医療保険の話であれば、この本を紹介しておくべきだと思う。ベストセラーなので、ご存知の方も多いかもしれない。
- 医療保険は入ってはいけない!/内藤 眞弓
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昨日、医療保険に入らないというのも一つの合理的な選択肢だと書いたが、内藤眞弓氏の主張もそれに近い。
内藤氏は、まず公的医療保険での給付制度(高額療養費制度など)の優秀さを知り使い切ることを勧め、民間の医療保険がどの程度必要なのか問いかける。
次に、民間医療保険の付加保険料(昨日の記事を参照)のことや、入院や手術をしても給付金をもらえないケースを紹介するなど、その限界と弱点を指摘した上で、それでも民間医療保険に入るならばほどほどにし、貯蓄を増やすべきと解く。
ほどほどの考え方として、例えば、入院日額は5,000円を一つの目安とし、患者の平均在院日数は短縮の方向であることから1入院の限度日数が短い終身タイプか、貯蓄が少なく長期入院になったら不安であれば共済のような1入院限度が長い定期のタイプを勧めている。
過度に不安を煽りがちな保険会社の広告等に惑わされず必要な保障について考えることを促す良書だと思う。
ただ、この本も出版されてから約3年が経過、その間に医療保険の保障内容や保険料もかなり変化しており、「ほどほど」に加入する商品の選択については、やや異なる見解も持ってきている。
まず1入院の限度日数について考えたい。「保険料を節約する為に、1入院の限度日数は短く」というコメントは雑誌や新聞上で多く見かける機会があり、今や半ば常識のようになった感もある。
ところが、保険が有効なのは、多くの人が少額づつ負担することで大きな経済的損失に備えられるという点だ。困った時にあまり足しにならないような金額しか受け取れない加入の仕方では、その意義は薄くなる。それならば通常の確率では損する保険というものに入るメリットはどこにあるのだろうかと。。。
30日のタイプでは一度の入院で受け取れるのは最大で5000円x30日=15万円の入院給付金に通常5~20万円の手術給付金だけであり、長期入院で貯蓄でカバーしたり一時的に借りることが厳しいような事態になったとしたら、あまり助けにならないと感じる人の方が多いだろう。倍の60日でもどうだろうか。
そもそも、1入院の限度日数を短くすることの節約効果は疑問だ。例えば、私が最近多く試算している某社の医療保険で、保険料を算出してみる。
■某社医療保険 保険期間・払込期間とも終身 入院日額は5,000円
月払い保険料:30歳女性 1入院60日 1,400円、1入院120日 1,585円
35歳男性 1入院60日 1,640円、1入院120日 1,880円
1入院の限度日数を60日から120日と倍にしても、保険料はわずか月に185円と240円の差でしかない。この金額差だと知った上で皆さんはどう考えるだろうか。
医療保険に加入するのに、節約を考えるあまり目的を忘れてはいないか。長期の入院で経済的に厳しくなることを防ぐためではないのか。保険料との見合いで良く考えたい。
この続きはまた次回に。
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