今年1月中旬、生まれて初めてクロスカントリースキーの板を購入した南魚沼市議会議員の黒岩揺光です。
(新しい板で滑る私)
今回のブログは、そんな私が、2月18日に全日本選手権2位の選手が出るようなガチの大会に出場した体験記です。
クロカンが好きになったことは以前のブログで書きましたが、最初はレンタルの板で滑っていました。毎回500円でレンタルができるのですが、レンタルの板だと、どうしてもあまり滑りが良くありません。クロカンの板は色々種類があるのですが、初心者は「鱗スキー」といって、板の裏にボツボツした魚の鱗の様なものがあるものを使います。鱗があるおかげで、滑りすぎず、安全に滑れるのです。
しかし、その代わり、速くは滑れません。下り坂になると、他のスキーヤーに一気に越されてしまいます。どうせなら、もっと速く滑りたいと思うようになりました。
毎回500円払って鱗スキーをレンタルするなら、2~3万円で良い板を買って、数年使ったほうがいいと思い、十日町市のエビスヤスポーツに行って、思い切って買ってみました。1月中旬ということもあり、私の身長に合うフリースタイル用の板は一つしかありませんでした。アトミックのProという板です。板、金具、靴、ストック、全部合わせて6万円くらいしました。
高い!!
でも、数年間クロカンをやって、冬を満喫できると思えば仕方ないと思いました。
購入してすぐに欠ノ上クロスカントリー場に行って、試走を試みましたが、金具の開け方がわかりません汗。
コースにいる人たちや管理人に聞いてもわからず、仕方なく、レンタル板で滑りました。
すると、小学校のスキー授業に引率にきていた女性の先生が金具の開け方を教えてくれ、ようやく、新しい板で滑ることができました。
滑り出して、驚きました。
まるで、スケートリンク場をスケートで駆け抜けるような気分でした。
それまでのスポーツとは全く別のスポーツをしているような感覚。6万円の価値は十分にあると感じました。
雪の上を滑っている。
滑れば滑るほど、クロカンが好きになっていきました。道具を変えるだけで、同じスポーツなのに、これほど楽しさが倍増するという体験は初めてでした。自転車でも、ママチャリから、クロスバイク、クロスバイクからロードバイクに変えたとき、楽しさは一変しましたが、クロカンほどではありませんでした。
↑が、新しい板で滑り始めたころの私です。
そこで、市が主催している2月18日のノルウェー大使杯に参加することにしました。
私みたいなクロカンの板を持っていなかった人でも大会に出て楽しむことができるということを市民に知らせることができれば、クロカン人口も増えていくのではないかと思いました。
「前のブログでスウェーデンで90キロのクロカン大会に出たって、書いてたじゃないか?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、それは20年以上前のことです。その大会だって初心者が履く「鱗スキー」の板で出ました。鱗がついていない板でクロカンするのは今年が初めてです。中学ではアルペン部で、クロカンはほとんどやってませんでした。
大会3日前、出場選手名簿が自宅に送られてきて、驚きました。南魚沼市出身で、全日本選手権で2位になった羽吹唯人選手などが参加するようです!地元のラジオ「FMゆきぐに」で、毎日の様に、羽吹選手が紹介されているので、名前は知っていました。
羽吹選手は成年Aの部で、私が参加する成人Bの部は40歳以上の男性だけで、11人が参加。
うーん。緊張しますねー。ノルウェー大使杯を動画で検索すると、凄い選手がたくさん出ているイメージです。
板を購入したのが初めてですから、当然、板にワックスを塗った経験もありませんでした。
動画でワックスの塗り方を学び、知り合いから道具を借りて、欠ノ上クロスカントリー場のワックスルームで板の手入れをしました。
すると、欠ノ上クロスカントリー場に滑りに来る高校生や指導者たちが、優しく教えてくれました。
指導者の方が、大会当日は本番用と練習用、2本の板があるといいから、1本の板を貸してくれると言います。
もう涙が出そうでした。
2月18日、大会当日は最高気温が20度という異常な暑さでした。
私は上下夏用のスポーツウェアにしました。
欠ノ上クロスカントリー場に午前8時15分ごろつきました。この日は妻が仕事のため、長男と次男を連れていきました。
開会式が8時半からです。
林茂男市長に挨拶に行きます。5歳の次男を抱えていくと、林市長は「滑るんか?グッドラック!」と次男にハイタッチをしてくれました。
開会式では東京のノルウェー大使館からノルウェー大使も出席され、挨拶をしてくれました。
午前9時ごろ、祖母が会場に到着。私がレースに出ている間、子どもたちの世話をするために来てくれました。子どもたちは雪で楽しそうに遊んでくれています。
午前9時半、レーススタートです。
中学生男子。成人男子の順です。15秒間隔で、1人ずつスタートしていきます。私は43番で、9時50分ごろのスタート予定でした。
成人Bがスタートし、私のスタート時間がいよいよ迫ってきました。
42番の方がスタートし、私がスタート位置に入りました。
その時、「黒岩さん!黒岩さん!」という声が遠くから聞こえました。
その方を向くと、林市長が「黒岩さん!頑張って!」と来賓席から声を出してくれていました。
私は感動し、深々と頭を下げました。やはり、この人の人間としての器は私よりも何倍も大きいと感じました。
林市長からの声援のおかげで、一気に気分が盛り上がり、「ぴ、ぴ、ぴ」と私のスタートまで3秒となり、「よっしゃ!」と大声を出して、スタートしました。
「43番、黒岩揺光選手、南魚沼市議会スタート」とアナウンスされました。
思い切り腕を振り、ストックで地面を突き、スケートの様に足を交互に進めます。
最初の登り坂でかなり息切れをし、下り坂で何とか体力の回復を図り、また登り坂で息切れをします。最初、2人を追い越しましたが、1キロほどで、後ろからもの凄いスピードでやってくる方たち2人に追い越されました。
最後あたりでも、1人に追い抜かれ、何とかゴールしました。
「43番、タイム、9分40秒」とアナウンスされました。
このタイムがどれくらい速いのかわかりませんでした。
11人出場して、私が6番目か7番目のスタートで、2人を追い越し、別の3人に追い越されましたので、自分がどの順位なのか予想ができませんでした。2人を追い越したのでビリではないが、3人に追い越されましたので、3位いないでもありません。
まだ午前10時です。これから女子と小学生の部があり、閉会式は正午です。
それまで子どもたちと待ち続けるわけにもいかないので、少し速いですが、子どもたちとかっぱ寿司に行きました。
「パパを応援してくれたお礼にかっぱ寿司に連れていく」という約束でした。
午前10時半にかっぱ寿司で食事をし、午前11時半ごろ家に帰り、着替えをし、正午前、会場に戻りました。
掲示板に結果が出ていると思ったのですが、小学生の部しかなく、成人の部の結果は既に外されていたようです。
結局、自分が何位なのかわからないまま閉会式となりました。
閉会式では、中学生男子の結果から発表されました。1位から順に呼ばれ、表彰台へ行き、賞状をもらいます。
成人Aの部では、当然、羽吹唯人選手が1位でした。
成人Bの結果発表になりました。
1位。2位。3位。と発表されました。
子どもたちには6位までが表彰されることを伝えてありました。「パパの名前が呼ばれるかな?」と子どもたちはドキドキしています。
4位、5位と名前が呼ばれ、「パパじゃないねー」と子どもたち。
そして、「6位 黒岩揺光選手」と言った瞬間、私は「うわー」と声を上げてしまいました。
え? 6位?
先月、板を買ったばかりの私が、11人中6位?
というわけで、表彰台に立たせてもらいました。
翌日、結果が市のホームページで公開されました。
7位以下とは大分差をつけての6位でした。しかも1位から5位までは、全員市外からの参加で、何かしらの所属があるようですね。
林市長からの表彰状です。
全体の結果を見て気になったのは、ほとんどすべてのレースで市外の参加者が上位を独占しているということです。欠ノ上クロスカントリー場という素晴らしい施設があるにも関わらず、市内の方たちがトップを取れていません。もっともっとクロカンの素晴らしさを市民に共有していきたいと思います。
そして、来年はさらにタイムを縮められるように頑張ります!林市長、応援ありがとうございました!
皆さんもクロスカントリースキーやってみませんか?楽しいですよ!
欠ノ上クロスカントリー場の利用料は1人300円。道具のレンタルは一式で500円。手ぶらでクロカンを楽しむことができます。5キロコースがあるのは県内では2か所だけです。是非、雪があるうちにお出かけください!