JR西日本113系 きのくに線 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

103系でしょうか? いいえ、113系です。元々はどこにでもいる113系のモハユニットの一つでしたが、紀勢本線の御坊-紀伊田辺間のワンマン運転化に伴って、JR西日本のお家芸、食パン化・・もとい先頭車化改造により登場した車両です。

 

前面はもう完璧に103系顔となり、雨どいの埋め込みによる張り上げ屋根化などが行われており、側面窓配置くらいしか種車を思わせるものが無い程の変貌ぶりとなっています。何やら改造前にも、最後の関西線塗装(通称春日色)をまとった車両として注目を集めていたようで・・。

 

車内です。この車両 で見られた気合はどこへ行ってしまったのか、大改造された外観とは裏腹に車内はほとんど原型に近いものとなっています。あ、競合相手がいないからですかそうですか(^^;;

ドアです。化粧板が貼られていないドアは相変わらずですね。

こちら整理券発行機のあるドアです。開閉音はなかなか静かになっており、この辺りは改善が図られています。

 

車端部です。座席については全く手をつけられていません。妻面の化粧板はJR西日本が大好きなベージュ色に貼り替えられています。

 

トイレのある車端部です。113系に車椅子対応の大型トイレが設置されているのはこの車両くらいのものじゃないでしょうか?(^^;; 鍵をかけると画像のようにお知らせ灯が点灯します。向かい側は車椅子スペースとなっています。

仕切り扉です。関西ではお馴染みの窓が大きいものに交換されています。


最前面です。普通、先頭車化改造車と言えば、ドアより先の車端部を切り取り先頭部と乗務員室を取り付けるという形なのですが、JR西日本ではその手法が少し異なり、妻面に近い部分のみを切り取り、前面化、乗務員室扉や運転機器の設置となっています。要するに、出来るだけ無駄を省き改造コストを下げるような改造方法を取っています。乗務員室仕切りも後付け感満載であり、これだけ「ただ必要最低限仕切りました」と言わんばかりの乗務員室仕切りも珍しいです。上部には運賃表と、運賃収受方法がデカデカと設置されています。

上部をアップで。天井部分にまで仕切りが届いておらず、乗務員室区画上の冷房吹き出し口や蛍光灯までほぼそのまんまというお粗末さです(^^;;

その後運賃表示機はLCDディスプレイタイプに置き換わっており、運賃収受方法が書かれた表示も無くなっていますね。前面に立つときは、仕切り扉を開き、運賃箱を引き出してセットします。

 

天井です。雨樋は埋め込まれているものの、空洞形状はそこまで変わっていません。照明もカバーは省略されたままで残されています。

 

窓です。日除けは爪を引っ掛けるロールカーテンタイプで、生地が交換されています。構成自体は変わりませんが、ちょこちょこと変化は有りまして‥。

ドア間中央の二枚は下段固定、上段上昇の二枚窓です。黒サッシで引き締まった印象です。

区間によってはこのようなオーシャンビューも臨めます。ちなみに窓枠部分が拡大されていて、ペットボトル程度のものなら置くことも出来ます。
 

座席です。改造費用をケチったのか、セミクロスタイプのボックスシートのままで残されています。紀伊田辺から先、新宮までの3時間半程をロングシートで過ごさないといけないことを考えると、まだ恵まれたほうですが・・。

優先座席です。緑のカバーをかけたちょっぴり豪華仕様です。

 

車端部のボックスシートは横幅がやや切り詰められており、取っ手も省略されています。

 

ロングシートです。肘掛けには非常用のはしごが設置されており、津波対策が施されておりました。背ズリに多少の角度が付けられているものの、やや硬めなのは国鉄時代のロングシートの共通項ですね。

ロングシートの優先座席です。元々は茶色地にピクトグラムだったと思うのですが、現在は視認性向上のためか、緑地となっています。現在113系に急速に広まりつつありますね。

阪和線にATS-Pが導入されたのを契機に、この113系にも機器を搭載することになりました。しかし乗務員室はあの通りでスペースを確保できなかったため、ドアを挟んだ直後のロングシートを2席潰して機器を積んでいます。フレームはどうしても弄れなかったのか、袖仕切りやポールはそのままとなっています。ちなみに隣のボックスシート上の網棚にも機器が乗っかっている為、荷物はここに置くことになりそうです(^^;;

 

思えば225系の増備に伴い、和歌山地区に残る最後の113系でした。個人的には紀伊田辺‐新宮間で走る105系2本と運用を交換したほうがいいと思っていたのですが、227系1000番台に置き換えられることで終焉を迎えることになりました。お疲れ様でした。

 

 

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