人間てーのはあっけないもので、だから大切な人生を選ぶ輩と、自暴自棄で乱暴な人生を選ぶ輩がいると見受けるのだ。
そーゆーおれは、そんなに極端じゃーねーのだが、どっちかとゆーと自暴自棄で乱暴な方かも知んない。
おれみたいに、サラリーマンの頃から一人でフーテンで流浪の職務を担わされ、日本全国を網羅して、所々行きつけの呑み屋を開発してたりして、多分、フツーの人々の三倍は軽く超えるよーな人々と、うんざりするよーな一期一会を重ねると、出会いや別れの特殊な感情などマヒしちまってるし、よもやどーでもいーってな具合なので、まあ、どーでもいーのだ。
味噌汁の中のアサリを一々覚えてるわけねーのだが、ある日、ふとしたとこで記憶のシッポが見えてきて、もどかしい記憶の忘却の旅路に行ってしまうのだ。
おれの場合、顔だけ覚えていて名前を忘れてる場合は、すっとぼけて全部忘れてるフリをするのだ。
四国の劇場で合った照明のヤツはおれのことを覚えていて、おれの親父と爺さんが大工だとか、東京の大久保の劇場でも仕事したとか、やたらよく覚えているのだが、おれはその照明の顔はなんとなーく覚えているだけなのだ。
ってーか、なんでおれの家業のことまで知ってんだよ。
おれが話したに違いないのだが。
最近はそれなりに面倒臭い年齢なので、それなりにさしていただく。
随分前からおれは短気なのだが、原因はわかってるのだ。
ヒトが多い。
これなのだ。この経験と年齢を重ねるだけで、ヒトの多さは覚えてろよこのヤロ。
だれか、そこそこ殺してくんねーかな。