駅前の吉牛に行ったのならば、やたらニッカボッカ率が高くて育ちが知れてる連中が多かったのだ。
その内の一人は五十がらみなのだが、短い髪は赤く染めててピアスしていて変に痩せてて前歯の調子からアンパンやってたの丸出しで始発の駅で度々ホームで見かけるのだがいつもベンチでタバコ吸っている、この世に大人がいるのならば非常にダメな部類の大人なのだ。
そのダメな大人がニッカボッカ連中を代表して吉牛店員に文句いってる。
ようは牛丼を喰っちまって支払いのときに、今日から値引きサービスで三百円だと思ったらしいのだ。
ダメな大人の言い分は、牛丼の並が三百円ならばおごってやるってな勢いで、5~6人引き連れて並を食したのはいいが、支払い段階で割引が明日からだと知って、店員に喰ってかかってるワケなのだが、それを見かねた他のニッカボッカ連中は、いいよ自分で払いますよ。と言うのだが、ダメな大人は納まらない。店長だせ責任者だせこんな表示じゃわかりずれーだろ。とかのたまってタバコを吸いだして空いた丼を灰皿にしたから、それに今度はおれがキレた。
店員さん、おれがこいつらの分払うからいいのだ。たかが八十円でぐだぐだほざくオヤジなんざー生まれて初めて見たよ。だからこんな乞食連中追い出して丼片付けなさい。銭払わねーのは客じゃねーんだし、丼と分かってて灰皿にしたんだから器物破損で警察連絡しろ。
そう言っておれは立ち上がり、ダメな大人と対峙したのだ。
その時、パンパンパチパチと店員を含めたニッカボッカ連中が拍手を始めたのだ。
キョトンと目が点になるおれに、ダメな大人が満面の微笑でおれに握手を求めてきた。
実はダメな大人はイギリス情報局MI6のスカウトマンで、おれの正義感と勇気に目をつけて、色々と観察していたらしいのだ。
そうか、あの黒いコートの男……。
おれはイギリスで一年間の研修を受けて、その後に日本に戻り極東諜報員として普段は吉牛の店員をしなければならないらしい。
すまん、うそです。
どのブログ見ても四月バカ率が高かったので、どーせなら四月ドアホウ死にさらせこのクソガキがっ!
って言われるほどのウソをつきたかったのだが、これが今のおれのウソの実力なのだ。
戸棚の煎餅だれが食べたのっ! うんとね、なんかネコのタマそこらへんウロウロしてたよ。
とかとレベルは一緒か、おれのほうが手が込んでるだけで。
だからシナリオの仕事が減るんだろーな。