〈秀山祭千穐楽⋅⋅⋅そしてレジェンドたちの活躍〉

歌舞伎座の秀山祭九月大歌舞伎。
今日が千穐楽。



中日過ぎに
吉右衛門丈急病のハプニングがありましたが、
3日休演し復帰されました。

吉右衛門丈、今回は「沼津」の十兵衛、
「寺子屋」の松王丸、
出ずっぱりの重い2役を勤められました。

私は昼の部の「沼津」しか拝見していませんが、
温かみ、懐の深さを感じる十兵衛でした。




また夜の部では仁左衛門丈が1日おきとは言え、
「勧進帳」の弁慶をお勤めになりました。



今、70代半ばとなったこの世代の、
充実した舞台を見ることができるのは、
幸いなことです。


尾上菊五郎丈、
松本白鵡丈、
中村吉右衛門丈、
片岡仁左衛門丈、
⋅⋅⋅そして、2013年にお亡くなりになった
市川團十郎丈。

彼ら世代は、30、40代の若い頃から、
大きな役を演じてきました。

少し上の世代には立役は少なく、
歌右衛門、梅幸、先代雀右衛門、先代芝翫
などの女方が綺羅星のごとく⋅⋅⋅

こういった先輩女方の胸を借りる、
といった形で演じてきた様々な役が、
今、さらに豊かに実っています。


この世代の方々が近年演じる役々は、
まさに集大成といったもの。
今年に入ってから
歌舞伎座で演じられたものについて⋅⋅⋅

菊五郎丈。
2月「暗闇の丑松」丑松
4月「御存鈴ヶ森」白井権八
5月「め組の喧嘩」辰五郎
そして、10月には「お祭佐七」、
11月には「髪結新三」を演じる予定。

白鸚丈。
1月「一條大蔵譚」一條大蔵卿
3月「傾城反魂香」浮世又平

吉右衛門丈。
1月「絵本大功記」武智光秀
2月「熊谷陣屋」熊谷直実
4月「御存鈴ヶ森」幡随院長兵衛
6月「梶原平三誉石切」梶原平三
9月「沼津」呉服屋十兵衛
  「寺子屋」松王丸

仁左衛門丈。
3月「盛綱陣屋」佐々木盛綱
4月「実盛物語」斎藤実盛
6月「封印切」亀屋忠兵衛
9月「勧進帳」弁慶

この4人プラス、
やはり70代になった中村梅玉丈の活躍。
喜ばしいことですし、
次代に伝えていってほしいと強く願います。