若手花形の娘道成寺
1月の歌舞伎座で上演された、「京鹿子娘道成寺」。1月前半は中村壱太郎さんが、後半は尾上右近さんが踊りました。壱太郎さんバージョンは、お正月のテレビ番組で生放送され、視聴しました。今回は、右近さんバージョンを配信で視聴しました。右近さんは女方だけでなく立役も演じる、「兼ねる役者」を目指されています。この舞踊でも「鐘に恨み…」を、より直接的に感じる踊り方と受け取りました。右近さん自身の情熱を感じます。(ラストの鐘に上がるシーンは、これまで観た誰よりも、一気に駆け登っていました。)一方、真女方の道を進む壱太郎さんは、たおやかな舞い振り。「鐘に恨み…」を秘めながら、華やかな中にも、やるせない哀しさを表していました。それぞれの持ち味を感じられる「娘道成寺」でした。尾上右近×中村壱太郎このお二人は、2月には「心中天網島」の徳兵衛・お初。3月には、「河庄」の紙屋治兵衛・小春、「将門」の光圀・滝夜叉姫です。