が置かれています。

ここの415系と言えば津幡を過ぎたら始まるデッドセクションの消灯が有名ですが、この系列の隠し機能として地味に有名なのが、配電盤手前にあるこの帽子掛け。

 配電盤が開いた際に邪魔になることから、このように跳ね上げることが出来ます。今であればこんなもの一切省略してしまうところですが、521系には帽子掛けすらなかったですね…。


中を見てビックリ、車歴を辿って更にビックリ。和倉温泉までのご利用に、一粒で二度おいしい415系800番台に乗車してみてはいかがでしょうか。あ、乗り換えが必要ですかそうですか(^^;;

 

 

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