JR九州キハ47・140形 「いさぶろう・しんぺい」仕様車 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。


熊本-吉松間の観光列車、「いさぶろう・しんぺい」号として運転されているのがこのキハ47形とキハ140形です。元々キハ31形の座面に畳を載せた「九千坊号」として運転されていたものを、キハ140形1両を特別改造を施して運転を開始したのが始まりで、好評であったことと増結が常態化していたことからキハ47形1両を同様の改造を施した上で2両編成としたものです。


通常はキハ47・140形の2両で運転され、繫忙期には予備車であるキハ47形をもう1両増結し、画像のように3両編成で運転されます。どうせなら種車が同じキハ47形2両で定期運用すればいいのにとも思うのですが、大人の事情があるのでしょうね。


種車のキハ40形と並びました。塗装が変更された以外にも、ヘッドライトが増設されています。


車体には至る所にロゴが貼り付けされています。これで誰が何をしたかはもうお分かりですよね。


トイレ部分には大型のロゴが。


サボもこの通り。2004の「4」だけなぜ白いのでしょうか・・。


旧来の行き先サボ受けにもしっかりとサボが入れられています。


キハ140形は、中央の窓が肩部から裾部まで拡大されています。


そしてその窓にも忘れずロゴが。2017年3月からは熊本-人吉間を特急、人吉-吉松間を普通列車として運転します。


それでは車内です。ええ、元々普通列車として登場したこの車両、いよいよ設備も変えずに特急料金を取るという暴挙に出ました。D&Sなんていう甘い響きもここまで来るとそのブランドですら太刀打ち出来ない程のぼったくられた感を味わうというものです。


キハ140形のドアです。元はステンレス地のままですが、赤の塗りドアになっています。これは813系辺りでも見ることが出来たので、JR九州では割とポピュラーですよね。整理券発行機がかなり現実世界的で浮いていますね・・。


こちらはキハ47形のドアです。両開きとなっています。なお両系列とも、低床ホームに対応するためステップが残っています。


キハ40形の最前面です。化粧板などは貼りかえられていますが、運転台直後の覗き窓などはそのままです。


こちらがキハ47形の最前面。車内販売のカートの転回場所のような使われ方をしています。


右上には前面展望用のテレビが設置されています。


天井です。こちらは大変貌を遂げており、かつて配管などで凸凹していたものがフラットになり、冷房も集中式となり吹き出し口も連続調となっています。また照明は蛍光灯から白熱電灯を思わせるものに変わっています。この辺りの徹底した改造はさすがです。


キハ47形の車端部です。仕切り扉は化粧板こそ黒色になっていますが、モノ自体は変わっていません。


窓です。二段窓は変わっていません。下段は開かないように固定されています。日除けは爪を引っ掛けるタイプのままですが、木の素材を生かしたすだれ状になっています。


座席です。まずはボックスシートから。座面と背ズリ下部はクッションがありますが、背ズリ上部は格子状の木製となっています。そういえばフレームも全て木で出来ていますね。座り心地は見ての通り、お世辞にも良いとは言えません。クッション性は見てからに期待できず、台車も元のコイルばね台車のまま、オマケに山奥の決して良くない路盤との組み合わせは「乗り心地」という概念は捨てるべきです。「この列車では黙って外の景色を楽しめ」、と。


ただ何が解せないかって、この座席が何を隠そう「特急列車の指定席」であること。何気にこの設備で申し訳無さもなく特急料金を取ったのはこの列車が初ではないかと。こんなもんで特急料金を取れるとは何ともおめでたいもので・・。ボックス間にはテーブルが設置されており、駅弁などを広げることもできます。個人的には、背ズリにもたれるよりも、前傾姿勢でこのテーブルに肘をついているのが一番ラクな乗車方法だと思います。


車端部はスペースの関係で2人掛けとなっています。前に突っ伏せばもう受験勉強中浪人生の居眠りそのものです(殴)


座席は全て窓がある場所に設定されているため、このような2人掛けも設定できないような場所は立ち席スペースとして改造されています。しっかりテーブルもありますね。この辺はさすがJR九州。ラウンジのような回転椅子など取り付けてみては如何でしょうか。


キハ47形運転台後方にあるロングシートです。「全席指定席」ではないため、指定券を持たない者はここなどに座ることになり、アナウンスでもここが自由席として案内されています。


しかし見ての通り、木の細い板で出来た背ズリと布を貼っただけの座面。しかも場所は台車直上。ただの拷問ですよ、これ。以前のロングシートをモケット貼り換えだけしとけばよかったものを・・。なぜでしょう、E231系辺りのロングシートが恋しくなってきました。


そして、ドア横ではこのような簡易腰掛が。ええ、ボックス席にあったクッションさえもないただの木製ベンチです。こちらも自由席ですが、戦後70年の現在、最も粗末な自由席を持つ列車と言えるでしょう。「黙って特急列車指定券を買え」、と・・。逆に、トロッコ列車などの観光列車は全席指定がセオリーなので、「どんな形であれ自由席は用意しました」という意図も見え隠れ・・。ちなみに普通列車区間では自由席は地元民優先座席でも有ります。地元の方が乗車された場合は席を譲りましょう。滅多に乗ってきませんが(^^;;


ドア横にはくず入れが置かれています。このタイプは九州ではけっこう見ることが出来ますね。


テーブルが設置された立ち席スペースです。ここで車内販売を行っています。


キハ47の車両中央立ち席スペースです。


ここのみ、柱に電灯が設置されています。


キハ140の立ち席スペースです。この車両のみ、窓が天井から床近くまで伸びています。


トイレです。箱自体は原型のままですが、化粧板が木目になっています。また中も洋式に変わっています。


指定席表示に、いさぶろうしんぺいのロゴ。


さて、こちらは多客時に増結されるキハ47 8159の車内です。多少時が経ってからの登場だからでしょうか、内装も一味違っています。


天井です。こちらは先に登場した車両と特に変わっていません。


車端部です。基本編成ではボックスシートが並んでいましたが、この車両はトイレ付きとなっています。


最前面です。基本編成では木目の化粧板でしたが、こちらは黒の化粧板で引き締まった印象です。


窓です。こちらも化粧板が黒になっています。


座席です。こちらは基本編成と同一品です。


2人掛けもこの通り。肘掛は固定テーブル設置による出入りの便を考慮したか、短めとなっています。改造前には無かった窓側にも肘掛が備わります。


ドア横の木製腰掛も忘れず備わります。


運転台直後のボックスシートです。この区画は窓割を気にせずに改造を行っているようで、シートピッチが他の席よりも広めに取られています。またモケットも他のボックス席と違いピンク色になっています。この席は指定席として販売されているのでしょうか。


車端部のロングシートです。こちらは恐らく自由席として開放されている場所と思われます。3両編成で運転されている時期で指定席を持っていない場合は、ここを陣取ると良いと思います。座り心地もまだ恵まれていますし、トイレも横にありますし←


ロングシート横にはフリースペースがあります。窓にも一工夫が加えられており、黒の化粧板に囲まれた中に絵が飾ってある少々大人の雰囲気です。


トイレです。こちらは車椅子対応となっており、中も洋式になっています。キハ40系列で車椅子対応トイレというのもあまりしっくり来ませんね(^^;; 入口のステップを超えられるかも心配ですが・・。トイレとドアの間には、ソファタイプのロングシートがあります。


車両中央部の立ち席スペースです。こちらも窓は拡大されていません。やっぱり、お金かかったんでしょうね・・。一部自由席を含んでいるということもありそうです。


中央部のランプです。基本編成とは形状が異なっています。やはり、化粧板が黒になると雰囲気が全く違いますね。


前面展望用のテレビは化粧板に合わせて黒色になっています。


広告枠には絵が飾られています。


もう一つの広告枠には、走行区間の名所や見所スポットがかかれています。


2017年3月からそれはもう物議を醸しそうな運転体系となりそうですが、登場から10年を過ぎた今、そろそろリニューアルの頃合いかもしれません。