とある流通センターの中にある、『QK』と名乗るオヤジセンス丸出しで、今更話題にもしたくない休憩所の天井なのだ。
ベージュとオフホワイトに分けられた石膏ボードの天井から、一本の管が突き出し、「いきてます」と書かれた短冊が、そこはかとなく、ほのかにほのかに揺れている。
おわかりだろうか。
次も同様の写真だが、石膏ボードの貼りわけから別に位置した管だと判別できると思うが、同じく「いきてます」と書かれた短冊が、まるで深夜の柳を揺らすように揺れているのだ。
おわかりだろうか。
この流通センターには度々流通にまぎれてくる正体不明の老婆がいるという。
その老婆たちは一切言葉を話さず、着ている服からも日本倭人とは受け入れがたい国籍らしいのだが、本人が喋らないので、一時入院させたあと、行方がわからなくなっている。
いや、行方をわからなくさせているのか。
空港から程近いこの場所で、緩やかにゆれている「いきています」短冊が、ゆっくり動きを止めると、数人の係員が走っていくのを、おれは目撃した。
この管はすべて四本連なっている。
消えた消えた老婆の数からすると、随分と少ないような気がするのだが、おわかりだろうか。
たまに、短冊が元気に揺れていることがあるという。
ああ、元気なんだな。