前回の記事で書いた通り、フラット35はいまだにかなり有利な固定金利型の住宅ローンであることは間違いありません。しかしながら、一部の民間商品に比べると総支払額(元本・利息・諸費用の総額)が1番少ないとは言えないケースも多くなったのです。
しかしながら、いまだにフラット35を勧められることが多い理由の1つとしては、生命保険の販売につながりやすい点もあるのではないかと思っています。
フラット35では団体信用生命保険(ローンを借りた人が亡くなった場合、ローンを精算し残高をゼロにしてくれる保険)への加入が強制ではない代わりに、保険料を金利とは別に支払う必要があります。
団体信用生命保険では加入者の年齢や性別、たばこを吸う吸わないとは関係なく、保険料は一律です。一方、民間の保険ではそれらの条件により保険料が異なるため、一定の条件が揃えば「収入保障保険」や「逓減定期保険」といった保険に加入して、住宅ローン残高分の死亡保障を確保した方が安い保険料で済むことがあります。従って、フラット35を借り入れて、住宅金融支援機構が提供する団体信用生命保険の代わりとして民間の収入保障保険に加入することで、総支払額をかなり抑えることができる場合があるのです。
昨年のフラット35Sの金利1%引き下げ、その後のフラット35Sエコと、固定金利型の住宅ローンとしてフラット35が優位性を保っている期間、私自身もお客様のメリットがある場合は、この方法を紹介していました。また、私が講師を務めるファイナンシャルプランナー向けの実務セミナーでも、この方法を紹介・解説していました。
しかし、こうしたフラット35Sの特別な金利引き下げが終了し、他の金融機関も固定金利の引き下げに動いた結果、状況は変化したのです。フラット35を借りることで他の住宅ローンと比べた時に支払額がかなり多くなってしまうのであれば、この方法のメリットは無くなります。
従って、あなたがフラット35を勧められ、同時に団体信用生命保険の代わりに収入保障保険への加入を勧められたとしたら、現時点では「フラット35Sエコ終了と固定金利の住宅ローン選択(1)」の記事で書いたような金融機関でも諸費用を含めた支払の総額を試算してもらい、比較した方がよいでしょう。
さて、いまだフラット35を勧められることが多いのには、まだ他の理由もあると考えています。他の理由は次回の記事で。