JR東日本701系 | 車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

現在、東北の電化区間では3つの形式が快速・普通列車として地域輸送を支えています。そのステンレス3兄弟の次男坊がこの701系です。

 

北東北地区の客車列車や、仙台地区の伝説の食パン電車の端くれである715系1000番台の置き換えとして導入され早20年が経とうとしています。中にはこのように5両編成での運用も存在したり。

 

東海道本線の静岡地区と並び、青春18きっぷで移動する際に特に恐れられている地域といえば東北地区の電化区間ですが、その主たる原因がこの系列といえます。なんせコイツが東北に行けばまぁ見ない日は無いという位にうじゃうじゃいる訳で‥。

 

外観は恐ろしいほどシンプル、そして中は・・。思い出すだけでも頭が痛くなる人も多いのではないでしょうか。こちらは秋田・青森地区で活躍する基本番台、0番台です。

 

というわけで車内です。3ドアロングシート、広々した車内はラッシュ時に威力を発揮するものの、200km以上を走り抜く運用もあるというくらいですから、これで数時間過ごすことを考えると軽く欝が入りそうです。そして、首都圏で走る209系をベースにしているため、やはりどこかその雰囲気を感じることが出来ます(悪い意味で)。

 

ドアは常時半自動扱い、開閉ボタンが備わります。

 

外側には開けるのボタンがあります。横に貼り付けたステッカーはもう色あせていますね・・。

 

近年、ボタンを大型化し、周囲にLED灯を仕込んだタイプに交換された編成もいます。このボタン自体はJR東日本のみならずあちこちで見ることが出来ますね。

 

外側もこの通り。しかし相変わらず横のステッカーは交換されていません。

 

車端部です。化粧板がラベンダー色になっていますね。

 

座席です。文字通りロングシートとなっており、ドア間は12人掛けです。この系列が18きっぱーに嫌われる最も大きい理由がこれですね。袖仕切りは標準車体共通の大型袖仕切りそのままです。冬季は半自動と言えどもドアが開くことはあるわけで、果たしてこの袖仕切りで風を防ぐことが出来ているのかどうかとても不安です(多分、出来ていない・・)。

 

優先座席とセットになったタイプです。片持ち式ではなく座面の下が埋まっている少々前時代的な構造のため、冬季に足元を寒風が通り抜けるという悲劇は起こりにくいのは数少ない配慮といえます。

 

車端部の3人掛けです。壁や袖仕切りに挟まれたショートな空間となっております。

 

かつては一般座席と同じモケットだったのでしょうか…。

 

特急列車が消えた奥羽本線の新庄-大曲間の輸送サービス改善を図るべく、3編成にクロスシートへの改座を行っています。配置としては四国で見られる点対称配置となっています。全部これにすれば、東北の移動も快適になると思うのですが・・。

 

ドアです。化粧板なんてものは貼られていません。この車両、ボタンを押してから開くまでが長いんですよね。「早よ開けろ」と思ってしまうのは逆に田舎時間に追い付けていないのでしょうか。

 

トイレを有する車端部です。時代的にもバリアフリーが当たり前で無い時代、一応設備はありますが手探りで設置してみた感がありますね。

 

最前面です。運転扱いしない後ろの車両では車掌台側への立ち入りが可能ですが、積極的におススメはしません。運賃表示機がLCDディスプレイに交換されていますね。

 

座席です。改造されたクロスシートを見ていきましょう。

 

背ズリはクロスシートとしては低め、「横向けたからいいでしょ?」と言わんばかりのものです。座り心地はクッション性はあまり有りませんが、近年の標準車体勢の破綻したヘッドレストに比べればまだ食えるもんですね。

 

窓側には収納式のドリンクホルダーが備わります。

 

展開の図。しっかり4人分のポケットがあけられています。

 

トイレです。中は洋式に改造されています。車椅子非対応なのは時代の壁でしょうか。

 

向かい側のフリースペースです。ベビーカーマークは最近追加されたものでしょうね。握り棒とヒーターが備わります。

 

秋田新幹線化により改軌された田沢湖線に導入された701系は5000番台で区分されており、テールライトの配置が異なっています。

 

ドアです。この番台は完全ステップレスとなっているのが特徴ですね。実際、ホームも東北本線等とは異なりかさ上げされた新しさはありますが・・。

 

このグループもクロスシートを搭載しています。さすがに観光路線も兼ねていますからね…。

 

実はこちらの方が先に登場したためシートピッチがやや狭く、ドリンクホルダーもありません。この辺りの割り切りにやっつけ仕事感が漂いますが・・。

 

ロングシートは…まぁ変わりません。

 

こちらは仙台地区で運用されている1000番台。帯色が異なる以外は先述の0番台と変わりません。

 


最近はE721系と併結され、仙台地区では詰め込み担当として使われることが多いですね。九州もそうですが、異なる需要に対する答えがようやく出せるようになって来たんだろうなと思います。相変わらず仙台を基準にして東北本線の末端区間ではロングシート地獄の代名詞的存在ですが・・。


車内です。座席モケット以外は特に違いは見られません。こちらはクロスシート改造車はおらず、クロスシート担当はE721系が担うこととなります。


ドアです。化粧板は貼られていません。寒冷地東北、冬季は特に冷たくなりそうです。登場時から半自動化されており、右側にボタンが設置されています。また、この系列ではまだステップが残っています。足元には注意しましょう。
 

近年は開閉ボタンの改造も行われています。秋田地区とは異なり、内側は開けるのボタンしか点灯しませんね。



車端部です。何を思ったのか、仕切り扉は両開きとなっており、その間口はかなり広めです。ワンマン運転時の通り抜けを考慮したからでしょうか。


トイレのある車端部です。化粧板は温かみを持たせたかったのか、妻面とトイレのみ折りたたみ式の会議机のような木目調となっています。しかし周りがFRPで固められた窓などプラスチッキーな部分が多いことや、仕切り扉がギンギラギンになっているためにどうも安っぽく浮いて見えます。同じ妻面の木目調となっている117系を見ていているとその中途半端さは明らかです。そちらは時代背景が違いますが。


運転台部分です。ワンマン運転用の運賃表示機も設置されています。画像は4両編成以上の運転時に見られる中間に入っているケースです。この場合他の地区と同様にワンマン運転時は車掌台側は解放される作りとなっています。昔からかっ飛び運転で有名な東北本線、ダイナミックな後方展望を楽しむのも悪くありません。


天井です。蛍光灯はカバー無し、取材当時は一部が抜き去られていました。元々首都圏より本数が少なめな上で抜き去りを実施しているため、曇天や夜間の運転では特に暗く感じましたね。枕木方向にラインが入ったユニット天井となっていますが、首都圏とは違いラインデリアはありませんので、夏場の昼は暑くなります。


窓です。四隅が丸い窓はやはり首都圏では見慣れたもので、日除けは省略されています。オマケに着色窓とは言えない位に直射日光をダイレクトに受けることが出来ます。まさか着色を薄くしていたり、下手をしたら何もしていない可能性も・・。首都圏でも日除けの省略は酷い手抜きだと思いましたが、更に上を行くものが存在していたとは・・。


座席です。モケットがピンクをベースにしたものになっています。座り心地は悪くはありません。近年の標準車体のダメな背ズリよりはよっぽどゆったりしていると思いますよ。


整理券発行機が設置されたドアです。モノはどこにでもあるオレンジのタイプです。以降に製造された車両は209系タイプで、本来なら近距離利用が最適な座席をお構いなく持ってきていることを考えると、まだまだ救われていると思います。ただ個人的にこの袖仕切りはもたれることが出来る以外は好きではありませんし、その袖仕切り以外に休まる区画が全く有りません。間に肘掛を挟むなど、長距離を走り抜くのであればそれ相応の設備を備えて欲しいところではあります。


トイレのある車端部に近いドアを挟んで向かいにある座席では、3席が優先座席に設定されています。かつては灰色のモケットを用いていましたが、現在ではJR東日本共通のモケットに貼り替えられています。


車端部の3人掛け優先座席です。大型袖仕切りと壁に挟まれた、妙に狭い空間ですね。


トイレです。先述の通り木目の化粧板が貼られていますが、ドア部分だけなぜケチるかなぁ・・。ちなみに中は平成初期という時代を反映してか、和式となっています。


トイレ向かいの車椅子スペースです。付帯設備は握り棒とヒーターで、冬季でもある程度安心して利用できるようになっています。また、妻面にはゴミ箱も置かれています。

 

お次は奥羽本線の山形-新庄間の山形新幹線化に伴い、標準軌用普通列車車両として登場した5500番台です。

 

5000番台と同様、テールライトは上部に移っています。板谷峠超えはさすがに厳しいのか、普段は山形盆地内の運用に留まっております。

 

車内です。5000番台とは異なり、クロスシートはなく1000番台をベースにした全車ロングシートとなっています。あの辺りは中規模都市が点在しており乗車時間も短いので、これでも問題ないのでしょうね。

 

ドアです。5000番台同様、こちらも完全ステップレス化されています。

 

異なる点といえば、トイレがバリアフリー対応で大型化されたことですね、結構がっつり空間使っています。なお、仙台地区にも1500番台としてこのトイレを装備する編成も存在します。

 

最後は盛岡地区で活躍する編成です。帯色が異なっていますね。

 

車内です。モケットを外観の帯色と同じパープルにしてメリハリを持たせています。しかし盛岡地区の普通列車は他線から直通してくる気動車以外は全てこれ、諦めを以て耐える他ありません。

 

ドアです。東北本線系統らしくステップは残っております。またここのグループはイエローラインが追加されていますね。

 

ドアボタンは更新されていませんが、ステッカーを貼り付けて案内を強化しております。

 

座席です。モケットは変わっても座り心地自体は変わりません。

 

フリースペースです。ゴミ箱の形が所属する電車区ごとに違うのが面白いですね。