うろんころんしてみる隊 -67ページ目

うろんころんしてみる隊

うろんころん・・・って何かって?九州弁でして、標準語に解釈するとウロウロと「散策している」「徘徊している」・・・どちらでしょうかね?
傍から見ると限りなく後者に近いわたくしの、人生の糧にもならないつぶやきを書き留めて行こうと思います。

蝉しぐれ 神のみもとに 響くおと

 

 

七夕月の、雨をもたらす雲を脱げば、そこに広がるは白き雲。日が高くなるとともに、ひかりの白さに目がくらむ。

半世紀近い昔の記憶。夏の昼間に、焼けたコンクリートの上を歩き続けるには堪えるので、日を避けようと潜り込むに丁度よいのは、スギやクスが茂る小さな神社。保育園児のすることは、拝殿に頭を下げたあと、あちらこちらに散らばって遊びだす。細かい砂利の上を棒や足を使って落書きをし、冷たい石にからだをくっつけ、小さな石でこさえられた手水の底にたまる葉を枝で突いたり・・・空を見上げると、耳に押し入ってくるのが、正にこの蝉しぐれ。

 

閑話休題・・・という程、大袈裟なものではないのだけれども

 

暑い・・・暑いのに・・・何かが変だ。

何か静か・・・そうだ、蝉が鳴かない。

 

例年であれば、梅雨明け間近になると、雨の合間にニイニイゼミの鳴き声が戦闘をきる・・・もとい、先頭をきるのに、その声を聞くことがない。

 

九州地方における、セミ版夏の陣

「幕開けはニイニイゼミの巻頭句。アブラゼミが先陣を切り、ついでクマゼミが勃興し最大勢力と為す。朝はクマゼミの雄たけびが目覚ましとなり、実質気温にプラスして、体感気温を上げまくる。窓を開けてもすぐに閉めたくなる

 

昼間クマゼミが黙々と樹液を飲んでいる間に、アブラゼミが我こそはと歓呼する。がんばるアブラゼミ!ワシワシと大きな声で主張するクマゼミに屈するものかとジイジイ鳴いている。

 

お盆を過ぎると、だいたいクマゼミは草生す屍となり、次いで現るはツクツクホウシ

ホーシ・ツクツクなのか、ツクツク・ホーシなのか・・・?ジー・・フォゥ~シから聞こえるので、前者のほうが正しいのか君は?偶に電柱の下にもくっつくので、子どもの餌食になりやすい。小さいので素手でもガツッといける。

 

夏の盛り鳴き声の熱き闘いも、次世代へ命の襷を手渡した後、去りゆく者共は沈黙す。

地に伏す亡骸はまた別の命の糧となり、乾いた翅の運ばれ動く姿は、長きにわたりて、

暗き地の中をば縦横に生きた者の、最期に辿り着くところである。鎮まる空気のなかを

息の長いアブラゼミの鳴き声が、9月の空に幾分名残惜しく聞こえてくる。」

 

わたしの住んでいたところでは、下界にてミンミンゼミの鳴き声を聞くことがない。山の渓谷まで行って始めて「ミ~ンミンミンミ~ン」と夏らしい声色を聞くことができる。

少し山手に登れば、朝夕に「カナカナカナ・・」とヒグラシの声が竹林や松林から日が差し込むまにまに響いてくる。

風情の色味が違うだけで、何故か同じ蟬でもクマゼミのように嫌がられない。WHY?

 

何はともあれ、夏の始まりを告げるとともにまた、夏の終わりを告げる蟬殿。

あの、「ワシワシワシ」がまだな~んにも聞こえない・・・と思っていると、今年は気象の関係で羽化がうまくいっていない様子。

地温と雨量が地中で過ごす彼らの運命を握っているようで、今回は、羽化の前の乾燥(雨が降らない)、樹木の乾燥→樹液が不足という悪循環で、本来は、羽化するエネルギーを蓄えるために根まで潤う樹液を必要とする彼らにとって、かなりのダメージを与えているそうな。

 

おおう・・・

土の中で6~7年程を過ごす彼等は、昆虫の中では長寿の部類に入るのだろうけれども、土の中でだって、し烈な生存競争の当事者として生きのこりをかけて暮らしている。

最後に成虫となり、パートナーと子孫を残していく・・・その残された短い期間を・・・環境が阻んでいるという悲しき事実。

 

世にあぶれる経験をこれまでたくさんしてきた、団塊ジュニアからの切ない同情心は、せめて彼らが(すべてとは云わぬが)無事に羽化し、次の世代を残せるように頑張って欲しいと願うばかり。努力だけでは解決できぬ事もあるけれども、7年後、彼らの子孫がまた夏を賑やかして欲しいもの。

 

因みに、成虫(特にオス)をあまり好まない倅共。せっかくつかまえてみせても離れていく。

まあ・・・クマゼミの「ジジジジジジ」は大音量だからねぇ・・・。

逆にセミの抜け殻は平気らしく、幼少の頃は、あちこちで見つけては、熱心に収集をしていた。実家に行くと、小さな籠いっぱいに集められた、その頃の抜け殻の群衆が残してある。

 

いや・・・いくらなんでも捨てたまえよ・・・。

 

然し、この殻の主たちの孫達が、今年の夏空に飛び立っていくのだろうから、やはり頑張れと応援したくなる。

そうこうするうちに、漸く「ジイジイ」と彼らの声を確認することができた。

 

いつもの耳鳴りではないぞ・・・蝉の声に間違いなし。おお・・ようよう鳴きだした、お前さん達を待っていたよ。まあ身勝手にうるさがるかも知れんけれども、応援しているよ。

ひと夏の合戦だ!皆の者よがんばれ!