たまにオリジナルビデオ、いわゆるOVを撮ったりしているのだ。
まあVシネマってーと話しが早いのだが、Vシネマは東映の登録商標なのでOVなのだ。
んでもここ数年は予算の折り合いがつかないので、撮ってないのだ。
これは由々しき問題だな。
んなもんだから、監督とホームページ、いわゆるHPを作って何らかの行動をおこそーではないかとゆー話しになったのだ。
ついては10~15分ていどのシネマを撮影してネット配信したいのだが、我らゲテモノ系撮影集団にふさわしいストーリーを作って欲しいとの依頼をうけたのだ。
撮影集団といっても、基本的には特効、操演、コンピュータグラフィック、いわゆるCG合成を本職とする監督と、美術、大道具、小道具、助監督、脚本を兼ねるおれとの二人が主なのだ。
したらば、おれはよく白昼夢を見るので面白かったものを書いて提出したのだ。
サイレント・シネマなのだが、一人の若者が誰もいないレストランで食事をしよーとメニューを手にする。
したら右手の親指の爪の間から、毛が一本出ていたのだ。
気になる若者は誰かの忘れ物であろう、カバンの中から巨大なピンセットを取り出し、毛を抜こうとつまみあげたのだ。
したら毛と一緒にミミズのよーなものがズルズルと引き出されるじゃーないか。
びびって思わずピンセットを離してしまうと、ミミズのよーなものは爪の間に引っ込んでしまう。
若者は気持ち悪さと焦りでイライラしながら、再び毛をつまむとミミズのよーなものを上手いこと引っ張りだし、激痛に耐えながらミミズのよーなものを抜ききる。
するってーと鶏卵大の繭のよーなものがミミズのよーなものにくっ付いて出てくるのだ、親指の爪の間から。
更には繭の中からはキャーキャー声が聞こえてくる。
若者は思わず繭を床に叩き付けると、繭は割れて中から全裸の芸者が尻からミミズのよーなものをくっ付けながら、キャーキャー言いながら逃げ去るのだ。
ここで、初めて若者のセリフがあるのだ。
「怪虫芸者…?」
何事も無かったよーに、再びメニューを手にする若者の目頭からは、毛が一本でている。
エンドタイトルは『怪虫芸者』。
だいぶ端折ったが、こんなストーリーなのだ。
どーだろーか。
おれは極めて短い尺のストーリーだから、こんなもんで十分面白いと思うのだが、監督には何が面白いのかわからんと言われてしまったのだ。
ちなみに監督はおれより7歳年上で、おれが大好きなモンティ・パイソンとかもわからんと言うのだ。
この手のストーリーはセンス・オブ・ワンダーだな。
でも監督がのらなければしょーがないので、また振り出しに戻ったのだ。
一応、集英社のビジネスジャンプ、いわゆるBJの漫画原作大賞で入賞したこともあるのだが。
嗚呼、おれにはさいのーがないのだろーか…。