この曲は、NMB48の20thシングル「床の間正座娘」のカップリング曲であり、当時のNMB48の全メンバーが参加している楽曲です。
なお、20thシングル「床の間正座娘」は、山本彩がいない最初のシングルになります。
ひとつ前のシングル「僕だって泣いちゃうよ」には、山本彩のソロ曲「忘れて欲しい」が収録されています。
こちらの曲は、NMBを卒業する山本彩がメンバーたちへ送った別れのメッセージでした。
「2番目のドア」は、そんな山本彩のメッセージに対して、NMBのメンバーたちの決意を示すアンサー・ソングになっています。
1番Aメロ
いつでも 目の前には
道ができてたから
地図などなくても
歩けたんだ
彼女のその背中を
追いかければいいと
甘えていたこと
今さら気づいた
「彼女」というのは、言うまでもなく山本彩のことです。
NMB結成以来、ずっと先頭でグループを牽引してきたのは、紛れもなく彼女だったのです。
彼女は誰も歩いたことのない険しい道を切り拓いてくれた、偉大なる先駆者でした。
そして、後に続くメンバーたちにとっては、迷ったときの道標となってくれる頼もしいキャプテンでもありました。
けれども、その大いなる存在がいなくなって初めて、自分たちがいかに彼女に甘え、頼り切っていたのかを、思い知ったわけです。
1番Bメロ
だけど これからは
頼ってはいられない
自分の力で
切り拓く未来よ
今までは、山本彩の背中を追っていればよかった。
けれども彼女が去った今、いつまでも彼女の幻影を追っているわけにはいかない。
ソロ曲「忘れて欲しい」において山本彩は、「私の背中を追うのはやめにして、これからは自分たちの道を歩め」とメンバーたちに厳しいメッセージを残しています。
そこには、メンバーたちの未来を案じる彼女の優しさが込められていました。
メンバーたちは、彼女のその思いをしっかりと受け止めたのでしょう。
誰かが用意してくれた道ではなく、自分たちの力で新しい道を切り拓いて行く。
そんな自立への覚悟が、ここでは示されています。
1サビ
2番目のドアを開けよう
昨日とは違う
見たことのない景色
広がってるよ きっと
新しいドアを開けよう
不安もあるけど
同じあの夢 目指す
仲間たちがいる
最初の扉は、エース兼キャプテンであった山本彩に率いられることによってこじ開けることができました。
アイドル不毛の地と言われていた大阪に、NMB48は今やしっかりと根付いています。
その礎を築いたことをもって、NMB48の第1章だとするならば、第2章は、山本彩が去った後の、NMB48のさらなる飛躍ということになるのでしょう。
「昨日とは違う 見たことのない景色」というのは、まだ経験したことのない世界であり、無限の可能性をも指しているのでしょう。
そうしたものが広がっているはずだから、新しい扉(2番目のドア)を開けようではないかというわけです。
山本彩はもういないし、彼女の代わりになるような人もそうそう現れることはないでしょう。
けれども、私たちは一人ではない。
自分たちには同じ夢を持った仲間たちがいる。
仲間同士力を合わせれば、どんなに重い扉でも開けられるはずだ。
ここでは、そう力強く歌い上げています。
なぜこの曲がNMB48の全メンバーで歌われているのか。
その意味は、このサビの歌詞、とりわけ「仲間たちがいる」というフレーズに凝縮されているのではないでしょうか。
2番Aメロ
彼女がいなくなって
ダメになったなんて
誰にも絶対に
言われたくないよ
山本彩の存在が大きかったがゆえに、彼女がいなくなった後のNMB48は大丈夫なのだろうかと見る向きも、世間には少なからずあったことでしょう。
自分たちに対するそうしたネガティブな見方を、メンバーたちも痛いほど感じていたのではないでしょうか。
「誰にも絶対に 言われたくないよ」という強い否定の言葉は、そうしたネガティブな見方に対する反骨心の表れなのでしょう。
そこには、現役のメンバーたちの意地とプライドが滾っているようにも思えます。
2番Bメロ
そんな情けない
後輩じゃしょうがない
今まで以上に
輝いてみせたい
山本彩をはじめ先輩たちが築き上げてきたNMB48を、自分たちの代で衰退させるわけにはいかない。
万が一にでも、自分たちのせいでNMB48がダメになってしまったら、先輩たちに顔向けができない。
「今まで以上に」というのは、山本彩が牽引していた頃のNMB48を懐かしむのではなく、超えて行くのだという決意を表しているのでしょう。
自分たちがより一層輝いてみせることこそ、偉大な先輩への最大の敬意になる。
メンバーたちはそう考えているわけです。
2サビ
2番目のドアを開けよう
私たちだけで
汗と涙の道を
一歩一歩 進もう
挑戦のドアを開けよう
勇気を絞って
汗と涙を拭(ぬぐ)い
共に笑うまで
「私たちだけで」というフレーズに、NMB48の現役メンバーとしての矜持を感じますよね。
さらに、「汗と涙の道を 一歩一歩 進もう」というのですから、泥臭く地道に、かつ着実に進もうとしているメンバーたちの覚悟が伝わってきます。
「汗と涙」というのは、ありきたりのフレーズかもしれません。
けれども、その「汗と涙」こそが、劇場の熱量や激しいダンスパフォーマンスを武器にしてきたNMB48のアイデンティティそのものなのではないでしょうか。
泥をすすり、傷つき涙することがあっても、お互いの涙を拭い合いながら最後に全員で「共に笑うまで」諦めないという挑戦の意思を、この歌詞は示しています。
ラスサビは1サビの繰り返しになっています。
アウトロ
見ていてください
山本彩は、自分の存在がメンバーたちにとって呪縛にならないように、「私のことは忘れて欲しい」と歌っていました。
そのメッセージに対して、現役メンバーたちは、「見ていてください」と返しているわけです。
この「見ていてください」という一言に込められた真意を読み解いてみると、寂しさと不安を乗り越え、力強く前に進んで行こうとしているメンバーたちの決意が感じ取れるのではないでしょうか。
偉大な存在であった山本彩のことを「忘れて欲しい」と言われても、そう簡単に忘れられるものではありません。
なにせ、ずっと彼女の背中を追ってきたのですから。
決して忘れることなどできないけれども、山本彩の幻影を追うことはもう止めにして、彼女から自立する。
そして、自分たちの力で新しいNMB48を作ってゆく。
その姿を彼女には見ていてほしいというわけです。
つまりこの「見ていてください」というフレーズは、必ずやNMB48の輝かしい未来を作り出してみせるという誓いのメッセージなのです。
山本彩の歌う「忘れて欲しい」が、愛する我が子を突き放す親の優しさだとするならば、現役メンバーたちが歌う「2番目のドア」は、その愛をしっかり受け止め、立派に巣立つ子どもたちの決意表明ということになるのでしょう。
大黒柱であった山本彩の不在は、NMB48にとっては大きな試練だったはずです。
その試練を乗り越えるために、メンバー全員に当事者意識を持たせようと、秋元Pはこの曲を作ったのかもしれません。
秋元康 作詞, 山下裕樹 作曲, 若田部誠 編曲
NMB48「2番目のドア」(2019)

