何を惜しみ 何を恨みん 元よりも この有様に 定まれる身に
このような(敗北し自害する)境遇になるもわが運命なり、なにを惜しみ恨むようなことがあろうか・・・
と陶晴賢(すえはるかた)の、この辞世の句を我が胸に留め、若葉マークのついた車の助手席に乗って福岡まで出陣しました。
若殿の出陣って、きっと周りの者はハラハラものだったことでしょう。
自分がやった(運転した)ほうが早いし、精神的にも安全。然し、幾度も実践を積み重ねなければ上達はしないし、いずれは自分で自分の道を進まねばならぬもの。
刀よりも殺傷能力が更に高い鋼鉄の塊を、人力ではあり得ない速度で走らせるわけですから、用心には更に用心を重ね、調子に乗らぬように戒め、萎縮しないように褒めながら見守る親心。
そんなこんなで、念願の「九州国立博物館」に行って参りました。
福岡にいた頃、九州に国立博物館を作るにあたり、調査研究の委員会が発足した云々という話は聞いたことがありました。まあ大宰府だし・・・水城があるところだし・・・と蒙古襲来ぐらい、遠い話のようにしか捉えていなかったのですが、それから10年程の後、無事開館できたことを新聞で知りました。
国立博物館というと、東京、京都、奈良・・・とそれぞれの強み(文化財)に沿って建てられていますが、九州ならではの強みといいましょうか、日本文化をアジア史的な視点で捉えてあるというのが特徴らしく、事実、広島よりも韓国のほうが遥かに近いという地理的条件からも、独特の文化が生まれたのはご承知の通りだと思います。北東側はそうでもないかな
狭い処に、寺も孔子廟も神社も教会も一緒くた。地名も、福岡や佐賀北部では原を「はる・ばる」と読むところが多かったり。
そういや昔、アジア太平洋博覧会というものがありましたな・・・よかトピアだったか。
古くは古墳時代から現代までの様々な文化財が保管されており、様々な企画を通して展示が行われていますが、今回、九博開館20周年を記念し、「九州にゆかりのある国宝が集まる」という魅力的なフレーズが目に留まり、是非とも行ってみようと思った次第です。
結論、実に「一見の価値あり」
九州・沖縄それぞれにゆかりのある素晴らしい国宝があり、宗像大社、沖の島にある沖津宮祭祀遺跡から出土された「金銅製龍頭」が目玉でした(7/23からはかの有名な「金印」が展示される予定ですって)。他にも、琉球王国の衣装や古墳時代の装飾品、鐘、肥前国風土記・・・矢張り人気は「日本刀」でしょうかね。
国宝の輝かしい姿を見ると、またご先祖様から責められそうなので・・・拝む程度に・・・。
数ある中で、これはすごいと目を引いたのが、「蒙古襲来絵詞(後巻)」の一部。歴史(日本史)の教科書でも御馴染み、「文永の役」と「弘安の役」ですが、肥後国の御家人(今の宇城市)である竹崎季長(たけさきすえなが)が元寇における自分の戦う姿を描かせた絵巻物で、現在は宮内庁が所蔵しています。
蒙古襲来の絵巻物といえば、「文永の役」の一面(蒙古軍との戦いで、季長の乗った馬から血がブーッと出ているヤツ)が有名ですが、今回は後巻となる「弘安の役」の一面、元寇塁に集まる武士達の図。
鎌倉時代に描かれたこの絵巻物・・・緻密な筆遣いと鮮やかな色合いで塗られた絵図は、まさに目を奪われる程の絶品。鎧の縅まで詳細に描いてあり、絵具の重なりまでわかる程。ガラス越しの間近で確と見る事ができるのは・・・やはり、足を運んでこそ。
彼がこの時戦ったのは、生の松原あたりだったか?シヒャク~ヨシュウヲコ~~ゾル♪てな古いか。
いやはや・・・目の保養ですなぁ。然し、面白いのは、展示品をただ飾ってあるのではなく、キャッチーな感じで、独自のテーマに沿った構図であったり、今どきの時代に合わせたようなゆる~い感じの展示もあったりして・・・・これなら何の予備知識がなくても、十分に楽しめるのではないかと思いました。
学芸員さん達のセンスがあるんだろうなぁ・・・重要文化財の鬼瓦が推しキャラになるなんて考えた事もありませんでしたよ。是非、QT9(キューティーナイン)を見てやって下さい。
他の駄文も書いていたのですが、随分と長くなったので・・・九博の話は一応此処まで。
最後に、江田船山古墳(熊本県玉名郡和水町)から出土された国宝「金製長鎖三連式耳飾」をどうぞ。ここは銀錯銘大刀という75字の銘文が記された大刀が出土したことでも有名ですね。
「この夏イチオシの王さまの・・・」ですからね( ´艸`)
古墳トレンドはゴールドとシルバーがキターーーーーー!といったところですか♪
